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2004.01.31
“IT”(それ)と呼ばれた子 デイブ・ペルザー著
(1)
テーマ:
最近、読んだ本を教えて!(24931)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
最近、児童虐待のニュースをよく耳にします。
「“IT”・・・」は以前から、本屋さんで目にしていて気にはなっていても、どこか生半可な興味では手にとってはいけないんじゃないかと思ってあえて読まずにいました。
でも、先日の実父と継母に餓死寸前までの虐待を受けた中学生の男の子のニュースを目にして、
「どうしてこんな事件ばかり、起こるんだろう」と、第三者ながら、納得がいかず、
ちょうどその時に、文庫版になっていたこの本を目にして思わず手にとってしまいました。
「幼年期」「少年期」「完結編」と3部作になっている本著は、著者であるデイブ・ペルザー氏自身の、実の母親からの虐待経験と、その環境からの救出(脱出?)と里親との交流や環境への順応や失敗。そして成人し、一つ一つ自身の「夢」に挑戦していく様。
愛する息子と、愛し信頼できる妻との出会い、自身の人生を謳歌するすべを身につけていくのが目に見えるように読者に追体験させてくれます。
物心ついた頃から12歳までの想像するのも堪え難いほどの虐待を受けた少年が、どんなにつらく苦しい仕打ちにあおうとも、絶対に生きることをあきらめない強さ。
「幼年期」で綴られるその母親からの虐待の凄まじさは、
どうして?なぜ?と、虐待を受ける本人でなくても、なぜ実の子をここまでいじめぬかなければ気が済まないのか、全く理解に苦しみます。
「完結編」に至るまでも、成人していく息子(著者)は何度か母親に歩み寄ろう、「理由」をあきらかにしようと試みますが、
結果漠然と「虐待の連鎖」でしかないことしか汲み取れません。
デイブ氏はいつでも母親を許していて、母親の死期が近付いている時も、できれば母親に自身の行動の間違いに気付き、「正しい」ことをして「旅立って」ほしいと切に願いますが、
それは幼い頃から、愛する母から拒絶され続けた小さな息子が、最後まで母への尊敬と母からの愛情を確かめたがっているように感じられます。
どんな仕打ちを受けても、子供にとって父や母。特に母親というのは絶対です。
どんなに母親が冷たくあたっても、母親以外の大人がその子に優しくしても、最後は母を求めて泣きながらでも抱きついていきます。
小さな子供がどんなに理不尽な理由で親にいじめられても、親をなじりません。
「自分が悪かったんだろう、何か怒らせることをしちゃったんだな~」と自分を責めて事態を解決しようとします。
理不尽に厳しい?家庭の環境で育った子供は、どんどん何が正しいのかわからぬまま、両親や大人や自分より強いものの「機嫌」伺いながら生きてしまうような気がします。
今、日本の家族の中でも様々な問題が噴き出しつつあります。
これは、以前は「(虐待は)無かった」というのではなく、昔は家庭の問題は外に公にされることはなかっただけで、「虐待の連鎖」が始まっている現代になって、理由のはっきりしないまま大きな問題となって、公にならざるを得なくなっている気がします。
ペルザー氏の自身の精神的な強さは素晴らしいものがあります。
母からの虐待から救出された後も、里子に出されたことによって受ける世間の偏見に悩まされながら、その都度、道を過ることがあっても、里親の家族や心ある大人達のアドバイスや思いやりを「感謝」して受け取ることができ、結果全ての経験を自身の人間としての「幅」にしていくことができ、その経験を生かして虐待児童への救済の活動を続けていらっしゃいます。
虐待を受けた人間がこうして、立派にその痛みを克服し、ましてやそれを防止する活動や講演を行うまでになるのは極々一部でしかないでしょう。
大半が途中で、最悪の事態を迎えたり、また運良く成人して問題ある家庭から脱出できたとしても、ずっと心に傷を残したまま、なにか問題を起こしてまうようになっていくかもしれません。
目に見えるような問題ある家庭はごくごく一部であってほしいと思いますが、
他人から見て、虐待とは感じられない程度の問題はどんな家庭でもあるだろうな~と思います。
完璧な家庭。完璧な親。完璧な教育なんてものはどこにもありません。
親は最初から親ではなく、子供を生んだからと言って、即、完璧な愛情深い親になれるわけでもありません。
子供も全ての子供が愛くるしく、育てやすい子供ばかりではありません。
大人も子供のためだけに生活の全て、感情の全てを合わせていくのは体力的、気力的にも大変です。
私には子供どころか、結婚すらまだなのに、こんなえらそうな事を言っていいのやら???(^^;)
でも全ての子供達は、完璧な愛情でなくても、あたたかな愛情と教育を受けて、時に叱られながらでも、その「しつけ」には大人の都合ではなく、子供の為であるような正しい「しつけ」を受けれるような環境の中で育ってほしいと切に願います。
だって、今大人の私達は、いずれ老い、現代の子供たちにゆだねた社会に身をおいていろいろ体力的にも恩恵を受けなくてはならないのに、その子供達の大半が傷だらけの病んだ心をもって大人になっていたら・・・。
そんな社会は怖いですよね~~
追伸*久々に楽天開いたら、基本デザインが増えてた~
早速変更~(^^)/
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最終更新日 2004.02.01 21:56:55
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