北京原人の逆襲 | メタボの気まぐれ

香港映画界は1977年、米国でリメイクされた
「キングコング」の香港版を制作するため
日本から優秀な特撮スタッフを招き制作したのが
香港制作会社のショウ･ブラザーズによる
特撮映画「北京原人の逆襲」である。

香港の捕獲業者・ルー(Ｋ・フェン)は
60年代にヒマラヤの大地震で岩石の間より出現した
北京原人の調査の為、探検隊を編成し出発した。

隊長に冒険家のジョニー(Ｄ・リー)を迎え
ヒマラヤ奥地を目指したが、ルーは猛獣の襲撃や
底なし沼、断崖絶壁など数々の難関に阻まれて
捜索を放棄して逃げ出してしまい
ジョニーはひとり密林へ入り彷徨ってしまった。

その時、ジョニーが北京原人に襲われた。
間もなく気がつくジョニーの前には
ヒョウさえ手懐ける金髪の美女・サマンサ
(Ｅ・クラフト)が介護に当っていた。

彼女は20年前にヒマラヤで墜落した旅客機の
唯一の生き残りであり北京原人に育てられていた。
ジョニーはサマンサと親しくなり
いつしか互いに惹かれ合う仲となっており
やがて北京原人を香港に連れていく事にした。

大型貨物船で運ばれた北京原人が香港に着くと
逃げたはずのルーが自分の手柄として北京原人を紹介、
ルーの懐には大金が入り北京原人は人気者となった。

一方、ジョニーが昔の恋人と会っている瞬間を見た
サマンサはテレビ局で北京原人がいるスタジオに駈ける。

そしてルーが彼女に襲いかかろうとしている瞬間
北京原人は怒り、ルーは踏み潰されてしまった。

暴走した北京原人に警察は戦車、ヘリコプターを動員し
一方の北京原人は超高層ビルをよじ登りはじめた。

屋上で繰り広げられる北京原人との爆撃戦。
ジョニーは警察にサマンサなら北京原人を抑えられると
提案し２人で屋上に向かったが・・・

この映画はショウ･ブラザーズが当初「大魔神」の
特撮スタッフである黒田義之らに特撮を依頼したが
日本人の念入りでゆっくりな撮影ペースは
早くテキパキと撮影する香港映画界には遅すぎると見られ
撮影は中断、また黒田のビザが観光ビザだった為
全員帰国となった。

しかし造形担当の村瀬継蔵は就労ビザで香港にいたので
残留する事が出来た。そのためショウ･ブラザーズは
黒田の代わりの日本人特撮スタッフの選定を頼み
村瀬は有川貞昌ら東宝のスタッフをリストアップ。
川北紘一も助監督として参加したという経緯があった。