■ ドラマ 永久の彼方へ

■ ドラマ 永久の彼方へ

2021年02月15日
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ピタン・・ ピタン・・ ピタン・・

 鉄道下の薄暗い地下通路、天井から壁からと染
 み出た水が足元を湿らせている。

​カン コン  チャリン  カンコン​

 その通路の奥から男たち5人がゆっくりとした
 足取りでこちらに近づいてきた。

男-A
「お前か、俺の弟分を可愛がってくれたっての
 は。」
 ( 通路の真ん中で右手で鉄パイプを持ち、右
   肩をポンポンと叩きながら )
男-B
「なんだお前、この国のもんじゃねーな。」
 ( 一歩後ろ左側を両手で金属バットを持ち首
   後ろに乗せながら )
男-C
「それに丸腰たぁいい心がけだ。詫びに来る礼儀
 だよなぁ」
 ( 一歩後ろ右側を丈夫そうな鎖を左手に巻き
   付け一端を右手で回しながら )

 通路の反対側の階段下にポツンと独りで壁に寄
 り掛かったまま腕組みをしている少年。声を聴
 き瞑っていた目を開き男達に顔を向けた。

●少年A
「ほぉ 随分と連れてきたんだな、中々の歓迎ぶり
 だ 嬉しいねぇ。」

 逆光で顔が良く見えず、高校生位だろうか。普
 通の大人よりは少し大柄で多人数を前にしても
 動じず堂々とした態度だ。

男-B
「こんなやつにやられるたぁよ、佑二もだらしね
 ぇなぁ。」
男-C
「詫び入れんなら今のうちだ。とっとと跪(ひざ
 まず)きやがれ!」

 両者の距離が4m程に接近した所で足を止める
 5人。

●少年A
「おまえら、なんか勘違いしてねぇか?」

男-C
「はぁ~?」
男-A
「ん・・・?」

 男たちに睨みを利かせながら、

●少年A
「俺がいつ謝ると言った。愛でてぇやつらだな。
 聞いた話じゃよ、あんたらの舎弟が年下の中坊
 たった独りに3人で寄って集ってカツアゲして
 たって話だぜ。ガキにゼニをせがむたぁなんと
 も哀れすぎてな、その時にたまたま通りすがっ
 た弟が見て見ぬふりを出来なかったらしいんだ
 。」
 ( その時 男たちの後ろ、向かってきた通路の
   奥から、 )

 『柄ぢゃねぇのに止めちまったんだよな。』

 その声に慌てて後ろを振り向いた5人の男達。

●少年B
「弱い者イジメってのが嫌いでね。兄貴も俺も
 よ。にしてもなんて弱さだアイツらは。」

男-C
「お、おぃ・・・ もう一人おんなじやつが現れや
 がった・・・。」
男-A
「なんだお前。」
●少年B
「仕返ししたきゃってこの場所伝えたが、のびて
 たんじゃねぇのかよ。しっかりと聞いていやが
 ったとはな。」
男-c
「わ、詫びに来たんじゃねぇのかよ・・・。」

●少年A
「だから、誰が詫び入れるって言ったんだよ。」

男-B
「なんだとぉっ!」
男-A
「生意気だ、叩き伏せろっ!」
男-B
「くそぉぉぉ このヤロー!」

●少年A
「ひでぇ勘違いだぜ。待て待て、やるのは俺じゃね
 ぇよ。」

 制止したが少年Aに向かって走り込み、両手で金
 属バットを振りかざして渾身の一振り!

ボコーン★

●少年A
「だからやるのは俺じゃねぇって言ってるだろ。」

カラン カラカラ・・

 そこには折れ曲がった金属バットを落とし、シビ
 レで指が震えてる上に驚きで膠着(こうちゃく)し
 たまま動けなくなった男-Bが居た。

 拳を当てた伸ばしたままの腕を引き寄せながら、

●少年A
「おぉ~痛て・・・。
 よっおまえら、ゴングは鳴らしといたぜ。」

男-A
「なんてやろうだ・・・ バットをへし折りやがった
 ・・・。 おぃあっちだ、佑二をやった本人のあい
 つをやっちまえっ!」

 後ろに居た2人が再び振り向き、後から来た少年
 Bに向かって仕掛けた!

 『このやろー!』
   『よくも佑二さんを!』

​ボコっ ドスっ​
ドサ彡  ドサ彡

●少年B
「おまえら、こんなんじゃ仕返しになんねぇだろ
 ・・・。舐めてんのか?」
●少年A
「ふっ。。」

チャリン
男-C
「くっ・・・」

 振り向き後ろの二人に続いて走り出そうとしてい
 た足が止まった。    チャリン チャリン

●少年B
「おまえ、散歩途中で愛犬にでも逃げられたんか~
 ? 鎖で繋がれるのがよほどイヤだったんだろう
 な、こんな飼い主じゃよ。」
男-C
「て、てめぇ 言わせておけば・・・ このおんのぉ
 ぉっ!」

 右に持つ鎖を勢いよく振り回し、少年Bに向かっ
 て掴む鎖を開放した!
ヒュン ヒュン ヒュン ピシュっ

 少年Bは素早く身を交わし 右手の肘をやゃ曲げ
 て上に持ち上げて飛んできた鎖を腕に絡ませたっ
 !その腕を後ろに勢いよく引き、体が飛ぶように
 引き寄せられた男-Cの顔面にそのままげんこつを
 お見舞いした!

ズガン★
       『ぐわっ』
ドサン彡

 体が宙に浮き床面に叩きつけられた!

●少年B
「こんな狭いところでこいつを振り回すってなぁ褒
 められたもんじゃねぇ。まっ俺には関係ねぇけど
 よ。」
男-A
「なっ・・・」
●少年B
「おまえさん硬そうな棒持ってんじゃねぇか、何し
 てる早く来いよ。」
男-A
「くっ・・・」

●少年B
「おぉおぉどぅした? 俺は丸腰なんだぜ?」
●少年A
「ダメだ、こいつらビビっちまってる。
 もぅ終わりだ。」

 そういうと目の前にいた男-Bの胸ぐらを掴んで男
 -Aに向かって投げつけた!

    『うわぁ』
ドスン彡 ドタドタ・・・

 避けられずにそのまま二人が倒れこんだ。
カラン ゴロゴロ・・

●少年B
「止めるなよ兄貴、まだ喰い足んねぇよ・・・。」
●少年A
「こいつらじゃ腹いっぱいにはならねぇ。」

 男-Aの脇を通り過ぎ少年Bに歩を進めていた時、
 片手を床に付き、転がった鉄パイプをもぅ一方
 の手で掴みながら、

男-A
「待ちやがれ! このまま帰れると思うなよ・・・」
●少年B
「バカかこいつ・・・。折角兄貴が終わらせてくれた
 のにまだイキがっていやがる。」
男-A
「うるさい、弟分のケジメはまだ付いちゃいねぇ
 ・・・。」
●少年B
「長生きしねぇぞ お前・・・。」
男-A
「黙れ!」

 立ち上がって鉄パイプを振りかざし、なんと少年
 Aに飛び掛かったっ!
ガス★

●少年A
「痛てぇじゃねぇかよ。俺が何したってんだ・・・。」

 男は後ろ向きのままでいた少年Aの右肩に振り下
 ろしていた。モロに当たるも淡々と語る少年A。
 そして、

男-A
「くぅ・・・」

 顔を後ろに向け、

●少年A
「もめごとは弟より俺の方が好物なんだぜ。おまえ
 、俺たち二人を相手にしてぇのか?」

男-A
「う、うるさい!」

 と男-Aが怒鳴った瞬間!

●少年A
「うるせーのはてめーだっ!」

 少年Aは男-Aの顔を鷲掴みにし、勢いよく顔面を
 壁目掛けて叩きつける!
 目ん玉をおっびろげて絶叫の男-A!

  『ぎゃゃゃゃ!』

 そして男-Bが折れ曲がった金属バットを投げつけ
 てきたっ!

​​ ​ダン! ブチブチブチ ゴツン ​​​
​​ ズルズル・・・  バサ​​

 が 壁に左足を当てて髪の毛を引いて腕を止めた
 少年A!
 しかし髪の毛が引きちぎれてブレーキになり弱
 まったものの、顔は壁にゴツンと当たって気絶。
 そのまま顔は壁伝いにスベッて床に転げたのだ
 った。 

 一方の投げられた金属バットは少年Bが間に割っ
 て入り手套で叩き落していた。

バシっ ガラン~ ゴコン ​​

 そして、

●少年B
「兄貴が終わりだと言っただろうがっ!」

 言い終わる時には男-Bを蹴り飛ばしていた!

バシっ  ゴスン★  バサン彡

 壁にブチ当たり 床に転げた男-B。既に意識は無
 かった。

 手にするブチ抜けた髪の毛を払いのけ、

●少年A
「行くぞゾルダ。」

ゾルダ /少年B(改め)
「あいよ。」







z002話 噂の兄弟 02 
(あ、あいつらは・・・)
ーへ


スマホ画面用にチャレンジ中
PCの方、ごめんなさい m(_ _)m



※ このドラマはフィクションです。
登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2024年01月29日 01時12分09秒
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