風と共に去りぬ | メタボの気まぐれ

南北戦争という「風」と共にアメリカ南部の
貴族的白人文化社会が消え「去った」事を意味した映画
「風と共に去りぬ」は全編で3時間42分という
大長編であるにも関わらず、空前の大ヒットを記録した
1939年のアメリカ映画である。

1861年、南北戦争が始まろうとする直前。
ジョージア州の大地主ジェラルド・オハラ
（トーマス・ミッチェル）の長女スカーレット
（ヴィヴィアン・リー）は樫の木屋敷と呼ばれる
同じ大地主ウィルクス家で明日開かれる野外宴会に
そこの嫡子で彼女の幼馴染みである
アシュリー（レスリー・ハワード）と彼の従妹メラニー
（オロヴィア・デ・ハヴィランド）の
婚約が発表されると聞いて心穏やかでなかった。

激しい気性と美しさを合わせ持つスカーレットは
多くの青年の憧れの的であったが彼女の心は
アシュリーとの結婚をかたく決意していたのだ。

宴会の当日、スカーレットは想いのたけを
アシュリーにぶちまけたが
彼の心は気立ての優しいメラニーのものだった。

スカーレットはそこでチャールズトン生まれの船長で
素行の評判の良くないレット・バトラー
（クラーク・ゲイブル）に会い、彼の臆面のない態度に
激しい憎しみを感じながら何か惹きつけられた。

突然、南北戦争の開始が伝えられスカーレットは
失恋の自棄からメラニーの兄チャールズの求婚を受け入れた。

メラニーと結婚したアシュリーもチャールズも戦争に参加。
だがチャールズは戦争で病を得て死に
スカーレットは若い身を喪服に包む生活の味気なさから
アトランタのメラニーの元へ行き
陸軍病院のバザーでレットと再会した。

戦況はその頃南軍に利なくスカーレットとメラニーは
看護婦として働いていたが
やがてアトランタは北軍の接近に脅えた。

スカーレットと生まれたばかりの子供を抱えたメラニーは
レットの御する馬車で故郷へと向かった。
レットは途中ひとり戦線へ向かい
残された2人はやっとの思いでタラの地に着くが
既に廃墟になって北軍にすっかり蹂躪された後だった。

戦争は南軍の敗北に終わった。
捕虜になっていたアシュリーが帰って来て
メラニーを喜ばせたがスカーレットは再び彼に
愛を告白して跳ね付けられた。

スカーレットのその愛の果ては・・・

この映画はアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞
助演女優賞（ハティ・マクダニエル）脚色賞ほか
特別賞を含め９部門を受賞した。

また主演のヴィヴィアン・リーはインド出身で
女優として大成功する事しか考えておらず
上昇志向が誰より強く野心の塊から家庭を疎かにしていた。

舞台演劇から女優活動を広げ、映画「探しだされるもの」
「紳士協定」で出演し話題となり、
本作ででアカデミー主演女優賞を受賞した。

1967年にロンドンの自宅アパートで喀血によって死去し
ハリウッドの人々は彼女の女優としての功績を称え
ハリウッド大通り6773番地のハリウッド名声の歩道に
彼女の名を刻んだ星型のタイルを埋め込んだのでした。