後藤早苗の短歌(16)
(注)後藤早苗は私の妻です(平成29年1月28日死亡)。
結社誌「賀茂短歌」より転載。
木瓜 (17年.1月)
冬枯れの庭に真っ赤な木瓜の花見とれておれど一首も出来ず
別れたり仲良くなりたり若きらがわれの気持ちをやきもきさせる
柿 みかん リンゴにキウイこれみんなもらいものです師走はうれし
泣き顔も幼は可愛い地団太を踏みつつ母の後をおいゆく
吾子 (17年.2月)
子育ての頃はいとわぬ寒ささえ今は身にしむわずかな風が
春蒔きの畑の区画思うとき東京の子の顔浮びくる
帰宅する我を喜び騒ぎたつ
鶏
達にまず餌をやりたり
満面の笑みを浮かべて初孫の生まれるうれしさ兄嫁は言う
正月に帰宅せし娘はむぞうさに付き合いし人あると言いたり
押し入れの一部を占めてマットレス三十年間使わずにあり
朝二つ夜に一つの恋愛のドラマの筋が交ざったりする
草刈機の刃先に当たり冬眠の蛙が足をひきずりて行く
おとずれる人も少なき家ならむものめずらしげに猫が吾を見る
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