明石海人歌集
白描(164)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県立
沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
白描以後
越冬
霜の夜は痰の乾びに呼吸管の塞ること屡々なり
呼吸管の乾きを護る雪の夜は見えぬ眼を闇に
瞠
りつつ
ものみなの眠りひそまる夜の底を器に
屎
す寒に打たれつつ
気ちがひは憚らざれや遠妻を
淫
と呼びて夜半をののしる
雪しづれをりをりにして隣室の気ちがひ患者は寝しづもりたり
(つづく)
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