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前回述べましたように、自宅で大きな音を出さずに、しかししっかり弾いて練習したいとき、サイレントチェロは便利です。アコースティックチェロに弱音器をつけて遠慮がちに弾くよりも、サイレントチェロで弓を一杯に使って弾いたほうが気持ちもいいですよ。おまけにアコースティックチェロは高価だしデリケートなのでどなたもハードケースにしまっておられると思います。弾くときにはケースから出して厳かに始めることになります。私は写真のように壁にサイレントチェロをむき出しで引っかけてあります。弓も同様です。もちろん日射が当たったり誰かが引っかけたりしない場所です。現在は御覧のように旧式の壁掛け扇風機のネックに丈夫な紐をまわして、そこに楽器の渦巻きの部分を固定しています。こうしておくと思い立った時にすぐにチェロをひもから外して遠慮なく弾き始めることができます。相当遅い時刻でもOKです。ただしアパート住まいの方は、やはり遠慮がちに弾くことになるでしょうけど。私の場合、外が暗くなる時間帯にはテラス窓に向かって弾くことで、ガラス面におのが姿を映して、フォームのチェックも同時に行っています。壁掛けですと多少埃もかぶりますが、クロスで拭っておけば特に問題ありません。ただしサイレントチェロとはいえれっきとした楽器ですから、たまには専門店に持ち込んでメンテナンスを受けることが望ましいです。私の場合、弦はアコースティックチェロで使っていた中古品を流用しています。1万円しない位の安い弦のセットをサイレントチェロ用に買ったこともありましたが、弦はやはり上等品のほうが弾きやすいですし、中古品であっても音色もよくて楽しいです。もちろん経済力のある方は新品をどうぞ。そしてアコースティックチェロを思う存分鳴らすことができる、防音の部屋を持てれば、なお言うことなしです。要は頻繁に楽器に触れて譜読みやフィンガリングの工夫に時間を使いたいということです。小品であればなるべく暗譜してしまいたいものです。
2020年05月10日
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チェロの初心者だったころ、まず難儀したのは弓を持つ右手の疲れでした。特に母指球筋がパンプして弓を取り落としそうになるほどで、弾き始めても、まず5分間と続かなかったことを覚えています。弓の持ち方が下手で常にぎゅっと握りしめていたこと、弦の振動を引き出すことが下手なため不必要な圧力をかけ続けていたこと、チェロを弾くのに必要な筋力が自分の体に備わっていなかったことなどが理由と思われます。 道具を手にもって行うスポーツ、例えばテニスや卓球のことを思えば、ラケットを持つ右手に必要なパワーが当然あるわけで、球に食らいついてゆくためのフットワークはもちろん、体全体のばね、体幹や上肢帯(腕の付け根)の筋力や柔軟性、インパクトの瞬間正しい方向にラケットの向きを定めたり球に回転を加えるたり球のスピードを変化させたりするための調節力、プレーを続行するための持久力などがバランスよく求められます。そのためには当然日常のトレーニングが欠かせません。 チェロを上達しようとする場合も同じなのではないでしょうか?通常椅子に座って弾くので走り回るようなフットワークこそ求められませんが、弓を柔らかく把持し、それぞれの弦に最適な方向に弓を弾いたり押したりし、音の強弱や柔らかさ、硬さといったニュアンスを提示し、ロングトーンからスタカート、スピカートなど音の長短にも対応し、そしてとくにチェロらしい音色を引き出しながら、長時間プレーを続ける。これらの要求を満たすためには、私たちにも肉体のトレーニングが必要です。必要な筋肉は曲によっても異なりますので、いわゆるエチュードは自分の不得意な動きを求められる場合が多く、左手のフィンガリングと合わせてたいへんきつい練習となります。それでも数年単位で振り返ると、以前は途中でへばってしまっていたエチュードが、今は楽勝でこなせるようになっていたりします。これには無駄な力が抜けて筋力が温存されていることも大いに影響しているでしょう。一方で、自分の手の厚みが以前より増した気がしていて、その分、手の筋肉が肥大したものだと考えます。ただし実測したわけではありません。チェロにおけるトレーニングはエチュードをおろそかにせず両手がくたびれる程度までは弾くことを繰り返すことが第一でしょう。もちろん握力そのものの強化鍛錬も有効だと思いますが。また肩甲骨回りや腰回りについては柔軟性を高めるストレッチが有効でしょう。
2020年05月05日
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このブログを始めたころに述べたと思いますが、私のチェロとの出会いは楽器店で現品限りで売っていたヤマハのサイレントチェロでした。Sugito の弓とのセットで数万円だったと思います。即ち I took up the silent cello for the first time in my life when I was 47 years old. 弓を使って弾くバイオリン族の楽器を手にとるのは初めてでした。蚊の鳴くような音しか出ていないのに、これをヘッドホンで増幅して聞きながら悦にいっていたのです。ですからしっかりした音を出す感覚がつかみにくく、初心者がサイレントチェロで練習を始めるのは不適当だと今でも思っています。しかしある程度弾けるようになった暁には、大きな音を出せない環境で練習するときのアイテムとしてたいへん便利なものです。この場合ヘッドホンは不要で、弦の振動音をそのまま耳で味わいます。この12年間、ウィークデーは単身赴任生活でしたが、アパートの2階で夜間に弾くのに大いに活躍しました。それでも下の階の住人に気を使っていたので、思い切って音を出せたのは、下が留守の時と、その方が引っ越されて空き部屋となった間だけでしたけど。 サイレントチェロにもソフトケースが付属していますが、アパートではケースにしまわず壁のフックにひもをかけ、それにチェロの蝸牛の部分を引っかけてぶら下げていました。ただしフックに荷重がかかり過ぎるので、伸ばしたままのエンドピンの先端が食い込むように下部に厚板を敷き、大部分の重さはエンドピンにかかるようにしておりました。弓も同じフックにフロッグの所で掛けておきます。こうしておくとフックから外すだけですぐに弾き始めることができます。 ただしアパートでサイレントチェロを弾くようになったのは、単身赴任生活がずいぶん経ってからでした。というのも長い中断ののち、単身赴任先でチェロのレッスンを受けるようになったからです。レッスンの時はもちろんアコースティックチェロを持参しますが、アパートでの練習はサイレントで、という使い分けです。レッスンを9年ほど前にやめてしまった理由については、いずれまた述べることとしますが、それでは再開するきっかけは何だったかといいますと、3年余り前、ひょんなことから単身赴任先でとある音楽団体(Nマンドリンクラブ、12名程度)に所属し、そこで単独でチェロパートを弾かせてもらうようになったのですが、その中で自分の下手さを自覚するようになったからでした。 マンドリンクラブに入って初めて知ったのですが、マンドリン族にはバイオリンに相当するマンドリンのほか、ビオラに相当するマンドラ、チェロに相当するマンドチェロがあるのです。したがってマンドチェロのパート譜をそのままチェロで弾くことで、簡単に参加することができるわけです。たまたまそのクラブにはマンドチェロが空席だったので、私が唯一のチェロパート奏者となりました。 かくして長いことお蔵入りしていた私のサイレントチェロが、このところふたたび大活躍するようになっています。自宅に戻った今も近所を気にせず弾けるサイレントチェロを活用しています。
2020年05月03日
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こんにちは、先日自分のブログを恐る恐る開いてみたら、まだありました。ほぼ10年間ほったらかしていたにも関わらず、削除されるわけでもなく、昔のまんまの形で参照できたことに何やら感激しました。 ちょうど折しもゴールデンウイーク、しかしどこにも出掛ける予定のない、いや出かける予定を立ててはいけないGWということなので、部屋にこもっているときの暇つぶしを兼ねて、ふたたび書いてみようかと思います。実はこのブログに改めて記事を書き加える方法を失念しておりました。無理もありません、10年ぶりですから。それでも何とかここへたどり着くことができ、こうして書き込んでいます。 これまで同様、書くにあたっての大きなテーマは、とある中年男性が始めたチェロなる弦楽器との格闘や付き合い方、遊び方についてですが、チェロを始めてからなんと18年目の半ばを過ぎてしまいました。ブログから離れていたこの10年間も細々ではありましたがチェロは続けていましたよ。自分の仕事もなかなかハードでしたが、楽器のほうもじわりじわりと上達してきたのではないかと自負しています。 実はわたくし、昨年度末で定年退職いたしましてウィークデーの単身赴任生活から解放されて自宅に戻ってきました。もっとも今年度も別の事業所でこれまでと同様の業務を続けてはいるのですが、少し時間的な余裕もできそうです。定年退職を含めて大きなライフイベントもいくつか経験してきました。それらを振り返りつつ、また気持ちも新たに再開しようか、という気分になっています。 中年の紳士淑女諸氏で音楽、特に楽器を習っている方も多いと思います。それぞれの置かれた状況で練習を持続させ、上達の喜びを味わい続けるために、このブログが何か参考になる点があるとすれば望外の喜びです。
2020年05月01日
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