バスター・キートン短編集 | メタボの気まぐれ

無声映画時代、チャーリー・チャップリンやハロルド・ロイドと並び
世界の三大喜劇王と呼ばれたバスター・キートン。
彼の短編集がＤＶＤとして蘇りました。

彼の笑いの法則は“偉大なる無表情”で体を張ったアクションと
ギャグで喜怒哀楽を表情に出さない。
その無表情と急斜面を転がり落ちたり列車の上を全速力で
駆け抜けたりするなど非常にアクロバティックで
命がけのアクションとのギャップがファンに愛されました。

その作風もチャップリン作品に形容されるような悲劇的な要素はなく
コメディ的ロマンス要素が加味された作品が多い。

今回の短編集に収録された作品は
鍛治屋キートンが新式の鞍を発明し試しに使ってみると
バネが組み込んであり、揺れない長所がある反面、
落馬し易い欠点のある事でキートンが追い掛けられ逃げ回る
1922年発表の「キートンの鍛冶屋」

手作りの船を完成させたバスターが船を無理矢理ガレージから
引っ張り出すが、そのおかげで建物は崩壊。
進水式にしたが船は沈む一方で大騒動しながら
何とか海に出たが今度は嵐に遭遇という波乱をコメディにした
1921年の「キートンの船出」

元インディアンの土地にやって来た昆虫採集の若者キートンは
蝶に誘われるままに門の外の居留地に迷い込み、
彼らの存在に気づかず虫捕り網をふるって混乱を巻き起こす。
1922年の「キートンの酋長」

恋人との結婚の承諾を父親から得るために
都会に出て働くキートンは医者で大成しているや
証券会社で働いていると嘘の手紙を送り
遂に父親から怒りを買ってしまったコメディ
1922年の「キートンの白昼夢」の4作品である。

いずれもキートンが自らのプロダクションで製作し
少し間抜けた性格だがロマンティストという作風に仕上がっている。

ちなみに「ちびまる子ちゃん」のナレーターの
キートン山田の芸名はこのバスター・キートンから
借用したものである。