明石海人歌集
白描(142)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県
立沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
第二部 翳(16)
奈落(2)
抽斗
なるむかしの銭も臍の緒も我にきはまる幾世の命ぞ
霊魂に遺らむ臍のありかなど皺くちやな頭にかんがへあぐむ
しあはせな歌はおもへど目に見えて夜毎を地獄に堕つる夢ばかり
不運にも置去られつつ眼のたまに
鍼
などたてて明し暮すか
こんなとき気がふれるのか蒼き空の鳴をひそめし真昼間の底
(つづく)
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