September 4, 2009
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老舗です。もう30年以上営業しています。
30年前には幌平橋の近くの本店と、石山通の支店の2店舗で営業しておりました。

士別にも名古屋出身の方が経営していたお好み焼き屋さんがありましたので、初めて食べたわけではありませんでしたが、風月の大ファンになってしまい、週に2、3回は通っておりました。今と違って値段も安かったですからね。

今はホームページを見ると、ニコニコ笑顔でテコを振り回しているマスターをアニメで見ることが出来ます。店舗数も着々と増やして、10倍の20店舗以上となっていました。

その当時は、バイトと2人で営業しているくらいの小さな店で、しかもマスターが無愛想で、お客さんがテコで上手にお好み焼きをひっくり返すマスターに感心して話しかけたりしても「まぁこんなもんですわ」と鷹揚のない小さな声で言い放ち、顔を上げることなく、ソースを塗ったりしていました。
そんな光景をたまた見せられたりしていたので、こんなに大きく商売を展開するとは思いもよりませんでした。

その後、しばらくしてわたくしは札幌を離れ東京に行くことになりましたので、ずっと風月のお好み焼きを食べることもありませんでした。北海道に帰っても士別在住になりましたので、食べる機会もありませんでしたので。

最後に食べたのは、東京へ行く前日に送別会をしてくれた友人達が、どこが良いと聞いてくれたので、風月をご指名して、その日は値段が高いので食べたことがなかった「モダン焼き」を注文したことを、今でも良く覚えております。
今考えると、お好み焼きやの送別会なんて女子供の開催する送別会みたいで恥ずかしい気もします。

次の日千歳から飛び立った飛行機の中で、正月に北海道に帰省した先輩が「東京に出て来たら必ず俺がバイトしている店に顔を出せよ、お好み焼き食べさせてやるから」と言われたことを思いだし、連チャンだとは思いましたが、もらっていた店の電話番号を取り出し、「東京からの電話だから03はいらないよなぁ…俺も都会人の仲間入りだ」なんて、電車の乗り方も分からないくせに心だけはもう東京人になり、先輩のバイト先でお好み焼きをご馳走になったら、その後東京に進学した友人達に電話して集まり、都会人らしく東京最初の日を六本木か渋谷で楽しく過ごそうと思い、大嫌いな飛行機でしたが、この日はいつもと違って油汗もかかずに、空の旅をすることが出来ました。

JAL主催の恐怖に満ちた空の旅は、キュ!キュ!キュ!ゴワーッと世界が滅びるのではと思わせるような轟音を響かせて羽田で終わりを遂げました。

いつもよりはましでしたが、やはり着陸する頃には具合が悪くなってしまい、重たいギターケースを抱えてよろよろと歩き、公衆電話に辿り着いて“10円”を入れて先輩のバイト先に電話をしたのでした。

受話器の向こうで「おう、着いたか、取りあえずモノレールと山の手線で新宿西口京王モールまで来いや」

…北海道から出て来たばかりのわたくしには、暗号の連続でしたが、もう心は東京人でしたので「わかりました。すぐ行きます」と、答えて受話器を置きました。

すぐ行きますと言ったのですが、都会人に成り立てのわたくしは随分と迷ってしまい、京王モールに着いた時には、とっくに2時間以上が経過しておりました。

店に入ろうとすると、すでに時刻は6時過ぎ「お好み焼き・とん吉」は、入り口にお客さんが大勢並び入店を待っている状態でした。

さすがは新宿だ…こりゃ~店に入るのは無理だから明日にしようと考えていると、入り口横で、白衣を着てお土産用のたこ焼き焼いていた従業員の人が、じっとこちらを見ています。

「…お兄ちゃんもしかして…士別の人?」と、聞いて来ました。

「はい、もしかして“木○先輩”に聞いたのですか?」と言いますと。

「聞いてるよ、待ってたよ、おーい“木○”~後輩が来てるぞ~」と、叫びました。

すると奥から「熊~ちょっと待ってろ!今行く、ところでお前、身長何センチだった~?」

???「はい???え~っと172センチです~」…なに訳の分からないこと言ってるんだろう?座る席に身長制限でもあるの?なんて思いながら、両手に荷物を提げたまま待っていました。

数分後に出て来た木○さんは、胸に「とん吉」と書いてある白衣を上下セットで持っておりました。

「熊、早く奥へ行ってこれを着て洗い場へ行け!お前、札幌で焼鳥屋でバイトしてたんだろう、洗い場くらいは出来るよな!でかい荷物だな~邪魔だからたこ焼き場の後ろに置いておけ」

「えっ!どういう意味ですか?」

「うるさい早く行け!今一番忙しい事くらい分かるだろう!ぐずぐず言わないでさっさと行け!」

高校時代は、サッカー部の“暴れん坊将軍”と言われていた“木○先輩”に逆らうなんて事は小心者のわたくしには出来るはずもなく、お客さんで一杯の店内を、ホール係の人に怒られながらカニ歩きで奥の調理場に入ると、そこには野球部だった1年後輩のS崎が、大忙しで洗い物をしておりました。

振り返ったS崎は「先輩~久しぶりです。木○先輩から今日から熊がバイトに入ると聞いていました。よろしくお願いします。鉄板の前には、○山先輩もいますよ」…ですって…

ありがたいことに、わたくしは、東京に着いたその日から夜の11時までお好み焼き「とん吉」で、働かせていただく事になりました。

まぁ先輩や同郷人がいたから、初めての東京暮らしでも居候をしながら何とか生活する事が出来たのですから、今となっては文句も言いませんが、このバイトに染まってしまい、本来の目的を達成することなく、札幌に帰って来たのはまったく“不本意”としか言いようがありません。

そういえば、2年ほど前、旭川イオンの「風月」で、夫婦でお好み焼きと焼きそばを食べましたが、何と言うか…ソースとマヨネーズの味が濃いとしか感じられませんでした…
「…まぁ…こんなもんだったかなぁ~」…でした。(歳取って味覚が変わったのですかね)

追伸:東京でお世話になった“木○先輩”は、北海道のサッカー審判員では有名な人となり、今はJリーグの試合で笛を吹いたりしています。

…信じられませんね…審判に人格は必要ないと言うことですね。





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Last updated  September 4, 2009 05:14:19 PM


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