2005.02.20
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大きくなった。君は大人になったんだね。
今度は君がママを守る番だ。
ママをずっと守ってあげて。


petan_0507
5月のぴーたん
















・・ 雪 ・・  三好達治 




太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ。

次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ。















・・ 倉渕への道 ・・ 谷川俊太郎



倉渕への道は曲がりくねっている

北側には低い山が連なり

南側には川が流れているらしく水音がする


なだらかに山へと向かう野に時折小道が通じていて

灌木のあいだに点々と花が咲いている

遠くから見ると目立たぬ花々だが

近く寄って摘もうとすればみなこまやかに美しい


倉渕への道の途中で女と花を摘んで束ねた

知っている花の名は僅かだった

もろもろの観念の名は数多く知っているのに


六十年前に父が建てた小さな家に花を持ち帰り

針金で繕ってある白磁の壺にいけた

死後にこの日のことを思い出せるといい

言葉をすべて忘れ果てたのちに












・・ わたしが一番きれいだったとき ・・  茨木のりこ



わたしが一番きれいだったとき

街々はがらがら崩れていって

とんでもないところから

青空なんかが見えたりした


わたしが一番きれいだったとき

まわりの人達が沢山死んだ

工場で 海で 名もない島で

わたしはおしゃれのきっかけを落してしまった 


わたしが一番きれいだったとき

だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった

男たちは挙手の礼しか知らなくて

きれいな眼差だけを残し皆発っていった


わたしが一番きれいだったとき

わたしの頭はからっぽで

わたしの心はかたくなで

手足ばかりが栗色に光った


わたしが一番きれいだったとき

わたしの国は戦争で負けた

そんな馬鹿なことってあるものか

ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた


わたしが一番きれいだったとき

ラジオからはジャズが溢れた

禁煙を破ったときのようにくらくらしながら

わたしは異国の甘い音楽をむさぼった


わたしが一番きれいだったとき

わたしはとてもふしあわせ

わたしはとてもとんちんかん

わたしはめっぽうさびしかった


だから決めた できれば長生きすることに

年取ってから凄く美しい絵を描いた

フランスのルオー爺さんのように

              ね
















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最終更新日  2005.02.22 00:07:52


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