2004/12/20
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 蝸牛俳句文庫の中の一冊。愚良子はグリコではなくグラシと読む。肝心の井月の読み方は書かれておらず、調べたところセイゲツとあった。龍之介や山頭火が影響を受けた、という程度にしか語られることのない漂白の俳人。野垂れ死に俳人、一八二二~一八八七、幕末の人。


手元から日の暮れゆくや凧(いかのぼり)
親もちし人は目出度し墓祭り
深草や鶉(うずら)の聲に日の當(あた)る


 久し振りに読む句集、評価は不安定な俳人、ということで素直に鑑賞に臨めるかなと心配したが、駄句だらけというわけではなく(撰集が編まれるくらいなのだから当然だけど)、度々比較される芭蕉についてもそろそろ取り組まなくてはと思わせてくれた。
 若き日には駕籠に乗って遊郭へ繰り出したという井月だが、そぞろ神に憑かれたのか流浪生活に身を投げ込み、後年は長野県伊那市で優雅な趣味を介する人の家々をふらふら飛び回り、泊めてもらったお礼に句を詠んだりして過ごした。
 私が井月や山頭火の生き方に憧れるという気持ちが全くないのは、きっとすぐに身体を壊してコロリと死ぬ自分の姿を想像しやすいからだ。それに今日はとても寒い。


落栗の座を定めるや窪溜り
打解けて落人圍(かこ)ふ深雪かな
初空を鳴きひろげたる鴉かな


「深雪」が「打解け」ると詠める技量には呆れ混じりの感心を。俳句をパソコンで書き写すには、文字探しが大変だというのを思い出した。


蝸牛俳句文庫 1992年





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Last updated  2004/12/20 11:42:06 PM
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