■ ドラマ 永久の彼方へ

■ ドラマ 永久の彼方へ

2021年02月19日
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穂村指導者
「おぃ、だ大丈夫なのか?」

●少年A
「様子見だ、問題無い。」

 し合う二人に視線を戻す穂村指導者。

穂村指導者
「うむ。」
ゾルダ
「心配なら2、3人同時でもかまわねぇがよ。」
穂村指導者
「それは断る。キミたちのためだ。」

ゾルダ
「ふん、おい。 もっと打ってこい。
   これじゃこっちの練習になんねぇからよ。」

   『遠慮するな』
     『やっちゃえ』

一番手練習生
「なんだと・・・ くそぅ!」

 急に目付きを変え、スパートを掛けたような連打
 でゾルダに襲いかかる一番手練習生!

バシ★ ガス★  トントンバシ★ ズン
ドスドス★  ドスドス★

 全く受けず打たせ続けるゾルダ、

ゾルダ
「まだ一人目だろぅ?
 これじゃ日が暮れちまうぜ・・・。
          んじゃまずはっと!」

ズゴ★  『ぐ・・・』

 一番手練習生の動きが止まり苦しそうな顔で・・・
バタン彡
 その場にうずくまり動かなくなってしまった・・・。

穂村指導者
「くっ、それまで!」

 『おぃ、一撃でだ・・・』 『溝打ちの一発で・・・』
   『うそだろ・・・』 『ざわざわ・・・』

 横の者と顔を見合わせてざわつき出した練習生た
 ち。数人で担ぎ出していた。

穂村指導者
「 ・・・・・   次、二番手、前に!」
 『オス!』

    『遠慮するな』
  『頼むぞー』

穂村指導者
「始め!」

二番手練習生
 ( 相手の出方は分かった、様子見は無用! )
「うりゃ!」

 最初から間合いを詰めてスパートのように打って
 でた!
​タン パシっ ドスドス     バシバシ​
ドスドス
ガツ    パシっ     ズン

 だが、反射的に受ける事もよろける事も無く打た
 れても顔色一つ変えず只々相手の攻撃を注視して
 いるゾルダであった。

二番手練習生
 ( 何なんだこいつ・・・ )

 未だ少年Aはあぐらを組み、腕組姿勢で目をつぶ
 ったままだ。

ドスドス   バシバシ  ドスドス
      ガスガスバシバシ  ガン  タン
     パシっ       パシっ ズン

ゾルダ
「そんじゃ行くぜ、 フン!」

ズコ★    『うぐ・・・』

 動きが止まり苦しそうな顔で・・・    バタン彡
 その場に倒れて動かなくなった。

  『脇腹への一発・・・』 『また一撃でだ・・・』
      『ざわざわ』   『ざわざわ』

穂村指導者
「それまで!」
 ( なんという事だ・・・
   刃が立たない上に一撃で仕留めるなんて・・・)

ゾルダ
「指導者さんよ、このクラスじゃ相手にならねぇか
 ら もぅちっと骨のあるやつを出して貰えると有
 難てぇんだけどな。」

穂村指導者
「た、確かに・・・。」
庄司
「次は私が出る。」

  『おぃ庄司さんだってよ』
     『これじゃあいつやばいぜ』
    『ざわざわ・・・』


穂村指導者
「仕方あるまい、彼の言うのも一理ある。次は庄司
 が出ろ。」
庄司
 『オス!』

 掛け声と供に立ち上がった庄司、一礼の後中央
 に進んだ。 お互いに例の後、

穂村指導者
「始め!」

ゾルダ
「ほぅ、今度は体格がいいな。
 だが加減無しで頼むぜ。」

 ゾルダより一回り大きい庄司、構えを取りキリっ
 とゾルダを睨む。ゾルダもゆっくりと構えた。

庄司
 ( この俺に加減無しだと!
   どこまでふざけたやろうだ! )
「セイヤー!」

 素早く一歩踏み込み、半身のまま横蹴りがモロに
 ゾルダの腹部にメリ込んだ!
ズゴ
 やや[くの字]のようになり後方に押されたゾル
 ダ、顔色を変えず再び構えた。

 庄司はそのまま体を寄せていき再び腹に正拳突き
 を連続で攻め立て、続いて右のハイキックを顔面
 に浴びせた!

「ふんふんふん そりゃ!」
ドスドスドス ズガっ

 全てがクリーンヒット!
 にもかかわらず倒れないゾルダ。

 更に、
「てぃ、ふんふんふん おりゃ!」
ズン ドスドスドス
       ガス ドスドス ゴス ガスっ★

 見事な連続攻撃で最後の横回し蹴りが再びゾルダ
 の顔面をとらえた!

  『おぃおぃ・・・』 『あいつ倒れないぞ・・・』
      『庄司さんの蹴りなのに・・・』

 少し横に向いた顔をゆっくりと戻しながら、

ゾルダ
「いいねぇ。
 だが まだまだだ。」

庄司
 ( なんだとこいつ・・・ )

 普段と勝手が異なり、戸惑う庄司。

ゾルダ
「サンドバッグだと力が入んねぇか?
 じゃ次はもう少しやり易くしてやるよ。
 来な。」

庄司
「なまいきなっ」

 その一言に顔付きが険しくなり、
 『てぃやあー!』

 素早いミドルキックがゾルダを襲う! が、

ガシ★

庄司
 ( くっ・・・ )

 続けて
ズンパシ★ ドスパシ★ドスドスパシパシ★

   『う、受けた・・・』
     『庄司さんの蹴りなのに・・・』

 練習生の顔色が変わった。強烈な蹴りを肘で受け
 、続く正拳も全て弾き返したゾルダ。


ゾルダ
「少しはやる気になったか?」

穂村指導者
 ( 今度は受けてきた・・・
   にしても庄司の蹴りをまともに食らったにも
   関わらず倒れるどころか受けきるとは・・・。
   あの体でどこにそんな力が、動体視力と反射
   神経も並みにあらず・・・ )

庄司
「くっそぉー!」

 むきになった庄司、再びミドルを叩き込む!
 と見せかけ、受け始めた相手の裏をかくフェイク
 からの顔面蹴りだっ!

ガシ★ ドスン★ ========>バサン彡

  『うわぁぁ』
    『庄司さん!』

 練習生の悲痛な叫び声!
 ゾルダはフェイクに軽く受けに行く動作の後、決
 めにきたハイキックを肘で飛ばしその体制から腹
 に膝蹴りを食らわせた。
 庄司は[くの字]のまま飛ばされ、そのまま畳に
 うつ伏せに沈んだのだった。

穂村指導者
「それまで。」
 ( なんと言うことだ・・・ 庄司ですら刃が立たな
   いなんて・・・)


勝村
「次は俺だ。」

 研修生が庄司を担ぎ出している時に自ら名乗りを
 上げて立ち上がった。

 明らかに体重差を感じる大柄な身体だ。

勝村
「舐め過ぎだお前ら。
 こいつ、粗削りだが相当出来る。俺が終わらせて
 やる。」

ゾルダ
「その顔付き、いいねぇ。」

勝村
「おまえ、グローブを外せ。
 俺もプロテクターは付けん。対等で勝負だ。」

ゾルダ
「あんたの為なんだぜ。」
勝村
「俺のプライドだ。」

 ゾルダはチラっと少年Aを見るも動く気配が全く
 無い。

ゾルダ
「知らねえぞ。」

 そう言うと手からグローブを外し始めた。



 その時、ゾルダは子供の頃の事を思い出していた
 。。


 ~~~~~~~ ~~~~~~~


子供のゾルダ
「保護? こんな軟弱なのハメてやってられるかぁ
 ー」

外人部隊傭兵
「お前らのためだ。
 要らなきゃこっちは構わん、が ハメなきゃ数打
 で拳の骨が丸見え。治るまで1ヶ月も3ヶ月も休
 まれては困るんでな。」

子供のA
「ハメようぜゾルダ。
 要らなくなったら外せばいい。今はこいつをハメ
 てぶっ叩いてこの大木をブチ折ってやろうぜ。」
子供のゾルダ
「分かったよにぃちゃん。」

 用意されてたのは木の皮を数枚重ねてあり、手の
 甲を保護するもの。
 短い棒を握り手の甲まで被せ、紐で縛ってお互い
 の手首に固定する二人。
外人部隊傭兵
「これから1本倒すまで毎日続けろ。
 よし、始めっ。」

子供のA
「いくぜっ えぃっトン えぃっトン ・・・ 」
子供のゾルダ
「アイサー、えぃっトン えぃっトン ・・・ 」


 ~~~~~~~ ~~~~~~~



少年A
「試合前の約束だ。穂村五段、それでいいのか?」

穂村指導者
「うむ、こちらの保護のためにそちらから追加した
 話。本人が不要と言うのであれば。」

 保護グローブを投げ捨てたゾルダ、
     ポイっ  彡 彡
       ( 座る練習生の前に落ちた )







-つづく-



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(早く飯を食いたいんだ)



  ※ このドラマはフィクションです。
登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。




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最終更新日  2023年09月05日 01時12分33秒
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