2004/12/05
XML
カテゴリ: 自作俳句
 乗った駅でも降りた駅でも天井から吊された時計の明かりが点滅していた。繋がっているのだなつまり、と無理やりなことをすんなりと想いつつ、家に帰れば今度は台所の蛍光灯が切れかかっていた。そうするともうすぐここに電車が通るわけだ。終電にはまだ間がある。長い貨車がゴトゴト寝床近くを走られるのは困る、そんなことを。

「冬館」冬の家 冬の宿 8句
「夏館」に対する季語。和風家屋よりも壁の面積の多い洋風家屋構造のほうが、やはり冬館の語感には合うようである。

 季語選びの時点で今回は失敗だったと予測出来た。「冬」を冠する季語は扱いが難しい。寒さや冷たさを感じさせる言葉を並べたら、しつこく見えるし、広がりがなくなる。館、家、宿、見たことのあるそれらしい建物を想像しつつ詠んだが、どの発想も建物にはね除けられた。

暖具として猫太るための冬の宿
冬館針一本で綻びる
冬館水性ペンの文字凍る
谷の底横たわる影冬の家
般若筋死霊談笑冬館
気長さも蔓延る病冬の宿
猿が葺く屋根二畳半冬の宿
灯消えるや家具尖り出す冬館


 実景詠んだ句一つもなし。5句、「死霊談笑冬館」とまず書き、ここまで来たら全部漢字で揃えたい、般若家(『死霊』の作者埴谷雄高の本名は般若豊)の血筋の家、あるいは般若の家が立ち並ぶ筋、どちらでもよし。埴谷雄高自身は子供を作らなかった(作らせなかった)。『死霊』9章、白服や青服を着た人間でないものらの同席する誰かの誕生パーティーの場面を思い出しながら。6句、冬の旅行、宿についたもののすることもなく、普段と違いのんびりと過ごす、過ごしすぎる。それは穏やかながら病と言えないだろうかという程度に。7句、関係ないけれど、猿は単独なら優雅だが群れると人間に似てる分余計醜悪に見える。200円で餌を買い、ばら撒くと、大人の猿が子猿を殴ってまで食べ急ぐ。ずる賢いやつは餌を撒く建物の横から窓に近づき、係の人に棒で追い払われていた。小豆島での事。
「館」だな。この季語の扱いにくさに拍車をかけているのは。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004/12/05 02:25:06 AM
コメント(0) | コメントを書く
[自作俳句] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Comments

nobclound@ Vonegollugs &lt;a href= <small> <a href="http://hea…
Wealpismitiep@ adjurponord &lt;a href= <small> <a href="http://ach…
Idiopebib@ touchuserssox used to deliver to an average man. But …
HamyJamefam@ Test Add your comments Your name and &lt;a href=&quot; <small>…
maigrarkBoask@ diblelorNob KOVAL ! why do you only respond to peop…

Profile

村野孝二(コチ)

村野孝二(コチ)

Keyword Search

▼キーワード検索

Archives

2026/05
2026/04
2026/03
2026/02
2026/01

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: