1月30日(日)
岡井 隆「私の文学」(51)
(対談:聞きて田中和生)
三田文学(2003年夏季号)より
岡井:やっぱり平凡だけど、近代文学あるいはモダンとい
うのは今評判が悪いけれども、世界の詩歌の文学の常識とい
うものが短歌のような伝統的な詩型の世界にすらだんだん浸
潤しちゃって、今は穂村さんみたいに性転換やって女性とし
て歌うというようなことを詠んでいてあまり驚かれない。そ
れは穂村さんが最初じゃないんですけれども、何人かの人が
そんなことをやるとか、それからそういうところにはそうい
うものはないということが明白なのに、あたかも自分がそこ
へ行ってそれを見たかのごとく歌をつくって、それに対して
昔だったら叱られるという感じがあったのが、今はみんなニ
コニコしながら「そういうの、おもしろいね」とかなんとか
言う。やっとそういう水準のところまで行ったのかなという
感じはするんですね。
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