新仁義なき戦い組長の首 | メタボの気まぐれ

1975年、新・仁義なき戦いシリーズ第２弾として
東映がヤクザ組織に生きる男たちを描いたのが
「新仁義なき戦い組長の首」である。

昭和43年、覚醒剤を主とする密輸品の莫大な利権を巡り
大和田徳次（西村晃）率いる大和田組と共栄会の
二大組織が対立していた。

大和田組幹部・楠鉄弥（山崎努）は組員・須川（渡瀬恒彦）と
流れ者・黒田修次（菅原文太）らと共栄会組長を襲撃、
黒田は自から単独殺人を認め殺人罪で刑務所へ収監した。

共栄会は崩壊し大和田組は勢力を拡大し大組織化となり
相原（成田三樹夫）赤松（室田日出男）井関（織本順吉）の
各幹部が派閥を作り、楠は大和田の娘である
美沙子（梶芽衣子）を妻にしたのである。

その頃、仮出獄する事になった黒田に楠は
大和田組長に懲役慰労金として五百万円要求するが
その気のない大和田は逆に楠を破門した。

数日後、相原は黒田にヒロポンを渡し赤松組の了解を
得ているという事で赤松組の縄張り内で売るように依頼した。
黒田は舎弟分の志村（小林稔侍）と笹木（三上寛）に
商売をさせたのだが赤松組組員と乱闘事件を起こした。

この報復として笹木が赤松を刺殺、自分も殺されてしまった。
これは相原が大和田組から独立を企てた赤松を抹殺する為
仕組んだものであり、相原は秘かに大阪の野崎組の後押しで
大和田組の二代目を狙っていたのだ。

数日後、大和田組長は二代目として井関を推し
そこで黒田は大和田と井関・黒田に盃を交わした。
怒った相原は楠に大和田が楠を狙っており
美沙子を黒田の妻にすると唆した。

相原の言葉を信用した楠は大和田を射殺、
大和田の通夜の日に井関らの前で野崎組は二代目として
相原を推した。

強力な組織を持ち大和田徳次の兄貴分であった
野崎浅次郎（内田朝雄）に井関は従がうも
相原は井関に黒田殺しを要求した。

全てを知った黒田は組のバッヂを投げ捨て
相原の首を殺る事を決意した。

この映画は今までの「仁義なきシリーズ」が広島抗争を
描いているのに対し本作は北九州市での抗争を描き
また刑事役としてチンピラ役を数く演じた川谷拓三を
起用したという憎い演出も見逃せないのです。