■ ドラマ 永久の彼方へ

■ ドラマ 永久の彼方へ

2006年11月22日
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カテゴリ: 第二章 123 ~ 187 話
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 ここは日本大国。
 とある都市のオフィース街。日中はサラリーマンや事務の女性が多く行き来している。
 道路横の喫茶店では、屋外にテーブルとイスを配置し、OLやサラリーマンが
コーヒーや軽食、デザートを口にしていた。

 一方通行の多いビル前の道、その道をホロ付き4tトラックがゆっくりと走り抜ける。
 そして1つのビルの地下駐車場へと入り込んでいった。

 そのビルの地下4階。

 正面にある扉では、右手前に守衛らしき人達が数人、出入りする人をチェックしていた。
 出入りは扉手前の手の指紋センサー。
 手を広げて5本の指、手のひらを当てるというもの。

 このチェックで開いたぶ厚く頑丈そうな扉を通過した後、細い通路に差し掛かる。
 この横にも守衛らしき男達がガラス越しに数人おり、透視カメラで通行人をチェックして
 いる姿が見える。
 身に着けた金物類を通路手前、右横のボックスに入れて通路を渡る。

 横のボックスは守衛室にコンベアーで運ばれ、レントゲン、肉眼等のチェックを受けて、
 通路先に移送されていた。

 無事チェックを通過すると、 ドーンと広い部屋の空間に出くわす。
 テニスコートを横に向け、奥まで数えること6面分はたっぷりと入るスペースだ。

 普通良く目にする高さにある天井の下には、いくつもの蛍光灯が並び、部屋の隅々まで
 明るく照らしている。

 その光の元では、医療関係の先生が良く着用している白い衣装を身にまとった多くの人が
 動き回っていた。
 見るといくつかのブースに分かれており、手前にはパソコンに向かい、難しい化学式や
 分子構造らしき画像、
 そして捻られた帯のようなものが映る画面もあった。

 その奥では顕微鏡を覗くグループ。
 試験管のようなガラスのビンや、それを差し込んで揺らしている装置、
 スポイトで何かの薬品だろうか、試験管に垂らしている人の姿も見える。

 反対側にはいくつもの TV画面を上4つ、横に5つ程並べられたモニターとそれを見る人達。
 そしてその手元には、何かの操作卓なのであろう、キーボードに似た入力装置やボタンなど
 が無数に広がっていた。

 その先には、CTスキャンでも撮るようなベッドとそれを跨ぐ装置が十数個並んでいた。 
 いくつかのベッドには衣服を身にまとっていない全裸姿の人が横たわっている。

 この視界を提供してくれている主の下に、一人の男が歩み寄ってきた。

研究員-1
  「博士、新しいブツが入荷しました。」
ニース博士
  「よろしい、では早速試してくれたまえ。」
研究員-1
  「かしこまりました。」

 視界提供者の博士、そのままこのフロアーを付き抜け、正面右にある扉を開けて、
 その部屋に入った。

 その部屋には、いくつかのイスと横長のテーブルが置いてあり、
 一辺がガラス張りになっていた。


ニース博士
  「様子はどうかね?」

 既にガラス前に腰掛けていた男に話しかける。

試験員
  「今回のは丸でダメです
   既存の戦闘員に全員刃が立ちません・・・・。」

ニース博士
  「そうか・・・、必要以上にやり過ぎても馴染みに欠けるか・・・・
   良質の素材が必要のようだ。
   総帥からもっとレベルを上げろとの指示、ここまでは順調であったが、
   この次のステップに行き詰っておるな・・・・。

   今、新しい DNA が入荷した。
   これを試すとしよう。

   既に人間の限界を超えた域に達しているというのに、この上まだ・・・とのご命令だ。
   ここからの更に難しいその上の域、到達できるものなのであろうか・・・・。」

 ガラスの向こう側で新作をテストしていた男がこちらの部屋に入ってきた。

ガチャ  バタン

クラウス
  「まるで手ごたえが無い。
   筋肉が柔らかいみたいだ。打ち込むと骨もすぐに砕けるぜ。
   全然別物になっちまってる。」
ニース博士
  「うむ、
   更新する DNA と、既存の組織がうまく結合していないのだ。
   ビーカーテストではうまくいっていたのだが・・・・。」

 なんとそのテストをしていたのは、あの鎖を付けたまま逃亡したクラウスであった。

試験員
  「クラウス、きみのレベルがアップしすぎたのかもしれないよ (^ ^ 」

 ニコニコしながら話す試験員。

 イスに腰掛けた博士、胸のポケットからタバコを取り出し、ライターで火を点ける。
 大きく ふぅ~ と煙を吐き出し、

ニース博士
  「いいところまで進んでいた研究室が、潰れてしまったからな・・・・。
   あのときの多くのデータは証拠隠滅のためダスト装置にかけて処分してしまったから、
   それが一番痛い。

   その時の研究員の記憶をたどりながら引き継いでいるものの、現物が無いとやはり・・・
   あの天井崩落による地盤沈下のお陰でスローダウンしてしまったよ。」

クラウス
  「だが、
   おれやザウバーは更なるレベルアップが出来たってことは、いい話しなんだろ?」
ニーズ博士
  「そうだな。新しい細胞との結合変化の相性もあるようだ。
   きみたちの体はそれを克服しているようだからな。
   その原因が究明できれば、更なるステップアップに弾みがつくよ。」
試験員
  「その後、体の調子はどうだ? クラウス。」
クラウス
  「何も違和感はない。 絶好調だ。
   早くあのガキと一戦交えたいぜ。」
ニーズ博士
  「そう慌てることはない。
   どのみちその少年しかキミ達に太刀打ちできないのであれば、近くまた逢えるさ。」
試験員
  「そのたった一人のために更なるレベルアップをと総帥は・・・・」
クラウス
  「しかたない。この間までのレベルでは、俺たちが何人いてもそのガキ一人に
   叩き潰されちまうんだから。」
ニーズ博士
  「うむ、総帥の計画通りに進まなくなっている原因だけにな。
   なんとかしてその少年を上回るモノを作り上げるさ。」

 吸っていたタバコを灰皿に押し付けて火を消しながら語る博士。

 もみ消す動作から、場面は横になる人の顔を足の裏でこすり付けている姿に変わる。

ザウバー
  「よぉ、どうしたよ強気のボクサーさん。
   この程度でお寝んねしてて良く元世界ランカーだなんて言えるなぁ。
   ここのジムにはチャンプがいるだろう。早くだせっ」

元世界ランカー
  「うぐぐ・・・・・」
ボクシングジムの選手
  「チャンプは今ロードワークに・・・・」

 怯えながら話す近くにいたジムの選手。

ザウバー
  「誰かコースを先回りして呼んで来いっ
   それともチャンプが来るまでおまえらに相手でもしてもらおうか?
   おい。」

 他数名の戦闘員を従えていたザウバー、その戦闘員に指示を出す。
 待機していた戦闘員は、ジム内にいた選手達目掛けて襲い掛かり、それぞれが
 一発のパンチや蹴りで選手を沈めていった。

 そこへ、ロードワークからチャンプが帰って来る。
 いつものように階段を上がってきて、首に巻いたタオルで顔の汗を拭いながらジム内を見た。

!?

チャンプ
  「なんだ貴様らっ ここでなにをやってるっ」

ザウバー
  「おぉ、これはこれはチャンプ。 待ってたぜ。」
チャンプ
  「ひ、酷い・・・。 その足をどけろっ!」
ザウバー
  「おぉわりーな。 踏みつけているのを忘れてた。
   おまえさんを待っていたんだが、中々現れてくれなかったから退屈しのぎでだ。」

 踏みつけていた足をどけるザウバー。

チャンプ
  「なぜこんなことをするっ」
ザウバー
  「フッフッフ。。。 あんたの命を頂きに。」
チャンプ
  「なにっ !?
   すると貴様ら、今ニュースで騒がれている・・・・」

 青ざめるチャンプ




                            -つづく-




第124話 暗黒の組織、動く 2 へ
 (では特性のおしんこ盛り合わせなんてどうかしら?)

​​​​​ スマホの方、横長画面で見ると作者と同じ改行で見れます  ​ (^_-)v






  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2021年01月18日 10時39分47秒
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