きざし昇の雑記帳
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先日久し振りに、10代を過ごした三重県四日市市で、今ではすっかり落ち着いた?友人達に会いました。 今回は、どういう訳か老眼自慢になって、自分がどれだけの老眼の現象があるのかそれぞれ競っていました。 年収1000万以上稼いでいる社長なんか、おもむろにバックから老眼鏡を取り出し何を自慢するかと思えば、「ドや、エエやろ。100均で買ったけど、便利やド」と・・・ 何を考えて会社を経営しているのやら、昔と何も変わっていません。 10代の頃は、出身地を訊かれて「よかいっち」と答えると、ほとんど「あー、あの四日市喘息の」と言われていました。 高度成長期の四日市公害のイメージが強烈だったようです。 その後は、「ああ、四日市中央工業の」とサッカーに興味がある人ならではの反応もありましたが、さすがに他に目立つものがないから仕方ないですね。 ときどき、「三重県って・・・どこ?」と言われる始末です。 四日市名物と言えば、「たいふく長餅」「つんつくサブレ」「采女(うねめ)の里」などなど。。。知りませんか? 四日市では結構有名なんですけどね。 さて、ふたたび四日市の名前をニュースにしてくれたのは、公害の意味を学習中の石原産業です。 その石原産業が、今回世に送り出したのは、埋め戻し材「フェロシルト」なんです。 〈背景は、こちらを参照ください〉 小学生の頃に社会見学で行った四日市港は、色々な色にみごとに濁っていて、船の立てる波も粘っていましたよ。 海上での見学なのに、潮の匂いなんてありません。ビニールゴミを燃やしたニオイです。 その後、「公害は商売にマイナスだ」と学習した企業は、会社存続のために真剣な努力をした結果、昔を記憶している私から見れば、海も 空も 空気も綺麗になりました。 しかし、見た目だけ綺麗にするために努力をしていた企業が、やっぱりあったのです。 その企業は、リサイクル商品というはやりの名前を使って、有害な産廃を埋めたてていたんです。 悪党ですナ。 今回の「フェロシルト」は、石原の企業内での改善提案で、評価の高い提案であり開発が行われたのでしょう。。。でも、改善する方向が違っているんです。 詐欺師でも、さすがに刑務所では反省をするそうです。「どうして掴まったんだろ・・・次回はヘマをしない」というような反省内容だから、詐欺師の再犯率が高いそうです。 石原の幹部も、詐欺師のように「こんどは・・・」と考えたんでしょうか。。。 きっと、石原産業は古い体質の企業なんだと思います。いまだに「企業繁栄の前には、公害なんか屁でもない」という古い体質が生きているのも、新しい事業や新商品を開発するだけの企業意欲が、他のコンビナート企業とに比べて絶対的に低いせいかもしれません。 企業の生存意欲の問題です。 時代といえば、私の通っていた小学校の校歌に、「真昼の光さえぎって 今日も煙が立ち昇る♪ 工場(こうば)の多い四日市 ・・・・・」 とありました。 コレだけ堂々と言われちゃうと、こちらの価値観が不安になります。 私は転校してきて、この校歌を初めて聴いたとき、「コレ いいのかな?」 と、子供ながらに疑問に思いましたよ。 後年、四日市のある小学校の校歌が、時代的に合わなくなったから新しくなったと、ローカルニュースで聴いたとき、たぶんこれだろうなと思いました。 それぞれの時代の、独特の価値観があり、そしてその学びがあります。 変わらなくても、次第に価値が出てくるものがあれば、石原産業のように変われないから、時代に淘汰される予感を感じさせるものがあります。 その差は、どこにあるんでしょうね。
2005.11.24
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