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2013年12月07日
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カテゴリ: 映画について
高畑勲監督「かぐや姫の物語」 筆の線で生き生きと “人の心”の熱さ示す
おかだえみこ

光り輝く竹から生まれ、竹取りの老夫婦に育てられ、美しい娘となり、あらゆる男たちの求愛を振り切って月の世界へと去ったかぐや姫の物語。日本人はみんな知っているし、わが国最古の物語と言われている。かつて現在の東映アニメーションが日本最初の大型アニメ製作会社として発足した1950年代当時、既に製作候補作品に上がっていた。

動画技術の困難にあえて挑戦
作られなかった最大の理由は、その当時の動画技術では平安朝の服装…十二単や緋の袴などを自然に動かすのが困難だったからだろう。高畑勲監督はあえてそこに挑戦している。中盤でかぐや姫が烈風の野原を全力疾走、秘めていた彼女の激情がほとばしるシーンがある。雛人形の官女のような袴をつけて走る動画はむつかしいことだっただろう。つとめて表情を抑えてきた姫の胸の内がうかがえる場面になっている。
従来の細いペンの輪郭線ではなく、筆独特のふっくらとした線が、姫の乱れる心を描きだしている。この場面と、いよいよ月へと去りゆく姫に、幼なじみの若者が必死の思いで途中まで追いすがるシーン。どちらも原作が触れていない“人の心”の生き生きとした熱さを示す、いかにも高畑監督らしい解釈と演出で、古い物語に新しい感動を加える。
いちばん楽しいのはかぐや姫の幼年時代で、近所の男の子たちと一緒にはだしで走り回り、時のたつのも忘れて遊んでいた日々である。こうした理屈なしに幸福だった時代もまた原作が触れていない部分で、菜の花が咲き、稲がみのる、山里の四季と重なって心を打つ。この里でのやさしい歳月は見る者にも懐かしい思いを誘うし、こうした日々があればこそ、彼女はのびのびと素直な娘に成長したのだ、と思わせるあたりも高畑調だ。


かぐや姫001.jpg

かぐや姫002.jpg
「かぐや姫の物語」全国で公開中 ©2013畑事務所・GNDHDDTK

アニメ史に新たな1ページが
かぐや姫は都に住まいを移す。するとさまざまな貴族たちが次々に求婚してくる。そんな人々に彼女は、火をつけても燃えない皮衣がほしいとか、宝玉の実のなる木を探してきてくれとか、さまざまな難題を出す。求婚者たちはそれぞれに手をつくすものの誰も成功せず、悲惨な失敗者も出る。この求婚者たちの宝探しは物語のトーンをちょっと変化させる。
やがてある日、月からの迎えが来る。ラストシーンは、高畑監督の地球への想いが重ねられている壮大な画面が感動的である。ちょっぴり意外な幕切れではあったが、見応えは十分。
教育映画や人形劇ドラマなどで映像化されたことはあったが、「竹取物語」の長編アニメ化は初めてで、そのこと自体が画期的。14年ぶりの演出、企画から8年がかり。名匠・高畑勲が日本のアニメ史にまた新たな1ページを記したことは間違いない。
(アニメーション評論家)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年12月4日付掲載


見応え十分です。
ぜひ、観に行きましょうネ!






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最終更新日  2013年12月07日 17時55分40秒
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