1月30日
短歌入門(今からはじめる人のための)(29)(抜粋)
岡井隆著 昭和23年9月25日発行
名詞をつかむ(1)
例歌:石川不二子『定本歌集 牧歌』より
水恋ひてからす揚羽のおとづれしはげしき夏も過ぎゆかむとす
(山の中に入植して開拓者の生活をしている農業者が、はげしい夏を
経験した作者の歌)
解釈:からす揚羽が水をしたっていくたびもやって来た、あのはげしい(暑さの)夏もすぎようとしている。
(注意)作者は、「からす揚羽」という虫をもってきて、(「はげしい暑さ」というような)大まかで抽象的な言い方ではなく、具体的に表現の中心に到達することに成功した。ここで、「名詞」が重要となります。
作歌には、適切な(具体的な)「名詞」を探す作業があります。この場合は、「からす揚羽」です。
(つづく)
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