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フットワークの軽い人は、誰からも喜ばれる
いい営業マンの条件としては、何がなくともまず、腰が軽いこと、つまりフットワークが軽いことだと聞く。なるほど、得意先や新規営業先へ足しげく通い、先方との人間関係を築くことが営業の基本だろう。あれこれ理屈をいう前に行動するという腰の軽さがなければ、営業マンは務まらない。
それは、ふだんの人間関係においてもいえることではないいか?
仲間うちで旅行へ行こうという話が出て、行き先はあそこがいい、あれをしよう、これもしよう……と、話は盛り上がる。さて、現実に宿の予約をとったり、乗り物の手配はどうするのか? そういった面倒なことを誰がやるのか?
話が現実的な部分に入ると、急にみんなが人の顔色をうかがい、
「おまえ、どうだ? 結構、そういうのは得意だろう?」
「冗談いうなよ。最近、忙しくてそんな暇ないよ。そういうおまえはどうなんだ?」
「俺こそ忙しくて幹事どころじゃないよ。来週は毎日、夜中まで残業で」
話はいっこうにまとまらない。肝心の幹事が決まらないのでは、せっかく盛り上がった旅行話も立ち消えになりかねない。そんなとき、
「あっ、じゃあ俺が幹事をやるよ」「私、幹事をやってもいいわよ」
と自らいいだしてくれる人がいると、全員が救われた気分になる。
日常生活においても、「ちょっとそこまで買い出しに行くから、誰かつきあって」というときに、「じゃあ、俺が」「私が」と、すっと席を立てる人。そんなフットワークの軽い人は、みんなから重宝されると思うが、どうだろう?
「彼は(彼女は)積極的にやっているなあ」と思われ、「自分も何かできることをやろう」という気持ちを促し、その結果、仲間全体に「協力しあってやろう」といういい雰囲気ができあがってゆく。新しい会社、学校、サークル……など、どんな集まりであれ、何かにつけて、「自分でよければやりましょう」と申し出てはどうか。
人というものは、よく人を見ているものだ。「自分がやりましょう」の一言で、すーっと動くことのできる人を、上司や先輩が見逃すはずがない。そして何かのときに、あいつにやらせてみよう……と、「抜擢」するのが世の習いだ。
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