2002/05/09
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 夢野久作のは「死後の恋」。
「死霊の恋」は別のとこで読んでたので飛ばす。いつも思うが「他~篇」ってなってる方のが良い場合が多い。「ポンペイ夜話」も、ポンペイの廃墟描写は素晴らしいんだけれど。
「フランス文学の魔術師といわれた」ゴーチェらしいが、それが今の時代でも通用しているかとなると疑問に思う。ゴーチェの作品の着想や出来が悪いとは思わない。彼は19世紀の作家で、私は21世紀に生きている。100年以上の隔たりの間には、ゴーチェ以外の多くの幻想作家がおり、すぐれたものもそうでないものも、多くの作品が書かれた。もちろんそれらを全て知っているわけでもなく、短い人生の間で無理して知るつもりもないが、時代が近かったり同国人であったりした方が好きになりやすく、面白がりやすい。やすい、というだけでしかないが。
「死霊の恋」「ポンペイ夜話」「コーヒー湧かし」の三篇については、その幻想的な部分を新鮮に味わえるだけの土壌はとっくに崩れてしまっている。役者を主人公とする「二人一役」は、詩人、画家などを主人公とした小説を私が大好きなのを考えてみれば少し正当な評価が難しく、すると、「オニュフリユス」の特に夢の部分(そういえば澁澤龍彦「夢のかたち」にも紹介されていた)だけが、純粋に面白いといえるとなってしまった。
 が、別段そう批判的な気分になるわけではない。やはり古いものであっても、好きな系統の話群ではあるのだ。嫌いなものが古びても好きになることはないだろうが、好きなものが古びても、古びているなりに、やっぱり、幾段下がるかはしれないが、古びてしまったからという理由で嫌いになることは、あまり、ない。
 ただ、かつて好きだったものにある日全然興味を失ってしまっているのに気づくことってのは、決してない話じゃあないからな・・・。

テオフィル・ゴーチェ死霊の恋・ポンペイ夜話 他3篇」田辺貞之助 訳(岩波文庫 在庫切れ)





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Last updated  2002/05/09 12:40:32 AM
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