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戻ってきました。知ってる人が誰も見ていない(はず)のところに。人疲れしちゃうんだ、ミクシィにいると。ということで、誰の目も気にしないで、ちょっと、のんびり、しちゃおうかな。ほっ。。。
2008.11.25
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昨日の大雪とはうってかわり、きりりとした青空が広がる日曜日の昼過ぎ、用事があって横浜に行き高島屋で買物を済ませたとたん、そうだ、葉山に行こう、と思い立った。横須賀線で逗子駅で下車、そこからバスに乗る。5分も走れば葉山のヨットハーバーが見えてくる。家からそんなに遠くないのに贅沢な風景である。去年の3月にベルリンに行って以来、すっかりドイツびいきになってしまった私。今回の葉山の美術展もドイツの女性画家と聞いた時から絶対行くつもりでいた。ドイツの女性画家といえば、ケーテ・コロビッツしか知らなかったので、パウラ・モーダーゾーンという人がどんな絵を描くのか気になったし、また、彼女を紹介するチラシの中のサブタイトルが「儚くも美しき祝祭」という何やら意味深な言葉だったので、それもなんとなくに気になっていたのだった。19世紀のドレスデンに生まれたパウラは、ロンドン、ブレーメン、ベルリンで画家としての基礎訓練を受けた後、ブレーメンの北東20キロほどにある小さな村ヴォルプスヴェーデに親元を離れて移住し、画家フリッツ・マッケンゼンの指導を受けることになった。この芸術家村というべきコミュニティで数多くの芸術家たちと出会い、お互いに刺激を受けながら芸術活動を始めた。その中にはあのリルケもいた。また、彼らの活動は、日本の「白樺派」にも多大なる影響を与えたという。パウラの絵は、人物画がすばらしいと思う。赤ん坊を抱きしめる母の手の熱い温もりまでもが伝わってくるような描写力。対象を見つめ、その本質を的確に描ききる力強さに観る者は圧倒される。しかし、人物画の素晴らしさに比べると、風景画はいまひとつ迫力に欠けるのは何故だろう。例えば彼女の描く白樺は、不本意な自己主張を与えられてしまったような妙な心もとなさでぽつんと存在しているように見えてしまうのだけれど。そして「儚くも美しき祝祭」という言葉について。パウラは最初で最後の子供を産んで1週間かそれくらいで他界してしまったのだ。享年31歳。死ぬ前に、彼女はこのような言葉を残していた。「私は、自分がそれほど長生きしないことを知っている。しかし、それは哀しむべきことであろうか。祝祭は長ければ、それだけ美しいものであろうか。私の人生は、ひとつの祝祭、儚くも、充実した祝祭なのだ。」と。去年、私は友人を3人亡くした。皆、30~40代の若さだった。彼らを亡くして以来、私は大きくてぼんやりとした無常観にとりつかれてしまい、気がつくとあの世のことばかり考えるようになってしまった。そういうわけなので、パウラの残した存在感溢れる絵とこの言葉はしばらく私の日常と共にあることだろうな、と思う。
2006.01.22
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ぼんやりとした不安、なんて言うと格好つけてるみたいに聞こえるかもしれないけど、なんでしょうか、ここ数年、私はずっとそのような胸騒ぎみたいなものをずっと抱えておりました。その正体は、ぼんやりとわかるんだけどうまく言えない…と思っていたところに、この本を読んでちょっとすっきりしました。さすが治ちゃん、頭良いよなぁ。。「わからないという方法」「上司は思いつきでものを言う」に続いて集英社新書から出版されたこの本、著者がまえがきで書いているように3部作の完結編にあたるものかもしれません。そして、この本には「市場原理は嘘かもしれない」というサブタイトルが書かれていて、この一言で彼の言いたいことの大筋がわかる仕掛けになっています。去年、この国では小泉首相率いる自民党が圧勝して、世の中では「勝ち組」だの「負け組」だの「負け犬」だの果てには「下流社会」なる言葉までがはやるようになりました。でも、治ちゃんは言います。「負け組とは本当は誰のことなのか?誰が勝ち組、負け組なんてことを言い出したのか?」と。ここから治ちゃん流経済講座が始まります。経済とはもともとどういうものだったのか。「経済とは経世済民という言葉から来ており、その意味の1つはただ循環するということであり、また生きるということが幸福でありたいという感情であり、これこそが経済という人間行為の本質ではないのか」と。また、いつまでも膨張し続ける経済はないのだから、私たちはもう、経済的発展の名のもとに、本当に欲しいのか欲しくないのかさえわからなくなってしまった「欲望」という名の1つの価値観に翻弄されるのはやめる時期にいるのではないか、と問いかけるのです。株価はこのところずっと上がっているし、マスコミは一斉に日本経済の順調さを書きつらねているけれど、でも、私自身はどうしてもそういう気になれないでいる。むしろ、底知れぬ怖さを感じてしまう。物事を単純化するマジックに長けたこの国の首相やその周辺に対して感じていた不安の正体を、こうやって言葉で書いてくれた治ちゃんはさすがだと思う。物事を単純化することで隠されたこと。それは、本来「負け組」だったかもしれない「日本経済」そのものなのであり、本来は「負け組」として批評の対象となっていなければならない「日本経済」は、そうやって自分の立場を隠したのです。これって、すごく怖いことですよね?
2006.01.08
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このところ仕事が大変で毎日よれよれだったので、本を読む暇もなかった。それに加えて、読書・演劇・美術展記録以外の日常の出来事については、最近はもっぱら別サイトのミ●シ●に書いているので、益々こちらのブログはご無沙汰になってしまう。こんなときはシャレで読めるような軽い本を電車の中で読む程度がよろしかろう、と思い、つらつらと読んでみたのがこの本「帰ってきたもてない男」。数年前に出た「もてない男」の続編ちくま新書。たまたま野毛の某酒場においてあったのを借りてみたもの。想像通りの内容である。感想は、特にない(笑)しかし、「自分はもてない」という事実が、これほどのエネルギーを産む事象であることに改めて感心する。それがあるから人類は滅亡することなくここまで発展したのかもしれませんなぁ。それにしてもある種のインテリというのは、自分の魅力のなさに対してもこれだけの言い訳ができるんだからすごい才能かも。さすが東大出のインテリだ!!!(ぱちぱち)ああ、それにしても、今年は少し落ち着いてもっと本が読めるような環境になるといいんだけどなぁ。
2006.01.02
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いよいよ今日で最終日を迎える横浜トリエンナーレ。前売券を買っていたので、先日急いで行ってきた。場所は山下公園隣接の埠頭?のような倉庫みたいなところ。私が行った日は生憎の曇り空で底冷えのする日だったけど、灰色にくすむ海の上をかもめが飛ぶ図、というのも冬の風情があってそれはそれでいい景色ではある。前回のトリエンナーレはパシフィコの展示場だったが、今回はアウトスペースと海というロケーションを生かした趣向の上、市民参加型のワークショップなども多く、若手アーティストの作品群と子供たちが楽しそうに戯れる図が微笑ましかった。また、アジアのアーティストの作品も多く展示されているのも目新しさをかもしだしていた。もう少し天気がよくて時間があれば、じっくり見たいところだったが、色々忙しくてそれもできず駆け足で会場をさっと観る程度しかできなかったのが残念。帰りは久しぶりに山下公園から横浜駅までシーバスに乗った。ちょうど夕方の暗くなりかけた時間帯だったので、ベイブリッジや観覧車や行きかう船が一斉にあかりを灯しはじめ、なんだかすごくきれい。終点の横浜駅まであと10分くらいになった途端、船の中の電気も消えてクリスマスツリーが輝き始めた。クリスマスの演出である。気軽に船遊びできる横浜、やっぱりいいな。
2005.12.18
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ポール・クローデル歿後50年研究上演事業として、早稲田大学大隈講堂にて舞踊詩劇「女と影」が上演された。ポール・クローデルはフランスの外交官として1921年から1927年まで6年間に亘って日本に滞在し、外交官としての任務をこなしつつも同時に歌舞伎、能をはじめとする日本文化を愛し舞踊劇「女と影」を書き上げた。今年はクローデル歿後50年ということで、彼にちなむ文化事業がいくつかあるようで、本日のこの企画もその1つ。踊り手メインは歌舞伎界から福助と舞踏界からは和栗由紀夫のご両人。もともと私は和栗さんのファンというか、昔よく観ていた関係で、懐かしくて足を運んだ。それにしてもクローデルがあのカミール・クローデルの弟だったと知ってびっくり。おフランステイスト溢れる舞台は、いかにも外人向けジャポネスクという感じなので、和栗さんじゃなくてリンゼイ・ケンプがやったらどんな感じなんでしょ、なんてことを思いつつ観てしまい・・・・。日本人としてはなんとなく違和感と物足りなさを感じるものの、福助と和栗さんはやっぱりグローバルスタンダードだなぁ、と思うし、楽しい舞台ではありました。それにしても、和栗さんはやっぱりかっこいい。舞台に立ってるだけですごい存在感。いいなぁ、また久しぶりにソロ公演が観たいかも~!と思わずネットを検索するとありました。来月六本木で。舞踏はやはり世界に誇る日本の財産だと思った次第です。
2005.11.28
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本当は小説など読んでいる場合ではないのである。やることが沢山ありすぎて、有給休暇とっても遊んでる場合じゃないのに遊んでしまう。そして、ああ、またガマンできずに読んでしまいました。そして、またしてもはまってしまいました。リディア・デイビスはアメリカの作家で、元ポール・オースターのパートナー。二人の間には子供も1人いるそうな。そんな下世話な興味から手にとってみたのですが、1ページ読んだだけで雷に打たれた感じです。かなり好きかも、この人。日本では初めて翻訳されたというこの短編集、8行だけの超超短編から数十ページのものまで様々ですが、どれ1つとして同じ作風のものはなく、ラインアップはばらばら、小説と呼べるのかも不明、散文なのか詩なのかも不明、シュールにしてリアル、わかる人にはわかる、わからない人には退屈。翻訳者はそんな彼女の作風をこう評していて、私は激しく共感してしまいます。リディア・デーヴィスの書くものは、どれも一筋縄ではいかない。クールなのに熱い。抽象的なのに生生しい。遠いの近い。思索的なのに官能的。知的なのに滑稽。だから、どんな作品なのさ?と聞かれても困ってしまうような短編集です。一人で本を読むのが何よりも好きで、とりとめのないことを考えずにはいられなくて、考えても考えても真ん中には何もないような気がして、そんな自分が嫌なのに結構好きで、なのにどうしてもある一定の距離をもってしか自分のことを語ることができなくて、背中にもう2つくらい目を持っているようなもぞもぞ感を常に感じていて…という人にはおすすめかもしれません。
2005.11.27
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宮部みゆきは、物事や人の本質を見かけにだまされずに一瞬にして見抜く人だと思う。そして、宮部みゆきは江戸ものが特にいい。母が彼女のファンなので、私はときどき母の部屋から拝借する。「堪忍箱」もその中の1冊で、会社の帰り、電車の中で少しずつ読んでいった。短編集は通勤の友に最適なのである。江戸の町人の生活には、もしかすると現代に生きる私たちよりよっぽど自由な目線があったのでは、と思うのだが、そんな市井の人々を描くとき、宮部みゆきの視線は限りなく優しくて厳しい。そこにはただのいい人もただの悪い人も存在せず、それぞれの人々が善人でもあり悪人でもある。そのへんの描写がこれまたおしつけがましくなくて、名人としかいいようのない筆運びに読者としては唸るばかりなのである。この文庫本のあとがきを書いているのは、NHK金曜時代劇「茂七の事件簿」の脚本を書いた金子成人である。茂七親分もまた、宮部みゆきが生み出したスーパーキャラクターであり、私的にはぜひぜひ中村梅之助に演じて欲しいと常々思っているキャラである。NHKでは高橋英樹がその役をやっていたが、いつか梅之助でみることができるといいなぁ、と思う。
2005.11.20
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うっひゃひゃひゃ!! と手に取って思わず涎ものになってしまった1冊の雑誌。それは「DOLL」。そして、これはなんとあの幻の雑誌「夜想」復刊第2号で、更に発行人かつアートディレクターはあのミルキィ・イソベ氏。イソベ氏は、笙野頼子の本の装丁を多々手がけていらっしゃるので、笙野さんの本を読むたびに「なんて素敵な感性の方なのでせう」とあこがれのような気持ちをずっと抱いていたお方。ああ、それににしても、この雑誌、その昔、結構好きだったのにいつの間にか読まなくなってしまい、そしたらいつのまにか廃刊になっていたそうな。それすら知らなかった。でも、その復帰第2弾に偶然めぐり合えるとはね。今回の特集はお人形。もう、なんていったらいいのかわからないくらい、何度も何度も眺めてはため息ものの素敵な写真が満載なのです。人形好きの私にはたまらない…。人形と言っても、かわいいお人形じゃありませぬ。ハンス・ベルメール系、四谷シモン系というか、そっちの方。更に高原英理が解説みたいなエッセイを書いていて、それを読んでるうちに、またしても若かりし頃にトリップしてしまい、頭の中では一気にリンク張りまくり状態。ハンス・ベルメール→澁澤龍彦→江戸川乱歩→夢野久作…と本棚に走っては懐かしの本たちまで撫でまくる始末。「脂ぎった欲望の露呈は不快だが、ひんやりと他人事のように明晰に語られる猥褻は好ましく思われるものだ」はい、全くそのとおりでございます。いいもの見せてくれてありがとう。宝物にしますねっ!
2005.11.13
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先々週から新しく入った社員から「この会社は何で毎日こんなに色んなことがあるんですか?ありすぎですよね?」と言われてどきっとする。お願い、やめないでね!しかし、確かに毎日よくもまぁ、忙しいっていうか人騒がせっていうか、今週もスリルとサスペンスに満ちた日々でありました。やりがいありすぎなんである(笑)そんな殺伐とした1日を終えて帰路に着く日々の中にも、今週はささやかな楽しみがありました。それは、東海道線のグリーン車に乗ってお菓子を食べながら(ビールではありませぬ)斉藤綾子の「欠陥住宅物語」を読むこと。毎日少しずつ読んで1週間ほどで読了。今週はこの本のおかげで日々の疲れをクリアすることができ、綾子様には感謝感謝なのでございます。気持ちが弱くなってきたときの強烈なカンフル剤に選ぶのは、大抵強烈なおねえさまたちの本。標題の斉藤綾子さまのほかには、西原理恵子姐、中村うさぎ姐などなど、あけすけな文章の数々に気持ちはほぐれ、自分の未熟さを反省、まだまだこんなところでとどまってちゃいけませんわ、という闘志まで湧いてくる。どうせろくでもない人生、行くところまで行かねば!それにしても、男関係ありすぎの綾子姐の体にむらがる男子たちとのからみのシーンはいつ読んでも超リアルで、ノンセクシュアルな私の生きている世界から見ると火星の人のようである。それにも関わらず彼女に惹かれる理由は、たぶん、彼女が好きなのは男子の肉体であって、男子そのものではないあたりなのでしょう。それはうさぎ姐からも漂う同じ臭い…。「欠陥住宅物語」の帯が最高です。 男に依存せず、男を切らさず、男と同居せずあっぱれ!でございますね。
2005.11.12
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その昔、定期的に買っていた雑誌といえば「マリークレール」と「芸術新潮」。もう今から随分昔のことなのですが、当時の「マリークレール」は映画評とか読書関係が充実していてすごく読み応えがあったし、「芸術新潮」は毎回あるアーティストとか歴史建造物とか場所とかをとりあげて、これまた読み応えのある文章と写真が美しく、それに加えて橋本治の「ひらがな美術史」が大好きだったので毎月楽しみにしていました。そのうち「マリークレール」は編集者が変わったのか、いつのまにかスノッブなただのファッション雑誌になってしまったので買わなくなり、「芸術新潮」の方も何となく買わなくなってしまったのでした。そんな中、昼休みに本屋を徘徊していたら、なんとヘンリー・ダーガーの絵を表紙にしている雑誌があるじゃありませんか!おお~、と思って見たら懐かしの「芸術新潮」だったので、迷わず買ってしまいました。そしたら今月号の特集は、なんとアール・ブリュット!なるほど、だからヘンリー・ダーガーというわけなのですね。紙面の多くを飾るのは、アール・ブリュットな作品たち。相変わらず写真がとっても綺麗でうっとり。ううむ、またしても、束の間のパラダイスに耽溺する私。アール・ブリュットとは、精神病などの要因から、社会の周辺にいる人々が作る、美術教育や商業主義に加工されていない生の芸術のことで、1945年にフランス人画家デュビュッフェが命名したとか。ヨーロッパでは、アールブリュットのコレクターなどの働きにより、美術館も充実し、研究も盛んだそうです。アメリカではアウトサーダーアートと呼ばれることが多いみたいだけど、それはちと違うのでは、と異論を立てているのが著名なコレクター、ブルノ氏の見解。なぜなら、彼らは社会的にはアウトサイダーでも、芸術と創造においてはインサイダーなのだから。アール・ブリュットのアーティストたちは、人生のある時点で通常の思考システムがほとんど全面的に崩壊してしまい、そしてその後、再構築という現象が劇的に起こることで、他の誰とも共有できない、自分だけに通用する言語、価値観、思考による内部システムを発明する。なので、彼らの作品は勝ち誇ったような力強さに満ちているのだそうです。今回紹介されているアーティストたちの中では、ヘンリー・ダーガーとゾンネシュターンはワタリウム美術館とパルコギャラリーで本物の作品を観たことがあります。確かに、一種独特なエネルギーに満ち満ちていて、でも、きわめて個人的な内的世界に耽溺した作品なので、人の頭の中を覗き見しているような妙な気恥ずかしさを感じたのと同時に、観る者を開放するような、なんといったらいいのか摩訶不思議な気持ちで大いにくつろげたことを覚えています。この世界を味わってみたい方、今なら銀座の「ハウス・オブ・シセイドウ」で11月27日まで展覧会が開かれているので、是非体験してみてください。私ももちろん行くつもりです。
2005.11.02
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またしてもたなぼたでゲットしたチケット。平日の8時開演というのは、芝居の開演 時間としては労働者に配慮した素敵な決断。おかげさまで無事仕事を終えてから一杯 飲むだけの余裕もあったりして、すごくいいかも、こういうの。 今回のお芝居は、戸田恵子主演、永井愛作&演出の「歌わせたい男たち」。内容は、 都立高校で問題になっている卒業式の国歌斉唱問題について。最近3月頃になると、 毎年毎年新聞で報道されているこの問題、どうやら事態はどんどん悪くなっているよ うで、国歌斉唱のときに起立しなかった教師は処罰されるとか、卒業式になると各高 校に教育委員会や都議会議員やらが数名派遣されて、どの教師が口を動かしていない とか、起立しなかったとか、欠席したとか、こと細かくチェックされるとか、なん か、あまりにも馬鹿馬鹿しくてあきれてしまうことしきり。今回の芝居では、起立し ない日本史教師役を近藤芳正が好演。歌わせたい男代表の校長役には大谷亮介。どん よりした政治的テーマを上質のコメディに仕立てあげる手腕に、観客は最初から最後 まで笑いっぱなし。本当に茶番だなぁ、こんなの。でも、その茶番がいつのまにか私 たちに牙をむくときが来るかもしれない。そうやって時代は繰り返すのかも、と笑い の中に背筋の凍る思いを感じたのは私だけではないだろう。 たまに憲法改正問題等で自民党の誰々さんがこのような発言をしました~、みたいな 新聞記事やサイトなどを読んでいると、脱力のコメントを散見することがある。たと えばある議員の発言「多様な生き方というもの標記すると、結婚もしない、子供も産 まない女性が増えるので削除するべきだ」なんていうのはまだ序の口で、中にはもっ と奇妙奇天烈な発言まであり、一体全体この国はどうなってしまうんでしょうね~、 こういう人に限って中国の反日政策に怒りまくって非難してたりするんでしょうけ ど、この国も似たようなものなのでは、と思ってしまったり。 そうは言っても、もし私が教師だったら、きっと卒業式には起立して君が代を歌うで しょう。面倒くさいから。そういう態度がよくないのかもしれないけど、その場に なってみないとわからないかもしれません。因みに、私は今まで卒業式で国歌を歌っ た記憶がまったくありません。高校も大学もミッションスクールだったので賛美歌 だったし。いやはや、変な時代になってきたようです。
2005.10.28
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原美術館内のレストランは、緑の中庭に面したとっても素敵なロケーションにある。美術展に行くたびに、一度そこでゆっくりお食事してみたいなぁ、と思っていたところに、ただ今開催中のやなぎみわ展の記念晩餐会が開催されると聞き、友人と一緒に行ってみました。この季節は寒すぎず暑すぎず、夜のガーデンパーティをするにはとっても良い季節。今日は緑の芝生の上に置かれたテーブルの上にお料理が並び、お皿を持ってそれをもらいに行くビュッフェスタイル。メニューは「南風食堂」のプロデュースとのこと。南風食堂って、何ぞや?とネットであらかじめ下調べしてみると、それは食べること大好きな女性が集まって結成されたユニットで、アート系イベントなどのメニューをプロデュースする集団らしい。これもスローフーズの流れで生まれたものでしょうか。彼女たちは、このほかにも現在開催中の横浜トリエンナーレにも参加中で、期間限定のカフェも12月まで担当しているらしいのですが、なるほど、食のプロデュースというお仕事はこれから需要が増えるかもしれません。なかなか良いところに目をつけたかも。さて、やなぎみわさんの作品展「無垢な老女と無慈悲な少女の信じられない物語」を料理にするとこんな感じになるのだそうな。 ウェルカムドリンク 「エレンディア」 サングリア 前菜「砂少女」 黒いテントのトルティーヤサンド 黒オリーブと果物のサラダ 砂女 黒い海の幸 パエリヤ 豚肉のモヨ カナリヤ諸島に伝わる赤いソース煮込み デザート 「Fortunetelling」 秋の果物のマリネ アイスクリーム添え作品のイメージに合わせてお洒落なスペインテイストでまとめ、女性心をくすぐる食の演出がさすがです。客層はやっぱり女性が9割。やなぎみわさんも隣のテーブルにいらっしゃいまして、黒のパンツスーツにシャギーなショートヘア、まるで王子様のように素敵にボーイッシュな方でした。若い女の子のファンが多いんだろうなぁ、と推測されます。最後はやなぎみわさんのスピーチと、みわさん自らお作りくださったお菓子のお土産も頂いて晩餐会はお開きとなりました。お土産のお菓子の中身は、老婆と少女の顔をしたチョコレートでした。
2005.10.23
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ひょんなことから手にした一冊の絵本にすっかり魅せられて、その著者の本を全部で6冊、まとめて購入してしまった。その人の名は、、エドワード・ゴーリー。1925年シカゴ生まれ、ハーバード大学で仏語を専攻し出版社に就職、その頃から作品を発表し始め70年代頃からじわじわと人気を博し、その後はカルトアーティストとして活躍した。韻を踏んだ文章の美しさとエルンストを彷彿させるようなモノクロの絵と悲惨なストーリーが印象的で、きわめて私好みの作家なのである。最初に読んだのは「不幸な子供」という作品で、ストーリーは一人のかわいい女の子、シャーロットが運命に弄ばれて不幸のどん底に突き落とされるお話だ。普通のお話なら、時と共にどん底からはいあがるヒロインが最後は幸せになる、というパターンなのだろうが、ゴーリーの話にそのような救いはなく、徹底的に虐げられた少女は、永遠に生き地獄の世界から這い上がることはなく、最後はただ虫けらのように殺されておしまい。次に読んだ「ガシュリークラムのちびっ子たち」というお話では、アルファベット順に26人の子供たちが26通りのやり方で次々と殺されていくようすを左ページに1行の淡々とした文章で綴り、右ページではその様子をモノクロームで描いている。こんな感じだ。A is for Amy who fell down the stairs. Aはエイミー かいだんおちたB is for Basil assaulted by bears. Bはベイジル くまにやられた文章はすべて韻を踏んでおり、声に出して読んでみると、その悲惨な内容を輝かせるような美しい響きを奏でるので、何度も繰り返し音読してしまう。まさに声に出して読みたい英語(!)なのである。その次の「華々しき鼻血」という作品では、日頃地味な存在である「副詞」にスポットをあて、左ページにはaからzまでアルファベット順に26種類の副詞を使った文章を綴り、右ページにその絵を描いている。選ばれた副詞は、aimlessly, balefully, distractedly, endlessly, fruitlesslyなどなど偏った選び方がこの人らしい。あてどなく、きもそぞろに、いたずらに、まがまがしく、ふきつに、ねちねちと、やるせなく、ものうげに、せつなげに、といった具合だ。その他の本も、どれもこれもこんな感じで明るいお話は何もない。そこにあるのは、不吉で陰惨で美しいゴーリーの世界のみ。眩暈がしそうなくらい素敵な世界なのである。すっかり魅せられて暇さえあればこれらの作品を眺めている私なのだが、もう1つ嬉しかったこと、それはこれらの作品を翻訳しているのが柴田元幸氏だということ。彼もゴーリーワールドにはまった一人だ。自分の好きな人が自分と同じものにはまる、というのはなんとも気持ちが良くて時に飛び跳ねたくなってしまうようなことであるのだが、その柴田氏がゴーリーの世界について、こうコメントしている。「確固たる目的を持たぬ人間が、悪意に満ちた世界のなかで、切ない想いをしばしば胸に抱えて、不確定な生を生きている」と。そう、これこそが、私がこれほどまでにゴーリーに惹かれる理由なのだろう。ゴーリーがお出かけするときには、トレードマークの毛皮のコート、白いテニスシューズ、長身にふさふさのあごひげ、イヤリング、ほとんどの指に指輪という感じだったという。生涯独身を通し、築200年、壁のひび割れから蔦が中に入り込んでいる屋敷で、半ダースの猫に囲まれて暮らし、2000年4月、75歳で亡くなった。なお、人間には陰惨な話ばかり書いたゴーリーだが、唯一猫のお話だけはそうではなかったのだそうだ。
2005.10.22
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この10月から、放送大学院お試し学習聴講生を始めてみました。本当は、昼間の大学院に行きたいなぁ、もう一度、学生やってちゃんと勉強したいなぁ、と思っていたのだけれど、優雅な奥様のような身分ではなく、自分で働かないと誰も養ってくれる人はいないので仕事はやめられないし。。。本当に優雅な専業主婦は羨ましいですぅ~。。。生活費を稼いでくれる旦那様がいて、自分は「自己実現」とやらに打ち込めるっていうのはすごい恵まれてますですよっ!!なんて、そんな人も総人口的にはそんなにいないのかもしれないけど。さて、本来なら仕事柄、MBAコースとかを受けるべきなのでしょうが、どうしてもそういう気にはならず、この年になったら好きなことだけしたいので選んだのが自分の好きな趣味分野「芸術文化政策~社会における人間と芸術~」と「環境マネジメント」の2つ。様子がわからないので、今学期(12月まで)はひとまず2科目だけにしてみました。ラヂオと衛星放送で勉強することになっているのですが、なんとタイミング悪く、我家ではただ今マンションの大規模修繕工事中でスカパーのアンテナも取り外されてしまい、見ることができないのでした。なので、今日は有給を利用して弘明寺の学習センターに行ってビデオ学習なるものをしてまいりました。テキストを広げながら聞く講義。ビデオなのできわめて一方的ではあるものの、お勉強大好きな私としては妙に嬉しかったです。興味のあるものだけを勉強できるっていうのは、ある意味、社会人の特権なのではないかと改めて認識した次第でございます。ご機嫌なまま学習センターを出ると時間はまだ5時。平日のこの時間に住宅街を歩くというのは会社員にとってはある意味とっても贅沢な気分にさせるもの。このまままっすぐ家に帰るのは何となくもったいないような気がしたので、地下鉄を桜木町で途中下車し、野毛に寄ってしまいました。途中、市営地下鉄で前に座っていた推定年齢80歳のおじいさまが熱心に読んでいる本を覗いてみると、なんとチョムスキー!平日の電車って、素敵♪桜木町駅で下車して野毛も街に繰り出し、前から何となく気になっていた小料理屋の暖簾をくぐってみると、ママさんは私とほぼ同年代、金井克子と小林幸子を足して2で割ったような男らしいお方。3年前までは会社員だったそうで、会社の都合で退職せざる得なくなり仕事を探してみたものの、年齢的にろくな仕事がなかったので思いきってお店を始めたそうな。常連のお客様との話もはずみ、楽しいひとときを過ごさせていただきました。都橋の宣伝も何気にしたりして、またしても飲み仲間ゲットでしょうか。充実の有給でございました♪
2005.10.20
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前々からその評判を聞きながらも、ことごとく予定が合わず未体験のままだったアーティスト、やなぎみわ新作展に行った。今度ことは逃すまい!と決意して品川駅に向かう。会場の原美術館は私の好きな美術館の1つで、JR品川駅から徒歩15分、高級住宅地に佇む静かな静かな美術館である。昭和初期に建てられた邸宅には美しい庭園があり、この建物の中にいるだけでも嬉しくなってしまうような素敵な空間でもある。やなぎみわさんは、女性をテーマにした数々の作品で京都を拠点に国際的に活躍するアーティストで、過去にはエレベーターガールを主題にした作品や、2000年からの継続プロジェクトであるGRANDMOTHERS、これはそれぞれのモデルの女性が自分の50年後の老いた姿を想像し、特殊メイクとCGを駆使して「理想の祖母像」の写真を作ったもの、などで注目の30代のアーティストである。さて、今回の展覧会、今年見た展覧会の中では間違いなくナンバーワンだ。なんというか、その衝撃度にはのっけから見るものを圧倒する凄みがあるのだ。特に私が大好きだったのは、モノクロの写真が並ぶ展示室2の作品群。グリムやアンデルセンなどの童話や、ガルシア・マルケスの短編小説「エレンディラ」など、少女と老女が登場する物語に彼女独特の演出を施した写真が並ぶ。例えば特殊メイクを施された少女の老婆が不気味に笑ってマッチの火を見つめている写真。作品に寄せられた言葉にはこう書かれている。「おばあちゃんの所に行きたいわ」「おまえと一緒にいるじゃないか」。そう、ここでは少女=老婆であり、少女が老婆を内包し、また逆も真なり。その他、シンデレラや白雪姫などをモチーフにした作品では、心地よい悪意といじわるさに満ちていて、私はもうただただ恍惚としてしまう。倉橋由美子の「大人のための残酷物語」よりインパクト強し、かもしれない。こんなに凄みのある作品を作ってしまうやなぎみわ氏、今後とも要注目。。。ところで、私が好きな老婆といえば、森茉莉とフジコ・ヘミングである。あそこまで到達するのは私のようなものには無理とはいえ、高齢化社会でもあり、これからは老婆がおもしろいジャンルかもしれない。日々精進せねば(笑)過去と未来の 老いと若きの 無垢と無慈悲の 密室と荒野の物語る者と物語られる者の あいだを歩き続けるOf past and fututure Of old and young Of innocent and heartlessOf enclosed and wilderness Of narrator and narratedContinue walking between
2005.10.15
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今週もお仕事でぼろぼろだったので、寄り道もせず、特に何をするエネルギーもなく、毎日グリーン車で(だって疲れて死にそうだったんだもん)直帰の日々でございました。そんな中、これは結構な楽しみだわ~、と毎日家でちょっとしたご機嫌気分だったのがエノテカで買ったワインセット1ダース。赤、白6本ずつ12本買って16,800円也。セット内容を見てみると、安いもので定価998円から、高いもので3,570円のものまで入っておりまする。これを毎日もりりんで一気に有名になった例のひからびたチーズ舐めながらちびちびやっていると疲れがとれるのですわ。結構、美味しいワインが入っているんですもん。さすがエノテカ、これ、いいかもね、って感じです。大体2日で1本消費するので、一ヶ月くらいはもちそうす。こういうのを日常のささやかな楽しみっていうんですな。さて、標題の「とんちゃん」ですが、会社の韓国人同僚イチオシのお店だそうです。次回はここで宴会決定だな。
2005.10.14
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野毛友のMさんに誘われて、行ってきました新宿歌舞伎町のクラブ。普段はおやぢが行く方のクラブなのを、今日は若者のクラブとして朝までパーティーするそうで。HPを覗くと盛りだくさんの企画でおもしろそう。主催者はドラァグクィーンの方。ドレスコードはなし、ということだったので普段着のまま行ってみると、会場前にはゴスロリの黒い集団が~!この日はゴスロリ系パーティーだったのですね。こんな格好で来ちゃってどうしましょ。あ、でも、普段着の人もちらほらいるから、ま、いっか。9時を過ぎて、何となく始まったイベント。パフォーマーの方々が次々にステージに上がって芸を披露してくださいます。目が慣れると、意外と地味に見えてくるのがとっても不思議。同行の友達なんて、いつのまにか会場でコルセット買って半ハミチチ状態ではしゃいでるし~。人間って、環境にすぐ慣れるものなのかもしれません。思い思いの衣装で、思いっきりお洒落してる人たちを見ていたら、だんだん私もやってみたくなってきた、っていうか、何となく気持ちがわかるような気がしてきました。そういうわけで、私も来週、甘ロリ体験をすることになりました。わーい、楽しみだ!!でも、ちょっと怖いけど。
2005.10.09
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アートスポット見学の後は、野毛で皆でお食事をすることになっていた。野毛に2年ほど前に出来たイタリアンレストラン、「ラ・カーサ・ディ・マルコ」は、野毛の昭和レトロな佇まいの中では異色の存在感を持つお店。いつもその前は通るものの、一度も入ったことがなかったのだが、なかなか評判がよさそうだったのでいつかは行かねば、と思っていた。全部で16席のこじんまりしたお店なので、今回は総勢11名という大人数の私たちでお店は一揆に超賑やかに。馬車道~山下公園~野毛と、随分歩いたあとなので、おなかはちょうどよい空き具合である。今回は3,500円のコース料理を注文。まず、前菜は鮪、甘海老などのカルパッチョ風、その後に出てきたピザは、チーズがまったりと丁度良い塩梅に溶け、しかも強すぎず弱すぎずのバジルテイストと混ざり合って思わずパクパク食べてしまう一品。ピザの後にはパスタ数種類。ゴルゴンゾーラチーズのニョッキ、渡り蟹ソースのパスタ、からすみのパスタの3種類は、どれもパスタのもちもち感じが絶品。これだけでかなりおなか一杯だったところにメインディッシュ登場。お肉はホロホロ鳥のロースト、お魚はほうぼうのトマトソースかけ。ほうぼうは小骨が多くてちょっと食べにくい。お肉の方がよかったかもしれない。これで全部おしまい…と思いきや、最後の最後にデザートの盛り合わせと3種類のハーブティーがどんと来た。デザートは、ココナッツゼリーのマンゴソースかけとパンナコッタとジェラートの盛り合わせ。どれもこれもとても美味しい。これで3500円とは、さすが野毛。東京では絶対無理なお値段でしょう。一同、大満足のまま解散となり、2次会に行く人はもちろんすぐ前にある「はる美」に足が向く。さて、今日はこのあともちょっとしたイベントがあった。それは、野毛某店で知り合ったYさんのマロンタルトである。Yさんが1年に1度だけ作ってくれるマロンタルトは、毎年楽しみにしている人がたくさんいるほどの絶品で、今日はその1年に1度の大事な日なのであった。マルコを出た時点でかなりカロリーオーバーになっていたのがとても気になったが、もう、こうなったら太るのは覚悟の上である。10時にお店を移動してB店に着くと、既に9時から待っているおねえさんが1名カウンターにいらっしゃる。彼女に合流してYさんを待つこと45分、ようやく登場したYさんには一同から拍手喝采が送られ、入刀後、皆で頂く。こんなに大きな栗が目一杯乗っかったマロンタルトは初めてみた。生地は甘すぎずしっとりしてとっても大人のお味。紅茶よりもお酒が合うケーキなのである。今日は美味しいものまとめ食いの1日であった。総カロリーは4000くらい?2日分のカロリー摂取である。ああ。。。
2005.10.09
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横浜の女性を中心に活動している働く女性の会「MMクラブ2005」秋企画。今回はトリエンナーレに因んだ「ヨコハマ最新アートスポットツアー」と題して、「はる美」のご縁で知り合った横浜市の方をナビゲーター役に、横浜市のアート政策の一環として生まれた、「BankART」2ヶ所を見学することになった。この事業は、横浜市が推進する歴史的建造物を活用した文化芸術創造の実験プログラムである。BankARTという名前の由来は、元銀行であったふたつの建物を芸術文化に利用するという意図から来た造語で、2つの銀行、旧第一銀行と旧富士銀行の建物がどちらも1929年に建てられたものから来ているそうだ。BankARTは現在2ヶ所あり、1つは馬車道に、もう1つはそこから5分ほど離れた運河沿いの日本郵船元倉庫を使っている。どちらの建物も、古いものと新しいものが共存するちょっと不思議な空間を提供しており、モダンアートにはぴったりの場所である。それらの場所では、様々なアーティストの展示会や、講演会、コンサートなど盛りだくさんの企画を常時楽しむことができる。BankARTNYK(倉庫の方)2階にはカフェがあり、オープンエアのテーブルに陣取れば目の前には運河が流れ、その向こうには赤レンガ倉庫、ベイブリッジ、ランドマークタワーなどが一望できる。昼間でも赤レンガ倉庫方面に視点を絞れば気分はアムステルダムだし、夕方には暮れ行く横浜の海を、日が沈めば夜の灯りがきらめく横浜の海を、と3つの顔を楽しみながらお酒を飲むこともできる非常に贅沢な空間だ。こちらのカフェでは、「横浜地ビール」 も飲むことができる。今回は、梨のビールを飲んでみたが、ベルギービールのようにフルーティーな味わいでとても美味しかった。勤め先がこの近くにあれば、毎日帰りに寄ってしまいそうだ(本当に、この近辺に仕事があればいいのに!!)横浜市では、この運河一体のウォーターフロントを2009年の開港150周年記念に合わせ、ナショナルアートパーク(仮称)としたアートをコンセプトとしたエリア整備を行う予定だそうだ。これからもどんどん変わっていくであろう街、横浜、やっぱりこの街からは離れられないかもしれない。
2005.10.08
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彼岸を過ぎても残暑厳しき日曜日でしたが、地元つながりのとある方から「見島牛入荷!」のお知らせをもらっては行かないわけにはいきません。「見島牛」、見たことも食べたこともない牛でしたが、調べればなんと天然記念物で年に12頭?かそこらしか食べられないとか。この機会を逃しては死ぬまで食べられないに違いないので、生唾ごっくんで行ってまいりました。場所は、お知らせをくれた方のご自宅で、もちろん横浜市内某所。2時開始のお知らせなので、1時半に駅で友人と待ち合わせて5分前に知人宅にたどり着けば、既に9割の方が着席している。この手の催しでは非常にめずらしい集合状況とか。やはり皆、一刻も早く食べたかったものと推測されます(笑)主催者はグルメな上にお酒にも非常に詳しい方なので、こちらのお宅に来ると美味しい料理のみならず美味しいお酒も楽しめるので、楽しみにしている人も多いと聞きます。宴の開始はまず、イキのよいお刺身の盛り合わせから。合わせるお酒はシャンパン。暑い中を歩いてきたので、冷たいシャンパンとさっぱりしたお刺身がとてもおいしい。山盛りのお刺身があっという間になくなると、いよいよ見島牛の登場です。バラの花びらのように大皿一杯に盛られた生肉をまず一口。最初は何もつけずに頂きます。ひょえ~、、、美味しいです~!!生卵がうっすらとかかったような甘くてとろっとした味がします。続いて天然塩でまた一口。塩のうまみと肉のうまみが口の中で調合されて喉元をさらっと撫でていきます。三口めはごま油と塩をつけていただきます。ゴマの香りと肉の甘みがまたまた優しく喉元をくすぐっていきます。ああ、止まらない、どうしよう~!!そういうわけで、見島牛の色んな部所にわたって何皿ものお肉を10名で次々と胃袋に流し込み、それに比例するように何本ものワインや日本酒のボトルがあくころには、あっという間に外は夜の8時。6時間も飲食に励んでいたのでした。飲んだお酒の銘柄は、その場で聞いたものの、ほとんど忘れてしまいました。美味しいものを食べると脳みそが弛緩するのかも。それとも、これも一期一会の出会いってことでしょうか。まぁ、ともかく、美味しいものを食べたり飲んだりしているときが一番幸せ、というのは間違いありませんね。
2005.10.04
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昨日は大学卒業20年目の同窓会だった。その年の卒業生が、全学部合同で大学に集まる一大イベントだ。みんな、どんな風になっているのか興味深々だったので、卒業後も同じ業界で働いているM嬢と共に参加することにした。横浜から小平までは2時間ちょっとの長旅である。あの頃は、よくこんな遠くまで通っていたものだなぁ。毎日が遠足気分だったのか?気楽な学生だったから。それにしても、K駅の変貌ぶりにはもうびっくり。右も左もわからない!あの頃、この街にあったケーキ屋さんとか、どこにあるんだろう。まったくもってわからないほど様子が変わってしまい、とまどうばかり。それにくらべて、K駅から私鉄に乗り換えてみたら、こちらは時間が止まってしまったかのようにあの頃と景色が同じ。大学の最寄のT駅前に至っては、お店もあの頃ともうそのまんまで、駅を降りたときから私の時間は一気に20年前に戻ってしまった。駅から大学に続く上水の小道もあの頃のまんま。木々が生い茂る森の道を、土を踏みしめながらしばし歩くこと5分、目の前に車道が開け、その向こうには大学の校舎が静かに佇んでいる。歴史的建造物でもあるこの校舎は、古き良き昔のレトロで重厚な建物である。今こうやって久しぶりに眺めてみると、なんて美しい建物だったんだろう、と思う。あの頃は毎日来ていたから特に思わなかったのだ。門をくぐり、会場に入る前に教室に行ってみる。やはりあの頃のままだ。黒板とチョークと木の机と椅子。モダンなものを一切排除した昔のままの教室。この年になると、こういう風景にめっきり弱くなるようだ。ああ、それにしても、久しぶりに集まった同級生たちのなんと落ち着いていることよ。同じ年とは思えないほどの落ち着きぶりであるが、これが年相応の40代のたたずまいというものであろう。ちゃらちゃらしているのは私とあと数人くらいしかいない(汗)。昔から地味で真面目で堅実な学生が多かったけど、20年たってそれに磨きがかかってる感じ。。高校の同級生たちが異常に若くてきれいな奥さんばかりなのとはまったくもって対照的な図である。まぁ、でも、話していて楽しいのは圧倒的にこっちなのであるが。。学食で盛り上がったあとは、ゼミで一緒だった人たちと飲み会をして9時半には解散。健康的で大変よろしい(といいながら、私はその後野毛に遊びに行ってしまった)。今回の同窓会で、一番輝いていたのは国連難民高等弁務官のCさんだった。この日のために、わざわざモザンピークから来てくれたCさん。アフガニスタンにいたころは、彼女のアメリカに対する言動が一部でかなり取り上げられて一気に時の人となった彼女だったが、今もアフリカで与えられた任務に励む日々とのこと。顔には自信が溢れていて、目がきらきら輝いていて、とても素敵な女性になっていた。彼女に会えただけでも来た甲斐があった。やはり同窓会とは良いものである。
2005.10.02
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上下巻合わせて800ページの大作である。ずっしりと重いハードカバーの表紙を飾るのはウィリアム・モリス。エミリー・ブロンテの「嵐が丘」に触発されて書いたというこの長編は、練りに練った構造の超私小説的小説、と言ったところか。始まりは作者の「小説論」みたいなものから始まり、それがいつのまにか作者自身の生い立ち編につながり、一体どこから本編が始まるのだろう、と思っていると数百ページを過ぎたあたりからようやく物語が始まる。それは、戦後日本の高度成長期からバブル期までを生きた人々の、昭和という時代でなければ体験し得なかったであろう日常のお話であり、そして主人公、太郎とよう子の奇跡のような恋物語である。そもそも「私小説」的な作品とは何か?「私小説」というものが、言葉によって個を超越した小宇宙を構築しようという、全体への意思がないように見えることこそが、読み手にとって正の価値をもつものである、という。確かに、人はただ生きているだけで物語に巻き込まれていくものだし、実際、私はこの物語に巻き込まれて気がつくと寝る時間も忘れて入り込んでしまい、読了したあとには妙なデジャブ感に気がついた。確かにこれは、小学校のときに読んだ「ジェーエン・エア」とか「嵐が丘」とか、まさにその感じなのだった。あの頃の私には、これらの物語を深く理解することなど到底無理だったはずなのに、お話にぐいぐい引き込まれて学校の帰り道には歩きながらも読みふけったものだった。そんなことを一気に思い出してしまった。この小説は、もしかするとそんな時間を内に抱えた大人たちのための、究極の少女小説なのかもしれない。この小説の中の主人公、太郎とよう子は、今生きていれば50代後半という設定で、戦後まだ階級というものが今よりもはっきりとした形で残っていた最後の時代に幼少時代を過ごした人々である。戦後中国から引き揚げてきた貧しい一家の貰われっ子太郎と、その親戚の縁で下男のように出入りさせてもらっていた家のブルジョワの娘、よう子との小学校から大人になるまでの恋物語である。一家は普段は世田谷で過ごし、夏になると軽井沢の別荘で過ごす。なので、話は主にこの2ヶ所で展開するのだが、世田谷のその地域は実は私が子供時代を過ごした所とほぼ同心円で、太郎が通ったとされる小学校は、私が住んでいた家から徒歩10分だし、よう子が入院した病院は私の通学路のすぐ近くだし、物語だと思いながらも、ああ、あの辺を15年遅れで私も歩いていたのだなぁ、と思った瞬間からこの物語に吸い込まれてしまったようだ。紆余曲折を経て、貧しかった太郎は逃げるようにアメリカに渡り、苦労の末アメリカンドリームを実現させ、大金持ちになった。丁度その頃、日本はバブルを経て一億総中流時代にあり、ブルジョワだったよう子の親戚たちは没落の一途を辿り、もやは2人の間に階級の壁は存在しなくなっていた。しかし、時間の残骸が物語をハッピーエンドでは終わらせない。太郎とよう子は、結局この世では結ばれることはなかった。太郎は生涯よう子だけを愛し独身を貫いた。二人が本当に欲しかったものは、この世では存在できないものであった。そして、それを何かに転化することなく、そのままのものとして受け止め続け、死ぬまで抱え続けた二人の物語だった。
2005.10.01
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前々から楽しみにしていた、「ヤン・シュヴァンクマイエル展」遂に行って来ました!こういうの大好きなので、最初からドキドキワクワク。何を観ても楽しくて嬉しくてスキップしてしまいそう(爆)。チェコ共和国を代表する映像作家、シュヴァンクマイエルの作り出す世界は、かわいくて、こっけいで、グロくて、とってもシュール。アヴァンギャルドなチェコは、ある意味私の憧れの地でもあります。あの偉大なる小説家、ミラン・クンデラもこの地の出身であり、なんと興味深い地でありましょうか。今回は展示物に加えて、映画祭も同時開催されています。AプログラムからEプログラムまで日替わり時間代わりで連日上映されているので、開催中にあと2回くらいは通うことになるでしょう。この日見たのはEプログラムの、「オテサーネク」という、チェコの民謡を元に作られた赤ちゃんホラー。日本で言えば、かぐや姫と桃太郎を足して割って悪意と愛情を加えたもの、という感じでしょうか(なんのことやら…)。帰りのバスの中では、隣に座った赤ん坊が自分の要求を通そうと不連続に泣き叫ぶ声のなんと怖かったことか。売店では、シュヴァンクマイエル夫人の絵による「オテサーネク」の絵本も売られていて、早速購入してしまいました。図録はどうせまた来るので今回はお預け。次回の楽しみを残しておけば、辛い現世も切り抜けられるというもの。けなげな生活の知恵でございます。さて、この美術館、今回初めてやってきました。神奈川県立近代美術館といえば、以前は鎌倉にあり(今も鎌倉館として残っているみたいだけど)そちらでもなかなか良い展示をしていたので年に1度は大体行っておりました。葉山の方は確か去年くらいに出来たばかりの、ま新しい美術館。なんとまぁ、素敵な場所にあることでしょう。逗子駅からバスに乗り、約20分ほどなのですが、駅を出て5分も走ればそこは海、それもヨコハマの海と違う加山雄三の海(笑)。白いヨットが停泊する海を眺めながら走るバスの車窓からは、お洒落なお店が点々と現れては消え、「日影茶屋」「ボンジュール」といったお馴染みの葉山の名店を通り越すと、高級スーパー「ユニオン」近辺からは小金持ち風婦女子が大型犬を連れてにこやかにお散歩風情。たまプラーザとかよりヨットの浮かぶ海がある分、すべてスケールが大きいような。そして、美術館自身も海に面しているため、大きな窓に映るものは一面の海、海、海。美術館併営のオープンカフェに座ってお食事すれば、ユーミンの歌が聞こえてきそうでございます。そういうわけで、ヤン・シュヴァンクマイエル展は11月6日までやっているので、絶対また来ることでしょう。I Shall Be Back!
2005.09.25
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棚ぼたでゲットしたチケットで行ってきました青山劇場。SHIRO以来の新感線、何の前知識もなく行ったら…やられました。これは、今年のマイベストワンかも。そもそも原作がすごすぎなんだな。隆慶一郎の「吉原御免状」。ネットで調べたら、松岡正剛氏が自身のブログでやはり激ホメしてました。この作家の本はまだ一冊も読んでいなかったのが悔やまれます。松岡氏によると、隆氏はもともとテレビドラマなどを書いていた方で、61歳にして初めて書いた小説がこの「吉原御免状」なんだそうで。これだけのお話を書く方といえば、私の中では山田風太郎、国枝史郎に並ぶVIP。吉原という華やかな色町に潜む影の部分を浮き彫りにする視点には、物事の本質を鋭くとらえるまなざしと柔らかな知性に溢れていて、それがこの物語を豊穣に膨らませていく。原作の厚み、脚本の巧みさに加えて、俳優陣がこれまたすごい出来。特に主人公の堤真一は、今までで一番の出来なのでは。昔、野田MAPに主演した舞台と比べると、天と地ほどの違いがある。ものすごく良い俳優さんになりましたね~、第一、こんなにかっこいい人、めったにいないでしょう。背が高いので舞台では非常に映えるその容姿に、立ってるだけでまずノックダウン、古田新太との立ち回りの格好よさに更にノックダウン、女優との色っぽいシーンに更に更にノックダウン、そして極めつけはふんどし姿に決定打のノックダウン!劇場内にはノックされっぱなしの女性人のため息がしきりに(聞こえたような気が~!)。相手役の松雪泰子は、テレビでしか見たことなかったので舞台はどんなものやら不安だったけど、これまた華奢で小股の切れ上がったイイ女っぷりで、今回の役柄、憂いを含んだくのいちにピッタリ。花魁の京野このみは、確か昔「頑張れげんさん」のCMの子役だったでしょうか?こんなに色っぽくなっちゃって、おばさんはびっくりでした。悪役の古田新太も定番はまり役の悪役だし、おひょうさんの長老はとぼけた味が絶妙だし、尼さんの高田聖子はもう出てくるだけで安心するし、いやはや、とにかくこれは大いに堪能致しました。もう一度でも二度でも観たい舞台でございました。
2005.09.24
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アメリカの作家、リチャード・マシスンが1975年に刊行した長編ファンタジーで、世界幻想文学大賞受賞後、クリストファー・リーブス主演で1980年には映画化もされている。マシスンの作品群の中でも異色といわれる極甘のラブストーリである。恥ずかしながらつい最近までこの作品のことは知らなかったのだが、世界中に熱烈なファンが多く、いまだにHPはファン同士でにぎわっているようだ(なんと、宝塚でも上演されたことがあるらしい)。今回はまず最初に小説を読み、それからDVDを観てみた。どちらも号泣してしまった。どうも私はこの手のものにとても弱いようだ。ストーリーは、脳腫瘍であと半年の命と宣告された脚本家リチャードが、死に場所を求めて(?)一人旅に出るところから始まる。途中、サンディエゴのホテル、デル・コロナードで一人の女性のポートレイトを目にして彼の人生が一転する。その女性は、エリーズ・マッケナという19世紀後半から20世紀前半に活躍した舞台女優。古びた彼女の写真を見て抗い難い「何か」を感じたリチャードは、彼女に会いたい一心でタイムトラベルを試み、彼女のいた時代にうまくすべりこむことに成功、彼女とめでたく会うことができ…というお話。主人公は2人とも「恋少なき」人である。様々な事情により、自分自身を檻の中に閉じ込めて、30歳になっても今まで心の底から人を好きになるようなことがなかった2人である。その2人にとって一生に一度だけの本当の恋は、あまりにもはかなくてたった一晩限りのものだった。それでも、二人が時空を超えて引き合わずにいられなかったのは、まさに運命の力。荒唐無稽な話なのに、妙なリアリティを感じるのは、そもそもが恋愛は荒唐無稽なものだからだろう。理論的に考えれば、時間は過去から未来にただ進んでいくものなのかもしれない。でも、人の気持ちにとっては時間は行きつ戻りつ、らせん状にぐるぐる回って巡り巡って人の心に波風を起こし続けるもののようにいつも思っている。昔からずっとずっと知っているような気がする人がいる。どこかで会ったことがあるような気がする人がいる。ずっと前に一緒に暮らしていたような気がする人がいる。滅多にいないけど、そういう人がたまにいて、どうも切なくなってしまったりすることがある。この作品はそのへんのところを非常にうまく書いているので、永遠に褪せることのない魅力をこれからも放ち続けるだろう。この作品に対抗する作品を書ける人、というと、日本では北村薫ではないかと思うのである。
2005.09.19
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劇団「エルプロダクツ」が定期的に公演している新撰組シリーズ。何となく恒例行事のように毎年観に行っている。きっかけは劇団「てぃんか~べる」の役者さんが客演している、と聞いてみるようになったこと。「てぃんか~べる」は女性だけの劇団で、団員さんが皆さんほぼ私と同年代と見られること、昼間は会社員として働く女性の集団であることなどから公演があるたびに必ず観にいくようになった。そもそも私は、凛々しくて格好良い女性が大好きなのである。なので、そういう凛々しい女性たちが仕事の帰りに集まって剣を持ち、傷だらけになって立ち回りの稽古に励んでいる、と聞いただけで嬉しくなるし、応援したくなるのである。さて、今回の「水鏡」は、新撰組の最後を描いた作品だ。幕府のために働いてきた新撰組だったが、時代が変われば立場なんてころっと変わる。新しい世の中では戦の方法も剣から銃に変わった。銃の前では、剣は無力な長物にすぎない。同志が一人死に、二人死に、最後に残った芝居の中の土方歳三は、降伏よりも討ち死にを望み、敵陣に一人剣を持って切り込んで、銃に撃たれて死んでいった。舞台に横たわる歳三の上に降るのはお約束の紙吹雪。物事にはすべて終わりがあって、時代の流れには乗れる人と乗れない人がいる。今の私の周りの状況とミクロ的にもマクロ的にも相似形のこの芝居、格好良いお姉さんたちが演じる新撰組を観ながら、自分の将来についてしみじみと考えてしまった私なのでした。
2005.09.18
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実は私、アニメと人形芝居が大好きだ。といっても、メルヘンチックなものではなく、シュールだったりとてつもなく美しかったり醜かったりおどろおどろしかったり、そういう類のもの限定だけど。今回アマゾンからおとりよせしたのは、フランスのアニメ作家、ジャン=フランソワ・ラギオニの短編集で、7つの作品が収められたこのDVDはさながら宝の山のよう。あるときはアンリ・ルソーだったりポール・デルボーだったりアンソールだったりシャガールだったりムンクだったりマチスだったり、場面によってそれらの巨匠の絵の断片を見ているような錯覚に陥る七色の幻想世界に目がくらむ(しりあがり寿の名作「やじきた」を彷彿させるシーンまであるのにはビックリ!!)。人間の抱える闇の深さとか、愚かさゆえに愛しい私たちの姿、みたいなものがつらつらと目の前に流れてきます。うっとりしちゃいます。こういうの大好きです。そして、こういうアニメを見た後には、ついつい最後の締めに必ず観ては号泣するのがマイケル・デュドクウィットの岸辺のふたり。ほんの数分の作品なのですが、これはもう、傑作中の傑作なので、何回見ても絶対泣いてしまう。今日もまた寝る前に観ちゃうかも。。。
2005.09.11
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週半ばにして職場で奈落の底に突き落とされた私。幸い金曜日は有給を取っていたので、気分転換に美術館のはしごをすることにした。行ったのは埼玉県立美術館と国立西洋美術館の2つで、前者では300%スパニッシュデザインと題したスペインの家具やポスターやファッションの展示展を開催中。スペイン好きの私としては是非見ておきたい企画だ。埼玉県近代美術館は京浜東北線北浦駅徒歩3分。横浜からはかなり遠いイメージだが、京浜東北線に乗れば1本なのでさほど苦にはならない。中に入ると、所狭しと並べられた椅子、照明、ポスターの数々。ドイツが直線的でスタイリッシュなイメージなら、こちらは自由自在な曲線とビビッドな色彩のイメージ。スペインものは国旗自体も黄色と赤だし、常に野暮ったさと背中合わせの緊張感があって、そのへんが私を刺激するようだ。ポスターはミロ系多しだが、その中に1枚、アルモドバル映画「ハイヒール」のポスターも混ざっていて、ついにんまりしてしまう私。圧巻だったのは、ファッションの部で、そこにはスペイン文化に触発された世界一流のデザイナーたち(ラクロワ、サンローラン、ディオールなど)が作ったゴージャスなドレスが立ち並ぶ。その隣の部屋では、スペインテイスト満載のファッションショーが横長のスクリーンで延延と上映されていて、またしてもアルモドバル映画のさわりの部分を観ているような錯覚に陥り、またまたにんまりしてしまう。やっぱり好きだなぁ、スペイン。図録も是非欲しいところだったが、約5000円だったので迷った末遠慮してしまった。さて、埼玉を後にして、次は上野の西洋美術館である。こちらも京浜東北線で1本、37分ほどの旅である。西洋美術館ではドレスデン国立美術館展が開催中で、ここからは野毛の某お店のママと合流、まず腹ごしらえから始めよう、と2人で美術館内のレストランでドイツワインとソーセージなどを頂いてから鑑賞開始とする。ドレスデンはザクセン公国の首都として17~18世紀に最盛期を迎え、トルコ、イタリア、フランスをはじめとしたヨーロッパ世界と、中国、日本といったアジア世界を結ぶ文化の交流地だったという。その流れを汲んでドレスデン国立美術館展では文化と文化の出会いが楽しめる展示となっている。当時ヨーロッパの貴族の間で人気を博した日本の伊万里焼きを模倣したマイセンの食器や花瓶が特に興味深い。異文化が交流して発展していく様子を見るのはなかなか感動的だ。ここの美術館は、建物と周りの景色自体が1つの完成された作品世界を作っているので、毎回行くだけで気持ちが軽くなる。特に5月の青葉の季節には、周りの木々がそれはそれは美しく、緑色に風にそよぎ、まるで自分までもが絵画の一部になってしまったような不思議な感覚に包まれる。年に数度は来たい場所の1つだ。ドイツとスペイン、今の私が一番好きな国々の美術展を観て、少しは気持ちも上向きになってきたので、夜はそのまま野毛でいつもようにまったり過ごした。今年は日本におけるドイツ年。様々な企画が全国的に開催されているが、今月は21~24日まで日比谷公園でドイツフェスティバルも開かれるそうなので、ドイツビールが飲みたい人にはオススメかも。
2005.09.09
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料理と爆睡で1日終わってしまった(泣)台風の影響で、横浜・川崎に大雨洪水警報が発動!明日は会社に行けるのか?もし行けたらこの本を買わなくちゃ。「ルービン回顧録」ご存知アメリカの前財務長官ルービン氏の回顧録。日経新聞のブックレビューによると、かなりおもしろそう。アメリカの国益にとって何が重要か、というアメリカ自国中心主義を赤裸々に堂々と書いた本だとか。もともと私は良い悪いは別として、エネルギーレベルが抜群に高い人の自伝みたいな本が大好き。一部翻訳に難あり、との噂もあり。「ハードワーク」「鉄の女」サッチャーは、ジリ貧のイギリス経済を立て直すため、民営化路線を進めた。その結果もたらされたものは貧富の拡大だった。アメリカのハリケーン映像は、自然災害の恐ろしさを物語ると同時に、貧富の差が拡大するアメリカ社会の負の断面を見せつけられた思いがした。ガーディアン紙のコラムニストが自ら政府の定める最低賃金で本当に生きていけるのかを実践し、体験をまとめたのが本書である。日本の将来を考える上で参考になる本なのではないかと思う。アマゾンで検索すると在庫切れだとか。とりあえずお取り寄せになりそうだ。
2005.09.04
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今日は午後から母親と横浜そごうまでお散歩。先日MAX MARAで一目ぼれしたピンクのジャケット、ちょっと小さかったので1サイズ大きいものを取り寄せてもらっていた。で、それを取りにまず4階のお店へ行くと、店内はすっかり冬模様。なかなかよさげなお洋服がたっくさん。でも、みんなお高くて買えません(泣) 今回のジャケットも約80000円ですもの。10年は着なきゃ。それからリニューアルオープンした10階の食堂街を探検。母はCHIBOUのお好み焼きが食べたかったのに、大人気のためその日も8時まではあきません、とのこと。それでは、と自然食レストランで野菜定食1080円を頂く。お味はまぁまぁ美味しかったけど、店員のサービスレベル低し。素人のお子ちゃまアルバイト軍団だけじゃ、まずいでしょ~、マネージャーにはしっかりしたおばちゃんでも配置しないと、たぶんこの店、ジリ貧ですよ。事実、あまりにも来るのが遅くてイライラ状態のお客様多し、でしたもの。食事後は母と別れて私は野毛へ。軽井沢帰りの友人から美味しいレバーパテ、サラミなどを頂き喜んでいたら、上海帰りの友人からは高級紹興酒を頂き、いつものお店に移動して深夜まで宴会。こちらのお店では、10月に開店5周年記念パーティーを開くとのことで、どんな衣装を着るかで一同大いに盛り上がる。どうも皆さん、かなり気張った衣装でいらっしゃるようなので、それに対抗すべく、私はベリーダンス風またはセーラー服またはナースまたはロリータのどれかにしちゃおうっと!!と妄想がどんどん広がる。全身フリフリのピンクハウス、一度着てみたかったしな♪ その格好で公道をパレードするので、大助花子にならないよう気をつけなくっちゃ!(爆)しかし、最近の私、やりたい放題ですな。放し飼いもここまでくると野犬化するっていうか、狂犬病の予防注射でも受けたほうがいいのかも。。
2005.09.03
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ここのところ少し仕事が落ち着いているので、皆で交代で2~3日ずつ夏休みをとることにした。そういうわけで、今日はお休み。のんびりの3連休である。来週の金曜日も有給。今月は祝日も多いし、なんかウレシイ。今日は朝から読書日和。斉藤美奈子氏の「誤読日記」を読み始めたら止まらなくなってしまった。CNNでは1日中ハリケーンのニュースをやっていて、私はその画像と交代で誤読日記を読み浸る、静かな金曜の昼下がり。今回のこの本は、筆者が「アエラ」と「週間朝日」に連載していたコラムを編集したもので、延べ175冊に及ぶ本のレビューを一気に読むのはある意味とても贅沢。それにしても、本のセレクションがえぐい。たぶんお金を出してまで絶対買わないだろうなぁ、というものが8割くらい並ぶので妙なお得感?も感じるし。ああ、それにしても、世の中ってくだらない本が多いんだなぁ、と思う。そういう「とんでも系」にこんなスバラシイコメントを寄せる美奈子氏は偉大な人であることよ。175冊のうち、私が興味をひかれたのは加賀まり子の「とんがって本気」、ノック事件の被害者による「知事のセクハラ 私の闘い」、魚住昭「野中広務 差別と権力」あたりか。特に、加賀まり子のコメント「コンサバな生き方はバカを作ると思ってた(今も思ってる)」っていうのにぐっと来てしまった。夕方までに読了した私は、ハマの姉さんと夕飯を食べる約束をしていたので一路野毛へ。そしたら思いがけず色んな人がやってきて、結局午前3時までの大宴会に突入。都橋の「はる美」もお客様2回転の大賑わいで売上もかなり上々だったらしい。実にめでたい充実の金曜日!
2005.09.02
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恋愛小説は好きだけど、内容を吟味しないと損した気分になるので細心の注意が必要だ。イイ年をした男女が仕事もそっちのけでただぐずぐずしてるだけのような話にはどうしても乗れないし、おやぢの妄想だけのうすっぺらい話もただただ気持ち悪いだけだし。そんな本が多い中、この小説はレベルが高い。さすが、山田詠美。年をとって一段と磨きがかかった筆力に圧倒されっぱなし。この人は五感をフルに駆使した言葉使いの人なので、体の底から湧き出る言葉の数々が頼もしくて、読者に生きる安心感のようなものを与えるような気がする。特に今回のこの小説は肉体労働者を主人公に据えているので、今までの小説より一層その傾向が強いかも。日中汗をかいて仕事をする恋人の体を思い、食事を作り続ける彼女の話とか、とにかく人間がしっかり食べてしっかり働いてしっかり恋愛をする話が続くこの本の表紙は栄養たっぷり?のミルクキャラメル風。「蝶々の纏足」「ひざまずいて足をお舐め」に並ぶ私のお気に入り作品となった。
2005.09.01
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昼休み、いつもの本屋でぶらぶらしていたら、おお!!な~んとっ!グレイス・ペイリーの新作が出てるじゃありませんかっ!!!まさかこんなところで遭遇するとはね、もちろん買いますよ、即決!グレイス・ペイリーは、アメリカ人女性で御年83歳。超寡作なので、長い人生で3冊の短編集しか出してない。何でも、社会活動とかに忙しいそうで。その貴重な3冊のうち、数年前に「最後の瞬間のすごく大きな変化」を偶然読んでからはまった。なんというか、不思議な余韻を残す文章を書く人なのである。1つ1つのテーマはどうってことない日常の話だったりするのだけれど、対象と自分の距離感とか、作中人物の突き放し方とか、優しいんだか意地悪なんだかよくわからないあたりが私のような者にはしっくりくるみたいで。たぶん、この人の本が、うちの会社の1階にあるような、どうってことない小さな本屋でも目立つ所にディスプレイされる理由の1つには、翻訳してるのが村上春樹だから、っていうのがあるだろう。春樹さんも、すっかりこのおばあさんにはまったみたいで、彼女の作品は全部(と言っても後は1冊を残すのみだけど)僕が訳したい、と宣言しているほどだ。本当は英語で読みたいんだけど、アメリカ人でも難儀するような非常に癖の強い英語を書く人なんだそうで、それであきらめた。春樹さんの翻訳なら信頼できるし。ついでにこれまた1冊読むと癖になる人の本を買ってしまった。斉藤美奈子の「誤読日記」。この秋のお楽しみがまた1つ。。
2005.08.31
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太平洋戦争の総括なくして、どうして平和が語れるのだろうか?と書かれた帯に引かれて何となく買ってしまった。読んでみて、切なさだけが残った。筆者は、あの戦争の始まりは2・26事件にあるという。あのときのテロに対する「暴力に対する恐怖心」が日本国民全体を麻痺させ戦争に導いてしまったのではないか、と。そして、それはやがて軍部の暴走を許し、戦術はあっても戦略のない軍部が日本を破滅に追いやっていく過程を語る。場当たり的な戦術でアジア各地に兵隊を送り続ける軍部。何もかも日本に勝るアメリカ軍は、日本軍の手のうちはすべて見通していたため、行く先々で日本の兵士は殺されていく。捕虜になるなら自ら死を選べ、と教え込まれた兵士たちは、たとえ生き残っても自ら命を絶って異国の塵となる。追い詰められた軍部はそういう兵士のみならず、やがては非戦闘民をも見捨て、この国を破局に導いていく。その中で、一刻も早く戦争を終わらせたいと苦悩する昭和天皇の孤独も胸をつく。歴史の流れの中で、この戦争は必然だったのかもしれない、と言うが、これだけの惨事の責任は未だ明確ではなく、場当たり的な政府が相変わらずこの国を今も支配しているだけのような気がしてしまう。奇しくもかつての敵国アメリカでは、イラク戦争で息子を亡くした母親が今もテキサスの牧場で座り込みを続けているという。「私の息子は何のために死んだのでしょうか?」という問いの答えが「崇高なる大儀のため」である限り、この世界は永遠に変わらないのだな、と思ってしまった。
2005.08.29
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高校時代の同級生と恒例の年に一度のランチに行った。本日は汐留に7月にオープンしたばかりのヒルトングループでも最高級ホテルといわれるコンラッドホテル」28階のチャイニーズレストランにてランチコースを頂く。メニューをあけると、ランチコースの最低プライスは4500円。皆さん、どれでもいいわよぉ、どれにするぅ?とにこにこしていたので、すかさず「4500円のにしよう!」と思わず言ってしまう私はやっぱり貧乏性(泣)。私が通っていた高校は私立の女子校で、かわいくてほんわかした素直なお嬢様が多かった。当時仲良しグループだった5人も例外ではなく、いくつになってもきれいで若々しく、宮沢りえ似のE嬢、片平なぎさ似のH嬢、石野真子似のT嬢などに囲まれて、一人おやぢの私は浮いてるのに何となく嬉しい。皆さん、現在の基本形は田園都市線沿線のリッチなコマダム専業主婦で、イメージ的には三浦りさ子グループ。子供を産んでも年をとっても益々やせて美しくなるのはなぜ???と会うたびに思う。だって、私のキャリアウーマングループの独身友達は、ほとんどみんな若いころよりふっくらしているし、おやぢ入ってるし。。昔は専業主婦っていうと、パンチパーマでぶよぶよ太り…のイメージだったけど、今は専業主婦の方が美しい人が多いかも~。やっぱり、お金の力でしょうか。自分で稼がなくても良くて、お金と時間があるっていうのは容姿も変えるよなぁ~。今日も愛車のBMWで颯爽とご登場のK嬢は、都内高層マンションの最上階に住み、大好きな車で休みの日にちょこっと出かけるのは丸の内のアルマーニ(洋服はほとんどアルマーニ)、洗濯物はホテルオークラのクリーニングショップだそうだし、皆さんの話を聞いているとものすごく優雅でございます。そんな皆様の今日の話題は子供の教育について。やはりいまどきちっとリッチな方々は、子供を公立になんて通わせない。皆さんのお子ちゃまも見事全員有名私立に通っていらっしゃいます。「○○ちゃんちのYちゃんもKOなのよぉ」「○○ちゃんのおうちはA学院ですって~」なんて話で盛り上がる。なんか、普段いない世界の話なので、すごく新鮮でおもしろい。毎日聞いてたら発狂しそうだけど、でも私にも子供がいたら絶対有名私立を受験させるだろう、とそれはそう思う。また来年も会おうね。元気でね。妖ちゃんは頑張って仕事してねっ!ときれいなマダムたちに励まされ家路につく道すがら、何か思うところがあったのか?横浜そごうのMAX MARAで8万円のジャケットを衝動買いしてしまった私。電車の中では「やっぱりあと5キロは痩せねばなぁ」と真剣に思いながらも、家に着くとまたワインをあけてしまったのでした(泣)
2005.08.28
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やっぱり、一番好きな人の本を読んでいるときが一番幸せだ。8月の土曜の昼さがり、窓を開けて扇風機をつけて、外では蝉ががんがん鳴いていて、そして私はソファーに寝転んで治ちゃんの本を読む。こういう時間があるから日々の苦役も消化できるわけで。橋本治のエッセイが魅力的なのは、彼があくまでも自分の中から生まれた言葉だけを信じて物事を見つめていることだろう。そして、彼がそれをつきつめていき、それによってより大きな世界に自分をつなげていく過程をこれでもか、これでもか、と私たちにみせつけてくれることだ。20代の頃の私は、今ほど穏やかな気持ちを持っていなくて、色々と迷うことばかりだった。そんな私が彼から学んだことは「自分の頭で考えること。わからなくても考え続けること」だった。この年になって、人生で一番大切なことを彼から学んだのかもしれないな、としみじみ思ったりする今日此の頃の私なのであります。
2005.08.27
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知り合いの女性が主催する女性だけのパーティーに呼ばれて行ってきた。台風のこともあり、ぎりぎりまで迷っていたのだけれど、上陸は25日深夜とのことなので、いつもより早めに帰れば大丈夫そうだし。会場は青山ベルコモンズ近くのカルフォルニアフレンチレストラン「キュイッジーヌ219」」というお店。オーナーは2~3年前にOLから転身したという30代の女性で、緑を基調にした内装もお値段もカジュアルでお手ごろな感じ。ここならふらっと気楽に来られそうです。この日はスペシャルイベントとして日本でただ一人、本場おフランスから認定されたという筆跡診断士、マダム忍田」のレクチャーつき。何でも、おフランスでは就職の際、たいていの企業ではレジュメに書かれた筆跡でキャンディデイトの性格を判断するのだとか。「筆跡には、あなたの全てが出ます!」と断言され、一同「おおおおっ!!」とびびりまくり。で、こういう字を書く人はだらしがないんですよ、気をつけましょうね~、と言われた筆頭が某大国の前大統領。何でも、彼の書くBという文字の下の部分がくっついてなくて離れているのがいけないのだそう。漢字でもアルファベットでも、上はあけても下はくっつけるのが開運の鍵。その心は、あいた上からお金が入り、閉まった下からはもう出て行かない、ということだそうで。なるほど~、それで金運がよくなるなら、私も今日から「口」という字を書くときは、上をちょっと離して下はしっかりつけることにしようっと。マダム忍田は想像と違って、和風な方でした。野毛の某場末で筆跡鑑定とかしたらおもしろいかも~、と思い立った私、9月の1日体験講座に申し込もうかとまじで考え中です(爆)同じテーブルに座った女性たちと名刺交換してたら、なんと横浜在住、在勤の方を発見。さっそく我ハマの女性クラブに入会の運びとなりました。行く先々で地道にリクルート活動も怠りません(笑)。歓談後は、台風が怖いので速やかに撤収。もっと時間があれば8種類もあったワインを全部テイスティングしたかったのに、と~っても残念な夜でした。
2005.08.26
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今週末、また一人やめる人がいるので、会社の若手社員たちとホテルオークラでフェアウェルランチに行った。本館11階の「スターライト」は見晴らしの良い中華レストラン。くつろげる上、なかなかお値打ちなランチセットがあると言う男子社員のイチオシは「きまぐれランチ」。春巻き、蝦シュウマイなど点心4種類とおかゆと汁そばとデザートつきで1890円也。おかゆと汁そばは具を指定できて、しかもおかわり自由。デザートは杏仁豆腐、ココナッツミルク、アイスクリーム、胡麻団子の中から好きなものを1つ選ぶ。私と女子社員はおかゆも汁そばもハーフサイズにしてもらってちょうど良い感じ。サービス料込みで確か2,060円なので、時間に余裕があってちょっとだけ贅沢したい気分のときはオススメです。ところで、ホテルホークラの隣にはただいま億ション(?)が建設中。こういうところに住むのって、どうなんでしょう。
2005.08.25
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会社のゴージャス系マダムからディナーのお誘いメールを受信。どこか良いお店知らない?と言うので、知り合いが経営する九州料理のお店「いちにち一膳」@赤坂見付をご紹介することにした。マダムはワインアドバイザーの資格も持ちとってもグルメな方なので、下手なところは紹介できませんが、このお店は非常に美味しいジャパニーズなので、マダムの長年のお友達の香港チャイニーズのマダムも誘って3人でタクシーに乗り込んだ。お店に入りカウンター席に座ると、食材やら板さんの手元やらがカウンター越しにとてもよく見えるので、外国の方には喜ばれる。この日も大きな殻付牡蠣やら真っ赤なトマトやら自家製梅干が入ったビンやらが所狭しと立ち並び、あれは何?これは何?と香港マダムは大喜び。さて、飲み物はまず麦焼酎にお手製梅干を入れてもらいぐいっと飲む。あら、これ、すごく美味しいわぁ~、とまたまたマダムは大喜び。そして、今日のオススメ、スズキの刺身とサバの味噌ダレまぶし、ゴーヤ炒め、よせ豆腐のゴマだれかけ、地鶏の炭火焼、水菜と豚肉のサラダを順々に頂き、最後は自家製名物明太子で焼酎を飲み干しお開きに。その間、女3人大いに論議はエキサイト、中国でも有名な?某知事やら変人首相やらしんきろうの問題発言はしっかり彼女の頭の中にもインプットされているらしい。日中問題で激しく盛り上がった夏の夜。女同士はやっぱり楽しい♪
2005.08.24
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友人から招待券をもらったので、午後からぶらりと横浜西口相鉄ムービルにて「亡国のイージス」を観る。なかなかおもしろかったです。高校のとき、国語の授業で寺山修二のある歌を習ったのが強烈な思い出で、今でも国とか国家について考えると必ず心に浮かぶのですが、それは マッチ擦る束の間海に霧深し 身捨つるほどの祖国はありやという作品です。最近の世相のせいで、国家というものについては色々思うこと多しなのですが、結局最後に辿りつくのはなぜかこの歌になってしまいます。そのせいか、この映画でも真田広之が「国のために死ぬな、国のために生きるんだ!」と叫ぶシーンに一番感動しました。俳優陣では、真田広之のかっこよさにびっくり。この人、もう少し背が高ければ完璧なのに。あと、若手では勝地涼がものすごく良い。若手でこんなすごい人がいたなんて大発見です。あと、吉田栄作がかっこいい。この人、デビューしたときはただの勘違い系だと思ってたけど、思いのほか良い俳優になっていてちょっと感動。まぁ、それにしても、常々思うけど男のロマンは皆の迷惑。諸悪の根源かもな(爆)
2005.08.21
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今日は恒例の野毛は「波の上」にて「女飲ん兵衛の日」。野毛の沖縄料理店「波の上」では、毎月第3土曜日の6時から10時までを女飲ん兵衛の日として、女性だけで泡盛飲み放題を楽しみます。今日は、私が所属するハマのあねさんクラブのメンバーとその関係者8名でテーブル席を占拠、泡盛漬けパーティーでございます。飛び入りで唯一男性として参加したのは、大道芸大会でもお馴染みのフランス人手品師のおじさま。「ぼんそわぁ、まだぁ~むぅ」の甘い声と共に始まったマジックショーは、大判振る舞いの楽しい芸のオンパレードで、こんなに楽しんでこのお値段でホントにいいのかしらん、さすが野毛だ~、と一同大満足でございました。終焉後は都橋に移動して「はる美」でもうひとふんばり。料理の達人H氏持参のお手製ビーフジャーキーに舌鼓を打ちながら時計の針が12時をまわるころには、60度の泡盛が脳を直撃、睡魔に襲われ大人しく帰宅となりました。皆さんはこのあと、当然あちらのお店に移動していきました。行きたかったんだけど、泡盛の威力、恐るべし。。
2005.08.20
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人手不足激しき折、今日は遂に隣席の女子社員が退職届けを提出。新規採用がまったく追いつかないので、夏休みどころではありません。そんな中、地元友人からディナーのご招待を頂き、即効で7時に会社を出て向かうは京浜急行線沿線の某所。横浜らしく坂道険しき丘の上に立つマンションから見える景色は海色にたそがれ、そこから吹く風のおかげで冷房要らず。まったくもって横浜はすばらしい~♪友人手作りの料理を囲み、やはり地元のRさん、Nさんと友人の旦那さまも加わり楽しい大人の宴。未来の地元ビジネス展開の案を練りながら、夏の1日はゆったりと暮れていくのでありました。
2005.08.17
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最近、ぜ~んぜん本を読んでいない。こんなに余裕がない生活もはじめてかも。仕事一筋の夏を過ごす私でございます。こういう生活になると、本を読むより買うことで気持ちを満たす系に走り勝ちになり、そして、読まない本は益々増え、遂に先日の地震では、積みっぱなしの本が雪崩を打って私の部屋は混沌の海となり果てたのでした(母は本棚を買え!と怒っている)。そんな惨事に懲りない私は、今日もアマゾンで注文してしまいました。本日のお題は「ロマンス」でございます。朝刊を読んでいたら、あの豊崎由実さんが恋愛ロマンス系の本を何冊か紹介していて、最近豊崎さんという人にも興味があったので、彼女が紹介する本を全部注文してしまいました。ああ、次に来る地震が恐ろしい。。。海市(福永武彦)、ある日どこかで(リチャード・マシスン)、贖罪(イアン・マキューアン)、本格小説 上・下巻(水村美苗) どれもこれも、豊崎さんが泣きながら?読んだというロマンス本でございます(豊崎さんのお顔、初めて拝見しました。小野ヨーコに似ている…)。こう見えてロマンチストで恋愛至上主義(愛さえあれば、それ以外のことはどうでも良いのです、ほほほ)の私にはピッタリのラインアップといえましょう。冬までには何とか読み終えたいものでございます。
2005.08.14
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元同僚と今の同僚と私と3人で久しぶりに集うことに。場所は、元同僚のM嬢オススメの麻布のお店であります。都会のお店らしく、お洒落なインテリアで飾られたお部屋で、上品に盛り付けられたお料理をつつきながら、「あの人は今」シリーズに花が咲きます。この業界では、たぶん一人一生涯に平均4社くらいは転職するので、順番に狭い世界をぐるぐる回っている感じ。気がつくと「あの人知ってる?」「知ってるよ~、前の会社で一緒だったもん。今、○○にいるんだ~」みたいな全員知合い状態になるわけです。しかし、この年になると、さんざんそんな話をした最後の締めはいつでも「でも、結局どこの会社に行っても同じなのよね~」で終わり。そう、私ももう自分から転職はしないでしょう。この業界はここで最後にするつもり。後は、クビになってからどうするか考えようと思っています。年を取るとはそういうことなのだなぁ、とまたしても全員でしみじみしたり。。ああ、それにしても、最近は横浜にどっぷり浸かっているせいか、たまに都会のこじゃれたお店に来ると、どうしても野毛と比べてしまう癖が…。中途半端なお店に行くくらいなら、野毛のお店を探検したほうがよっぽど楽しいなぁ~、と激しく思うわけなので、お付き合い以外では東京では友人のお店とか、よっぽどめずらしい料理を出すお店とか、よっぽど美味しいとか、そういう所しか行きません。横浜にも仕事があればいいのになぁ(ため息)
2005.08.10
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昨日の韓国に引き続き、今日は六本木ヒルズ近くの「イラン料理店」。中に入ると、ここでも1番乗りか!?1000円でバイキング食べ放題、というのはコストパフォーマンス的にもすぐれもの。お料理は煮込み系多し、肉はラムとチキン、野菜は普通のサラダ、意外にもヨーグルトがなかったのはちょっとがっかり?中東のイメージといえば、なぜかヨーグルトだったわたくし。しかし、ワイルドライスを白くしたようなご飯がとっても気に入りました。これに、じゃがいもと人参とチキンのシチューみたいなのをかけて食べると、とても美味でございます。客層は、中東系を中心とした外人さま。因みに、この店の隣にあるイタリアン「クローツエ・イ・デリーチィア」もおすすめです。2ラウンド行ってすっかり満腹になったわたくし。帰りは面倒臭かったのでタクシーに乗ってしまったら、この日のヒルズ周辺はなぜか機動隊が大量に立ち並び激しい交通渋滞(泣)一説には、北方領土の日、という人もおり、そっち系のお車が確かににぎやかに行進していたので、そのせい?それとも、どこかのVIPがヒルズに!?それはともかく、平日のランチにちょっとだけ遠出をするっていうのはいいものでございますね~、8月は暑いけど♪
2005.08.09
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会社の同僚が連れて行ってくれたこの界隈では超人気の「韓国料理店」。早く行かないと入れないので、11時20分に会社を出て、女子6名で暑い中小走りに駆けつけると、やった~、1番乗りだ!テーブルの上に置かれた食べ放題のキムチとカクテキだけでもご飯をぱくぱく食べてしまいそう。カクテキは超美味!そして、この日、私が食べたのはジャガイモと鶏肉を唐辛子スープで煮たもの。これは、数年前、ソウルに行ったときに南大門市場の食堂で食べて異常に興奮した食べ物。懐かしいので思わずパクパク。やっぱり本場のほうがおいしかったけど、でも、ここのランチはおすすめです。他には、参鶏湯とか色々あります。週に1度は行きたいお店です。
2005.08.08
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新宿でWe Will Rock Youの観劇後、湘南新宿ラインに乗って野毛に移動。夜の部では、大学時代の同級生たち4人と野毛探検をすることになっているのでした。新宿から一緒に移動したM嬢は、卒業後偶然同じ会社に勤めていたこともあり、以来しょっちゅう会っている間柄。Gさんとは、卒業後偶然再会して会うようになり、Gさんが連れてきたEさん(一時帰国中)に至っては、卒業後20年振りの懐かしの再会でした(Eさんは、なんとアメリカで大学の先生になっていました)。女子4人はまず野毛の焼き鳥屋に入り、すごい勢いで食べまくり。昔話で夢中になりながらも一人20本は食べたか?!その後は、都橋「はる美」に移動、他のお客様たちと歓談を楽しみ、そのままいつものお店にみんなでまた移動。そこは最近私が毎週末通っているお店で、非常にくつろげる究極の癒し?のお店です。連れていかれた女性は大抵はまるのですが、その日もみなさま見事にはまった様子で、G嬢に至っては朝までのフルコースとなった模様(私は眠くなって2時過ぎに退散したのでした)。昔の同級生たちと久しぶりに会って、その後の人生などを語り合うのは非常に感慨深いものがあるものですが、特に社会人になってから仲良くなるパターンって、すごくいいかも、と妙に幸せな気分に浸った1日なのでありました。
2005.08.07
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いよいよ今日はWE WILL ROCK YOUの日♪ 女子6名で繰り出した新宿コマ劇場、前回「マツケンサンバ」で行ったときとは面持をがらっと変え、見事ROCK MUSICAL仕様になっていたのにまずびっくり。そして、会場を埋め尽くす観衆のテンションの高さにもびっくり。どうやらリピーターが多いらしいです。1時半にショーが始まると、のっけからKiller Queenが流れ、ああぁぁぁぁ!!と声にならない声が漏れそうになる。これは、中学のとき、学芸会で男の子たちが演奏した曲です。頭の中は、中学時代に一瞬にしてトリップ!その後はお芝居が延々と続きまして、QUEENの曲は小出し状態。お芝居は正直言ってつまらないのに長すぎです。休憩挟んで3時間の長丁場なのですが、2時間くらいに短縮してその分濃度をあげてほしかった。。。もっとも、最期の30分のために、この長丁場はあるのですけど、ちょっとためすぎ。でも、そのかわり最期の30分はもう涙ものの圧巻でした。主人公の男の子の歌がものすごーく上手で、アカペラでWe Will Rock Youを歌いだした瞬間から鳥肌立ちまくり。We Will Rock You → 伝説のチャンピオン→ボヘミアンラプソディー、そしてアンコールは I Was Born To Love You。このへんはもう会場全員総立ちで、私の目もウルウル状態。歓喜と興奮の渦のまま、幕は降りたのでした。ある時代に寄り添っていた歌っていうのは、歳月を経ると歌以上のものになって人の血肉になっているのですねぇ。昨日はそんな血となり肉となり自分の一部になって眠っていたものが熱くよみがえり、昇天の1日でした。行ってよかった(しみじみ)。。。
2005.08.05
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仕事がどんどん増えるのは、たぶん良いことである。でも、休みがとれないのはちと辛いので、部署の人たちと話し合いをして、比較的静かな8月の第1週目にとりあえず1日だけでもなんとか交代で夏休みをとろう、ということになった。私のお休みは4日の木曜日、ということになったので、今日は久しぶりに「一人飲ん兵衛ラリー」をしよう!と意気込んだものの、会社を出たのが8時半で、これから野毛に行くと10時になってしまう。疲れてるし、そこまでの気力はないし、でも電車に乗る前にワイン1杯くらいは飲みたいし…ということで、今日は東京駅地下「プロント」でお一人様をすることに決定。知ってるお店に行けば、話し相手が必ずいるので楽しいのだけれど、たまに誰も知らない所で、誰からも話しかけられず一人で静かに休みたい気分になることがある。今日はそういう日なので、知らない人々に囲まれながら、グラスワイン片手に橋本治の本を読み始める。私は、この人の本が何よりも好きだ。言わば私にとっての精神安定剤というか、こんなにまっとうな人を他に知らない。その日も、ページをくくりながら昇天しそうな安らかな気持ちになる。この人がいるから自分も生きていける、そう思える人がいるのはとっても幸せなことだ、としみじみしながら帰途についた。
2005.08.03
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