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jasmintea@ Re:胃カメラは 楽になったと 信じたい(ヘボ川柳)(02/10) おはようございます! 確かに自虐ネタが…
くまくま15 @ Re[1]:胃カメラは 楽になったと 信じたい(ヘボ川柳)(02/10) aki05247さん、こんばんは♪ご無沙汰してま…
2005年07月30日
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川上弘美『センセイの鞄』 という本を読みました。一時期はやったので、ご存知の方も多いと思います。
かつての国語教師だった老いた「センセイ」に恋心をいだく、37歳女性のささやかな日常を描いた作品 で、舞台は現代社会ながらもこのふたりの会話、呼吸、生活模様が何とも浮世離れしていて、ちょっとしたファンタジーにも思えるような、不思議な世界でした。

ただ、「面白いの?」と聞かれたら「う~ん……」とコトバに詰まっちゃうんですよね、個人的には。
日本の小説によく見られる、”ストーリーがあって無いような”展開なので、ミステリーやファンタジー好きの私にはちょっと物足りないようです。あっさり淡白すぎて一口で終わっちゃうんですよね。

それならばこうして日記を書く必要がないんですけど、いくつか魅力的だった箇所があるので、少しご紹介してみます★


センセイの自宅にて。主人公の女性ツキコさんに、センセイはたくさんの電池を取り出して見せる。ものが捨てられない性分のセンセイは、電池さえも後生大事に手元に置いているのである。


「せっせと自分のために働いてくれた電池があわれで捨てられない。今まで灯をともしたり音をならしたりモーターを動かしたりしてくれていた電池だのに、死んでしまったとたんに捨てるとは情のないことだ」



私は切れた電池を取っておくなんて酔狂なマネはしませんし、それどころか案外パッパッと捨ててしまう、どちらかというと薄情なタチなのですが、ものをいとおしむ心というのに共感を覚えてしまいました。
というのも、何かものを捨てるときは、ちょっとばかし(こういうところに私のズボラさが出ているな^ ^;)キレイにして、「今までありがとうな~~」とお礼を言うようにしてるんですね。
誰か他のひとに譲り渡すときは、「これからも頑張ってや~~大事にしてもらうんやで~~」(なぜに大阪弁?)というエールを送りたくなる気持ちになります。
それが今まで頑張ってくれたモノたちへの、最低限の礼儀だろうな…と思うんですね。


な~んて偉そうですけど、それは自然と私のこころに生まれたのではなく、実はマンガから学んでいたりします^ ^;
かなり前の作品ですが、 樹(いつき)なつみさんの『OZ(オズ)』というマンガ がありました(最近リニューアルされて本屋さんの店頭に並んでるそうです。とっても面白いので、未読の方はよかったらぜひ)。

主人公のムトーという男性は少年だったころ、親代わりのおじいさんに育てられていました。おじいさんはオンボロのトラックをずっと愛用していましたが、とうとうそれが動かなくなってしまいます。
おじいさんは愛情をこめてトラックをいたわりました。少年ムトーはそれが不思議でなりません。彼は言います。モノは単なるモノだろ、と。
おじいさんはやわらかく否定して、どんなものにも命がやどっている…というようなことを言うんですね(すみません、ここらへん非常に記憶があいまいです。間違っているかも。でも確かこんな感じだったと思うのですが)。

OZの中でそれは、枝の先についた小さな葉っぱみたいにささいなエピソードなんですけど、なぜかずっとこころの底に残っているんですよね~。フシギ。


あとはとにかく出てくる食べ物がどれも美味しそうなのです~~!
湯豆腐の描写は圧巻!すぐにでも食べたくなること間違いなし!

「醤油を酒で割って削りたてのかつおぶしを散らしたものを、小さな湯のみに入れ、豆腐と一緒に土鍋の中で温める。じゅうぶんにあたたまった土鍋の蓋をあけると、湯気がほんわりとあがる。切らずに丸のまま温められた、ごつごつと目のつんだ木綿豆腐を、箸の先でくずす」

ほんわりあがる、とか、箸の先でくずす、という表現にもうメロメロになりました。ほんとうに文章が上手いなあと思います。


その他、美味しそうなものがたっくさん出てくるので、食いしん坊さんにはオススメかもしれません^-^


次回予告は……やめておいた方が無難ですね^ ^;最近外していることが多いからなあ。なりゆきに任せることにして、ではまた★






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最終更新日  2005年07月30日 23時59分32秒
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センセイの鞄  
shimarisuchan  さん
くまくま15さん

わたしは川上弘美さんの小説が好きなので
「センセイの鞄」も読みました。
読み終えて、じんわりと温かい気持ちになりました。

これからも日記楽しみにしています。
(2005年07月31日 01時16分07秒)

Re:頑張ってくれたキミへ感謝の思いを(07/30)  
また、本屋さんに行く時の楽しみが増えました。
ありがとうございます。^o^
(2005年07月31日 09時25分40秒)

Re:頑張ってくれたキミへ感謝の思いを(07/30)  
jasmintea7  さん
おはようございます♪

小説も、映画もそうですが淡々と流れていっても読み終わったら面白かったって作品ありますよね!
私は最近歴史モノしか読んでないのですっかり話題についていけず‥
もう少しジャンル拡げて読まなくちゃ!!

樹なつみさんは「マルチェロ」は読んでるのですが「OZ」は読んでません。
また得意の古本屋さんで探そうっと! (2005年07月31日 10時51分05秒)

Re:頑張ってくれたキミへ感謝の思いを(07/30)  
淡々とした中にしみじみした味わいがあって.......まるで小津安二郎さんの映画みたい。時々TVで上映してるけど、案外新しい感じがします。 (2005年07月31日 15時28分14秒)

Re:センセイの鞄(07/30)  
くまくま15  さん
shimarisuchanさん、こんにちは♪
ご訪問ありがとうございます。

>わたしは川上弘美さんの小説が好きなので
>「センセイの鞄」も読みました。
>読み終えて、じんわりと温かい気持ちになりました。

そうでしたか~私は読んだことがなかったのですが、シンプルな文章なのでとても取っ付きやすいですね(修飾の多い、凝りまくった文章が苦手なので…)。
ラストがちょっと意外でしたが、読後感は良かったです。おっしゃるとおり、温かい気持ちになりますね~~^-^
恋愛小説を読んだのはずいぶん久しぶりのことでした。たまにはいいな~と思います。

私の方もまたお邪魔させていただきますね。クラシックギターなつかしいです。





(2005年07月31日 16時01分02秒)

Re[1]:頑張ってくれたキミへ感謝の思いを(07/30)  
くまくま15  さん
「元気な」おてるさん、こんにちは♪
ご訪問ありがとうございます。

>また、本屋さんに行く時の楽しみが増えました。
>ありがとうございます。^o^

いや~、何かきちんと本をオススメできていないような気がするんですけど^ ^;食いしん坊にオススメとは一体何ぞや…。
この本は学校の司書の先生が薦めて下さったのです。自分で選ぶとどうしてもジャンルが固定化されるので、司書の先生とお友達になるのは私にとってかなり重要なポイントだったりします。
最近では本屋さんも独自でオススメコメントを書いてますよね。それも参考になります★ (2005年07月31日 16時04分28秒)

Re[1]:頑張ってくれたキミへ感謝の思いを(07/30)  
くまくま15  さん
jasmintea7さん、こんにちは♪
ご訪問ありがとうございます。

>小説も、映画もそうですが淡々と流れていっても読み終わったら面白かったって作品ありますよね!
>私は最近歴史モノしか読んでないのですっかり話題についていけず‥
>もう少しジャンル拡げて読まなくちゃ!!

私も同じです。ついつい同じジャンルのものしか選ばないんですよね~。これは司書の先生が薦めてくださったから読んだのですが、それが無ければたぶん、永遠に手に取ることはなかったと思います。
恋愛小説は苦手なんですけど、たまにはいいかな~なんて思いました^ ^;

>樹なつみさんは「マルチェロ」は読んでるのですが「OZ」は読んでません。
>また得意の古本屋さんで探そうっと!

私は逆に「マルチェロ」は読んだことないんですよ。読みたいなあと思いつつ、機会を逸してます。
最近の樹さんの作品では、「デーモン聖典」がけっこう面白いです。まだ連載途中ですが、もしよかったらご覧下さい♪
(2005年07月31日 16時07分44秒)

Re[1]:頑張ってくれたキミへ感謝の思いを(07/30)  
くまくま15  さん
Tom-Mamaさん、こんにちは!
ご訪問ありがとうございます。

>淡々とした中にしみじみした味わいがあって.......まるで小津安二郎さんの映画みたい。時々TVで上映してるけど、案外新しい感じがします。

小津作品はちゃんと見たことないんですけど、今でも評判高いですよね~。単にほのぼの人情物に終わるのでなく、切なさとかやるせなさの中に、キラリとあたたかいものが光る…みたいな印象を抱いています。(とか言って、全然的外れだったらどうしよう…^ ^;)

「センセイの鞄」も、人間同士がべったりとくっつくのではなく、程よい距離感を保っている…というフシギな作品です。だから心地よいのかもしれません。 (2005年07月31日 16時12分18秒)

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