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次から次へとやってくる課題と対峙していてこのところブログの更新が滞ってしまった。夜中の1時か2時まで課題に取り組み翌朝の授業に備える日々が秋学期になってから続いている。ゴールが見えているだけに今が正念場なのだろう。僅かに光るトンネルの先を目指して今は歩みを続けるしかなさそうだ。そういえば先日子どもが通っている学校から以下のようなメールが届いた。——————————Good afternoon!Please save the date for our school picture days:XXXXXXXXXXXXXXX Dress in your Sunday’s best and bring on those smiles——————————集合写真の案内で最後の一文がふと目に留まった。Sunday's bestをネットで調べてみると以下の定義が見つかった。one's best clothing worn to church or on special occasions出典:Merriam-Webster Online Dictionaryなるほど、写真を撮影するからしっかりした服装でその日は来て欲しいという依頼のメールのようだ。フォーマルな装いのことを英語圏ではSunday’s bestと呼ぶらしい。なかなか日本にいると聞きなれない表現だが、こちらでは上記のような文脈で日常的に使われているようだ。次回の更新がいつになるかわからないが、細々と日々の生活の記録を残していきたい。きたろう
2024.10.22
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自己紹介のことをself-introductionと言う。以下の例で挙げたとおり、人物紹介の際は通常introduceを用いる。Let me introduce myself.I would like to introduce you to my team.I would like to start my presentation with my brief self-introduction.先日アジア食品を取り扱っているオンラインマーケットWeeeで食品を発注したところ、ダンボールにこのような一文を発見した。Refer friends, earn rewards日本語訳は「友達を紹介して特典ゲット」になろうか。所謂「お友達紹介プログラム」のようなものだろうか。友人を紹介することで紹介した側、された側双方に特典が付くサービスのようだ。他人に何か有益な情報をお勧めする際の紹介はどうやらintroduceではなくreferを用いなければならないようだ。ちなみに就職活動で仕事を紹介してもらう際や病院で紹介状を書いてもらう際にもreferやreferの名詞形であるreferralという単語をよく目にする。初対面で人物紹介をする際はintroduce、紹介することで双方に利害関係が生まれる可能性がある場合や何か物事が大きく進展する可能性がある場合はreferを用いるとよさそうだ。「紹介」といっても様々な紹介の方法があり、その内容によっても使われる動詞は異なる。微妙な言語間の差異に気をつけたいところだ。それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.08.07
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下の子どもはここ最近度重なる災難に見舞われている。少し前にソファーの上から落ちて頭を強く打つ事故があった。翌週には地面に落ちていた紙の上に足を乗せてそのまま滑ってしまい口内を切る怪我をした。そして、先週には玄関の扉の隙間に左手の人指し指を挟んでしまい内出血を起こしてしまった。いずれも今のところ大事には至っていないが、高額な医療費がかかるアメリカでは一つ一つの怪我病気のたびに不安な気持ちに苛まれる。海外に住んでいると医療保険制度が整っている日本が羨ましく思えたりする。扉に指を挟んでしまった日に近くの小児科クリニック(Pediatrics)に電話してみることにした。勿論週末で病院は開いておらず診療してもらうためにはurgent careしか残されていない。時間外受付のナースが電話に出た。一通り事の顛末を話すと「一先ず外傷や出血がなければ冷たいお水で患部を冷やして。3日経過しても腫れが引かなかったら骨折の疑いがあるから病院に来るように」と的確なアドバイスをくれた。3日経って痛みは無くなったようだが、腫れが残っていたので念のため病院にいくことにした。”We are not in a position to judge whether our kid needs to be X-rayed or not. We need your advice.”と電話で伝えると、翌日の朝に予約を取ることができた。ドクターに子どもの手を見せると「確かに腫れていて内出血もまだ若干残っているけど、骨折だったらもっと腫れているし、こんな簡単に指を曲げることはできないはず。テープで固定してもう少し様子を見てみましょう。」と言われた。病院を出ると安堵のせいかどっと疲れが押し寄せてきた。当たり前だが息子の症状を伝えるのも英語だし、ドクターの説明も全て英語である。ドアの間に指を挟む、内出血を起こす、腫れが少しずつ引いてくるといった表現も日本語ではパッと出てくるが、自分の第二言語ではそうはいかない。ドクターの英語も集中を研ぎ澄ませて聴かないと子どもの怪我の状況は把握できない。英検やTOEICといったテストとはまた違う質のプレッシャーを味わった気がする。写真:診療室に貼ってあった掲示物診察室には上記のような張り紙が掲示されていた。We kindly ask that you take ALL soiled diapers with you! If you need a bag, please ask.気になった箇所はdiapersを修飾しているsoiledという表現である。どうやらこのsoiledで「使用済みの、しみなどが付着して汚れた」という意味があるようだ。排泄物の直接的な表現を避けて別の言い方をするのを婉曲(euphemism)という。きっとこのsoiledもeuphemismの一種であろう。因みに排泄物などによるシミはsoiled、コーヒーなどの飲み物のシミは通例spot(s)と言うことが多い。皮膚のシミはfreckleやspot(s)と言うのであわせて確認されたい。「汚れたおむつ」を”dirty diapers”と言ってしまいそうだが、頭の片隅にsoiledという選択肢も用意しておきたい。婉曲表現については以前にも扱っている。気になった方は過去の記事も参照されたい。(過去の記事はこちら)それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.07.17
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英語圏に暮らしていると面白いキャッチコピーをよく目にすることがある。どれもユーモアに溢れていて非常に秀逸だ。日々出くわす洒落た英語の広告からいくつか英語の表現を掘り下げてみたいと思う。写真1:バナナに貼られたラベル“It peels so good.”と書かれている。きっと”It feels so good.”をもじっているのだろう。もし「皮が剥きやすい」とするのであれば英語では”It peels well.”となるはずである。しかし、それではパンチ力(宣伝力)に欠けるため、fをpに換えて”It peels so good.”としているだろう。バナナが自ら”It p(f)eels so good!”と言っているようで面白い。写真2:アイス売り場にあった広告“Every day should be a SUNDAE(.) Why wait for the weekend???”Sundaeとは「サンデー<果物・ナッツなどをのせシロップをかけたアイスクリーム」と辞書には掲載されている。(ジーニアス英和辞典第6版、大修館書店)ここではアイスのSundaeと曜日のSundayをかけているのがお分かりだろう。非英語圏で暮らしてきた自分にとってはこのような広告一つ一つが非常に新鮮に思える。以前書いた洒落た英語の広告はこちらから。それでは良い1日を。きたろう
2024.07.12
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以前面白い動詞の使われ方と題して空港にあったポスターからpetの動詞形をご紹介した。(過去の記事はこちら)今回はTrader Joe’s(通称トレジョー)の店内の装飾画よりあまり英語学習者には馴染みがない動詞をご紹介したい。まずは以下の写真をご覧いただきたい。乳製品が並んでいる棚の上部に牛が描かれている。その牛の隣には吹き出しがあって“Our prices won’t milk you for all you’re worth!”と書かれている。牛が自分でmilkという動詞を使っているのがなんとも洒落ているポイントだ。このmilkには「乳を絞る」という意味以外にも「⦅略式⦆<人など>から〔金・情報などを〕しぼり取る〔of, for〕; 〔金・情報などを〕を〔人から〕まんまと引き出す〔from〕」(「ジーニアス英和辞典」大修館書店、第6版)という意味がある。ネットやコーパスで調べてみると”milk something for all it is worth”で「ありったけ〜から搾取する」という意味があるそうだ。つまりこの牛の主張は「私たちの牛乳の値段があなたを搾取することはない(我々の牛乳はお手頃価格である)」となりそうだ。なんといっても牛が動詞のmilkを使って牛乳(milk)の宣伝をしているのが面白い。このようなウィットの効いた洒落た英文がすんなり出てくるようになりたいものだ。今日も良い1日を。きたろう
2024.07.04
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Atlanta International Airportのイミグレで面白い案内掲示板があったのでこのブログでも紹介したい。写真:Atlanta International Airportにあった案内ポスターTSA K9 teams in use. Please do not pet dogs.K9は特別に訓練された警察犬のことを指す。K9をそのまま発音すると「ケーナイン」、つまりcanineという単語の同音語(homophone)となるのだ。犬科の動物の呼称であり、尖った犬歯を指すこともある。ドッグ(dog)と呼ぶよりも堅苦しく、犬歯という意味があることから推察できる通り、少し威圧感がある単語である。TSAというのはTransportation Security Administrationの略で米国運輸局を指している。運輸局の警察犬が近くにいるので触れないでほしいという通達である。私含め英語学習者は「犬を触れないでください」をそのまま英訳すると”Please do not touch dogs.”と訳出するのではないだろうか。しかし、案内文には”Please do not pet dogs.”と書かれている。実はpetは動詞としても使うことができて「愛撫する、(優しく)撫でる」という意味がある。定義から察するにtouchと比較してpetには愛着の念が込められているような気がする。上記の文脈でpetを用いることでただ触るという行為に限らず、餌を与えるなど犬を可愛がるような行為も禁止しているのではないだろうか。もしかしたら触れてはいないが、近づいて写真を撮る行為も警察犬の「業務」を妨害していると判断されれば係員に声をかけられてしまうかもしれない。この案内文のpetの動詞の使い方があまりに秀逸だったので思わず写真を撮ってしまった。せっかく写真を撮ったので読者にも共有した次第である。(手荷物チェックの前の長蛇の列の中で案内文を撮影しているアジア人はきっと私だけだった。きっと浮いていたに違いない。)次回アメリカの空港を訪れた際はこのような案内にも是非注意を払ってみてもらいたい。本日はK9とpetの動詞の用法について扱ってみた。それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.06.02
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2月28日に辞書にも掲載されていない意外な表現をご紹介した。(過去の記事はこちら)前回に続いて今日も英和学習辞典に掲載されていない意外な表現を紹介したい。このような表現を見つけるたびに英語は刻一刻と生きていて変化を遂げていることを実感するし、その変化を常に追いかけている研究者への畏敬の念が込み上げてくる。今回紹介したい表現はOBOというabbreviated word(短縮語)である。住んでいるアパートメントの掲示板を読んでいると以下のように使われていた。読者の皆様は意味が想像できるだろうか。I am selling a small dining room set (small table with 4 chairs) in great condition.Details: Standard height, antique gray finish, solid wood$150 or OBO値段の後にorと書かれているので価格の上下に影響を及ぼす表現のようだ。Collins Online Dictionaryによると以下の記載があった。In advertisements, obo is used after a price to indicate that the person who is selling something is willing to accept slightly less money than the sum they have mentioned. obo is a written abbreviation for `or best offer. 'URL:Collins Dictionary交渉次第では少し安くするという意思を表明する表現のようだ。ここで気になったのはOBOにorがすでに含まれている点だ。OBOを省略せずに表記すると $150 or or best offerとなってorが重なってしまうのだ。きっとここでは$150 OBOとするのが適切なのだろうが、OBOという表現が一つの単語として認識され、OBOの正しい表記を意識せずにOBOという表現が使われ始めているのだろう。上記のような現象はたまに日本語でも見られないだろうか。例えば「馬から落馬する」や「頭痛が痛い」といった重ね言葉は日本語でも見られる現象である。両言語における重ね言葉の変遷を調べていくと面白い研究の題材になりそうだ。続きを書くと長くなりそうなので今日はここで終えたいと思う。写真:アパートメントの掲示板それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.05.25
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大学院ではディスカッションボードといってオンライン上の掲示板に書き込めるスペースが存在する。各々500語程度の短いレポートを書き込んでそこにクラスメイトが後からコメントを残してくれる。アメリカの大学院では授業以外でも学びが広がるようにデザインされているような気がする。他人の英文も可視化されて大変勉強になるし、気になる点や疑問点があればコメントを書いて相手に質問することすらできる。クラスメイトの英文を読んでいて気になる表現があった。“The lessons are divided into bite-sized modules.“私が気になったのは文中にあるbite-sizedという表現だ。直訳すると「一口サイズに切り分けられた」という意味だが、どうやらもっと深い意味が隠れていそうだ。家に戻ってジーニアス英和辞典第6版を開いてみると「《略式》(小さく[短く]て)理解しやすい、扱いやすい」という意味があった。食べやすくて手頃な感覚を想像すればこの意味への転用も理解できる。どうやら理解のしやすさと消化の良さは相性が良いようだ。消化しやすいというdigestibleという単語にはbite-sized同様「要約しやすい、理解しやすい」という意味が含まれている。日本語でも「消化不良」というと理解しきれなかったことを指す場合がある。英語にもこれに似た表現が存在する。例えば、“There’s a lot to digest!”と言えば、内容が多すぎて消化するのが大変(理解しにくい)という意味になる。上記からお分かりの通り、言語は非常に柔軟性に富んでおりダイナミックだ。単語帳で英語をマスターしようとしてもなかなか思うようにはいかない。言語は常に進化をし続けているからだ。本日の写真:週末のコーヒーこの記事が皆さんにとってdigestibleであったなら嬉しい。それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.03.08
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春学期の中間地点に差し掛かり授業の内容も段々と専門性が高くなり、課題の質と量も増してきている気がする。起床→授業→アパートで夕食→再度大学に戻って勉強→アパートに戻って就寝というサイクルを繰り返している。夜9時過ぎに学部棟の個室で勉強していると友人が声をかけてくれた。彼は質的研究のインタビュー課題に追われているらしく遅くまでキャンパスに残っているのだという。お互い受講している授業や課題について10分くらい話した後にふと友人がこう言った。“It’s a part of the process.”つまり、これは人生の試練であり今後の人生を歩む上で突破しなければならない壁なのだと。直訳すると「手続きの一部」なのだが、文脈の使われ方によっては上記のような捉え方が可能だ。楽な人生なんてない。それは渡米する前からも分かりきっていたことだ。それでもそれを覚悟の上でこちらに挑戦しにきたのだから最後までとことんやり抜く覚悟だ。“I totally agree. This is a part of the process and I know that there is a wall for a reason.”私もRandy Pausch(2008)のLast Lectureの言葉を引用しつつ上記のように友人に伝えた。きっと一つ一つの試練には意味があるのだと。まるで自分にも言い聞かせるように。辛い時こそ地中深くに根を張っている最中だと受験期に家族から昔言われたことがある。地中に根を深く張れば嵐が到来してもそう簡単には倒れなくなるのだという。今はそのプロセスの真っ只中だ。着実に、一歩ずつそのプロセスの歩むだけだ。写真:バルチモアの教会それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.03.07
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スーパーボールが行われる日の朝にTrader Joe’s(通称トレジョー)に買い出しに行くと恐ろしいほどレジが混んでいた。みんな夜のパーティに備えて買い出しをしているのだろう。駐車場は車で溢れかえり、場外まで車の列ができている。レジも大変混雑していて店内を一周してしまうのではないかと思うほどの列ができていた。「今晩はスーパーボールがあって大盛況ですね。」と店員さんに話しかけると、“Yeah, there will another bomb in the afternoon.”と笑いながら返してくれた。そして、そのまま次のように彼は言い放った。“Last year was mayhem.”“I can imagine that.”と笑いながら会話を楽しみにつつその場を後にしたが、このmayhemの使われ方が面白かったのでこちらのブログでも紹介したい。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「(通例暴力行為または衝撃的な出来事による)大混乱、パニック(chaos)」と定義されている。まさにスーパーボールという全米が注目する一大イベントによるスーパーの混雑はmayhemがぴったりかもしれない。まさに言い得て妙なり。「午後に『爆弾』が投下されるだろう」という表現もユーモアに溢れていて非常に面白い。英検1級の実際の試験にもmayhemは登場していたような気がする。頻度は決して高くないが、日常生活にもこのように登場するし知っていて損はないような気がする。それでは皆さん今日も良い1日を。写真:北米限定のスタバ商品。きたろう
2024.03.06
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以前辞書にも掲載されていない日用英単語をご紹介した。(過去の記事はこちら)前回に引き続き辞書に掲載されていない意外な日用表現に出会ったので本ブログでご紹介したい。それは大学院の講義を受けている時であった。その授業は今受けている4つの授業の中で一番難解で苦労している授業だ。課題で出される記事もわからない上に量が多いため授業前後にクラスメイトからつい不満が漏れる。教授が講義を始めて30分くらい経過した時に、“This is inside baseball, but….”と急に言い放った。今までずっと専門分野の話をしていたのに急に「野球(baseball)」という単語が登場したのですぐにノートの隅に”inside baseball”と書き殴った。自宅に戻ってジーニアス英和辞典、スーパーアンカー英和辞典で調べてみたが、メジャーな学習英和辞典2冊にも掲載されていない。Merrian-Websterオンラインディクショナリーにはしっかり以下の定義の記載があった。“known or understood only by a small group of people”↓リンク↓Merrian-Webster Online Dictionary-inside baseball直訳すると「少数の人間にしか知られていない」となる。なるほど、教授は「ここからちょっと専門的な話になるんだけどね」という前置きをしていたのだった。肝心なThis is inside baseballの後は何を話されていたのか忘れてしまったが、新たな表現を学んだだけでも一歩前進したと思いたい。改めてまだまだ自分の知らない世界が広がっているし、英和辞典は全ての単語を網羅しているわけではないことを感じる瞬間だ。英語は実に奥が深い。研究の傍ら辞書に掲載されていない英語表現をどんどん探し出してまだ英語辞典のカバーできていない領域を明らかにしていきたいと思う。写真:春の到来を知らせる植物それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.02.28
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写真:よく勉強するラウンジ(丸いユニークな照明と自然光が心地良い)日本の大学もこんなスタディスペースを図書館以外にも沢山設けて欲しい。この間アメリカ人の友人と談笑していて面白い表現で出会したのでこのブログでも紹介したい。春学期に履修している授業の中で一つだけとてもユニークなクラスがある。テクノロジーが発達したこの時代に珍しくその教授はパソコンやプロジェクターを一切を使わない。毎回分厚いノートを持ち込んでそのノートをベースに講義をするのだ。板書もほとんどないため基本的には耳から得る情報に頼らざるを得ない。リスニングをしながら重要な箇所をノートに残していく。日本語でも講義をずっと聴いているのは疲れるが、言語が英語になるとその疲れは比べものにならない。その友人はその教授の授業をとったことがあるらしく、私の悩みにすごく共感をしてくれた。私の悩みは留学生に限ったことではなく、現地の学生も抱いていた共通の悩みだったらしい。顔に笑みを浮かべながら友人が教授をこのように表現した。“He is old-school.”私の脳内でビビッと何かが反応するのがわかった。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「[限定]古風な;古めかしい;伝統的な」と定義されていた。昔気質(むかしかたぎ)の人々のことをこちらではold schoolというらしい。映画界の巨匠Clint Eastwoodが監督、主演を務めたGran Torino(2008)の映画にも確かこのold schoolという表現が登場したのを覚えている。主人公であるWalt Kowalskiは戦時中のトラウマを引きづりつつ晩年をデトロイトで過ごしている。デトロイトは自動車産業の中心地として栄えたが、日本車が80年代から90年代に流行りだし一気に衰退してしまった。もぬけの殻となって治安が悪化した都市に住むKowalskiは自身の愛車であるGran Torinoを磨きつつ、変わり果てたアメリカをどこか憂でいる。そんな老人を若いアジア人女性がこういうのである。“You are old-school.”しかし、このold-schoolにネガティブな要素はなくむしろ褒め言葉のようにも聞こえる。どこかこの言葉には古き良き時代の古めかしさがあるような気がする。この単語が保守派を意味するconvervativeとは同義にならないのはそのためだ。なんとなく”He is old-school.”と言い放った彼女からも教授に対するリスペクトの心が垣間見れる。こんな英語表現に出会うたびに実に英語は奥が深いと思い知らされる。英語を15年以上触れていても私にとって英語は常に得体の知れない謎に包まれた生き物のようである。ベトナム戦争とその余波で追い出された民族の歴史、アメリカでの自動車産業の衰退、デトロイトという都市の荒廃、アメリカで根強く残る人種差別を意識しながらこの「グラン・トリノ(Gran Torino)」を視聴すると作品は単なる自動車好きの老人の話ではなくなる。16年ほど前に友人に誘われてグラン・トリノの試写会に行ったが、当時大学生の私はそこまで時代背景を理解できていなかった。10年後に再度DVDを見て深く感銘を受けたのを覚えている。アメリカの社会情勢にご興味がある方は是非ご覧いただきたい。後半から脱線して映画のレビューになってしまい大変恐縮である。留学を希望する未来の誰かにこのブログが届くことを願って今日も研究に励みたい。それでは皆さん今日も良い1日を。きたろう
2024.02.27
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アメリカの大学院は春学期を迎えキャンパスは活気に満ちている。秋学期の第1週目は緊張のあまり常に落ち着かずソワソワしていたが、春学期は友人も増えて冬休み明けの再会を楽しむまで余裕が生まれている。授業前にお互いの冬休みの出来事を話していて面白い言い回しに遭遇した。“How was your winter break?”“Nothing much. I was hibernating at home.”“Haha, I admit this year’s winter was particularly cold.”<以下略>ベトナムで幼少期を過ごした後、ハーバード大学の修士を終えてこちらのPh.Dプログラムにやってきた彼女は日常会話もどこか知的な感じがする。なんとなくhibernateと聞くと動物が冬眠するイメージがあるが、人が寒さをしのぐために家にこもる際にこの表現はぴったりだと思った。きっと私なら“I was staying at home all the time because it was freezing outside.”とか言っていたと思うが、hibernateを使うことで以下のことを一語で網羅できてしまう。家の外は非常に寒く、出歩く気分にならなかった。家の中は温かく、食べ物があって快適であった。活動はせずにゆったりと自宅での時間を満喫していた。今年の東海岸は冷え込みが激しく日中でもマイナス8度を記録した。また近年では稀に見るほどの積雪もあって20センチ以上しっかり雪が降った。人間も冬眠したくなる気持ちはよくわかる。とある学習英和辞典にはしっかり「(人が)避寒する」と定義されていたが、学習英和辞典の定番とされているジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「<動物が>冬眠する;冬ごもりをする」としか記載がなく、比喩的な使い方について記述がなかった。「<動物が>冬眠する;(比喩的に)<人が>冬ごもりする」とした方がhibernateが持っている意味を的確に捉えることができるかもしれない。言葉の運用は非常に柔軟で自由闊達だと気づかされる。30代に突入して凝り固まった頭脳を英語を通じてほぐしたい。写真:NYの格安ホテルのトイレにあったポスター。今日も良い1日を。きたろう
2024.01.31
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春学期が始まり文字通り研究に忙殺されている。冬休み期間は学期中の慌ただしさが少し恋しくなっていたが、いざ学期が始まると年末年始のスローライフが少しだけ恋しくなる。改めて人間は常に自分にないものを追い求め、無いものをねだる自分勝手な生き物なのだと実感する。オレゴンの旅を続いていた頃だ。友人の自宅にお世話になってアメリカ南部の伝統料理であるSalisbury Steakを振る舞ってもらった。(過去の記事はこちら)具材を買い込むためにオレゴンを中心に展開している大型スーパーであるFred Meyerに行った。明日の朝食のために卵を探していた友人がふと「お前が来ているからこれを買おう」とニコニコしながら手に取った商品があった。普通の鶏の卵パックのように見えたが、よく見てみると“Duck Eggs”と書かれている。アヒルの卵が売っているとは大変驚いた。鶏の卵と比べてみると幾分大きく少しだけ青みがかっていた。翌朝、友人がアヒルの卵の目玉焼きを作ってくれた。見た目は鶏卵の目玉焼きと一切変わらないのだが、食べてみると下に纏わりつき、コクが強かった。なんとなくバーミヤンで食べたことがあるピータンに似ているような気がした。食べた感想を求められこの独特のえぐみをどう表現したらいいのか悩んでいると友人たちが会話を始めた。“Duck eggs are really gamy!”“Yeah, that’s musky, you know.”私の脳内は知らない単語に出くわすとすぐに反応してしまう。「ゲイミー?」「マスキー?」知らない単語と味わったことのないえぐみで私の脳内は大混乱を起こしパンク寸前に陥っていた。オレゴンから自宅に戻ってきてから自宅の辞書で調べてみることにした。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「<狩られた鳥獣たちの肉が>(調理前にしばらく吊るしておくうちに)匂いが強くなった《主に食通が好む》」と書かれていた。スーパー・アンカー英和辞典(学研)にも「(鳥獣肉が)傷みかけてにおう(一部の食通が好む状態)」と記載があった。どちらも似たような記載なのだが、今回のネイティブのgamyの感覚とは若干ズレがあるようにも感じられる。私が感じた違和感は両方の辞書ともに鳥獣の「肉」に限定している点だ。今回の件からすると肉に限定するのは正しくないように思えた。二つ目の違和感は両方の辞書ともに「腐らせる(発酵させる)」プロセスを経ていることだ。今回のアヒルの卵は炒めただけで腐らせる手続きはとっていない。両方の辞書に共通している「食通が好む状態」という記載を最大限尊重して「(発酵や調理などを経て)えぐみがある、独特の風味がある(一部の食通が好む状態)」くらいが適訳なのではないかと思った次第だ。因みにmuskyも同様に2冊の辞書で調べてみたのだが、「ジャコウ[ムスク]の(ような)香りの」としか記載がなかった。辞書の字面通り記憶していたらアヒルの卵の感想を求められてもgamyやmuskyはきっと出てこなかっただろう。これらの単語は英検やTOEICのような資格試験にも出てこないだろうし、IELTSやTOEFLのようなアカデミックな試験にもなかなか登場することのない穴場英単語である。以上、アメリカで出会した新たな単語とその単語と英和辞典にあった定義の若干のズレについて述べてみた。非常にマイナーな英単語をアメリカで暮らす現地の視点から述べてみた。記事を楽しんでいただけたら嬉しい。さて、現実逃避をやめて課題に励むこととしたい。写真:アヒルの卵それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.01.28
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「大辞泉」で眉唾物(まゆつばもの)を調べてみると「だまされる心配のあるもの。真偽の確かでないもの。信頼できないもの。」と定義されていた。秋学期の終わりにあったワークショップで眉唾物に近い英語表現に遭遇したので紹介したい。時間が経過してしまったのでどのような文脈で使われていたのかすっかり忘れてしまったのだが、スピーカーが話の途中でこのように言ったのだ。“We must take the information with a grain of salt.”なぜこの文脈で「塩」が登場したのかよくわからなかったが、その場で調べて謎が解けた。Cambridge Dictionaryには以下の記載があった。to not completely believe something that you are told, because you think it is unlikely to be true:Cambridge Dictionary: a grain of saltつまり、情報の真偽がわからないときにこのgrain of saltという表現が使われるらしい。情報を鵜呑みにしないよう警告する際によく使われるようである。英語圏では「ひとつまみの塩」には思いもしない意味が隠されていることに驚きを隠せない。英語を10年以上学んでいる私でも日々わからないことだらけだ。学んでは忘れ、忘れてはまた学んでの繰り返しである。今日扱った表現を使って本日の記事を締めくくりたい。“What I write in my blog is not 100% true. You should take my word with a grain of salt.”マンハッタン北部の写真:それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.01.23
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以前の記事で書いた通り、最近は引越しに向けて幾つも物件を見て回っている。物件を回りながら気づいたことがある。(物件探しの記事はこちら)築100年近く経っている古いアパートでも管理会社がしっかり管理を行なっていれば部屋はしっかり綺麗に保たれていることだ。外観は少し古びて見えても部屋の中に入ると新築物件のようになっている部屋もある。しかし、管理が行き届いていない物件はカーペットに幾つもシミがあったり、壁が汚れていたりと日本では考えられない部屋も存在する。衛生面が非常に整っている日本から来ると水回りの汚さにちょっとがっかりすることがしばしある。不動産仲介業者の方も物件の見極めは築年数ではなく管理会社のきめ細かさだと教えてくれた。とあるアパートの部屋を見に行った時に大家さんが、このように言った。“This is a model room and it’s clean, but all the kitchens in other rooms are also renovated.”大家さんは客寄せのためにモデルルームだけ最新設備にしているのではなく、他の部屋も同様に新しいキッチンコンロを設置していると説明してくれた。壁紙も新しくまるで新居のような状態であった。駅近の物件で日本円にするとかなりの高額だが、インフレを起こしているアメリカでは1ヶ月これくらいしてしまうらしい。ボストンやNYは1ベッドルームでも4000ドルを超えると聞く。すごいタイミングでアメリカに来てしまったとつくづく思う。後日、私のアメリカでの恩師と電話をしている時に恩師がこのように言った。“My daughter is having a lot of redos in the kitchen. I visit her house and help her out.”聞き慣れない単語であった。「ハビン ァロット ヴ リドゥー?」最初は固有名詞かと思ったが、rの音がはっきり聞こえたので携帯で調べてみると“redo”を名詞で使っていることがわかった。つまり、娘さんがキッチンの模様替えをしていてキッチンの物を全て外に出している。その散らかっている間、子供の面倒や模様替えの手伝いで忙しくしているということが言いたかったらしい。棚や機械の交換を含めた内装工事はrenovateで配置交換や気分転換のための模様替えはredoが好まれるらしい。細かいがネイティブは無意識にこの使い分けをしている。日本でずっと生活してきた私のような英語学習者はまだまだ日用英語に弱いと痛感した一日であった。ネイティブの日常会話が聞き取れないのはもしかしたら難しい単語ばかり学びすぎて基本的な日常会話がすっぽり抜けているからかもしれない。残念ながら中学校、高校の単語帳にこんな簡単なredoを見たことがない。※手元の辞書で英和辞典を引いてみたが、名詞的用法の記載はなかった。東海岸では20センチほど雪が積もっている。それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.01.22
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東海岸は現在猛烈な吹雪に見舞われている。交通機関への影響も懸念されている。春学期は始まったのだが、本日は大学は病院等の医療機関を除き閉鎖されるらしい。大学からは今朝以下のような連絡があった。(一部変更済み)——————-Alert: Normal University operations are suspended due to weather. Essential University staff and all Health System physicians and staff are required to report to work. See the webpage for details. ———————-朝起きると確かに雪が激しく降っている。大学の図書館もしまっているためこんな日はアパートに篭って課題に耽るほかない。学業と同時進行で私にはもう一つやらなければならないことがある。それは冬休みから始めた新居探しだ。現在住んでいるアパートの契約がもう少しで切れるため、春先に向けて新居を探さなくてはならない。不動産のマネージメント会社とやりとりをしていると以下のメールが届いた。———————-Attached please find the maps I inadvertently left out of my email. Please let me know if you have any questions.———————-注目したいのはこのinadvertentlyである。この副詞を文中に入れることによって、意図せずにやってしまったこと、つまりうっかりミスであったことを表すことができる。地図の添付し忘れたことに対する謝罪と誠意の気持ちがこの"inadvertently"にはある。文法的には"Please find the attached maps I inadvertently..."となるはずなのだが、"Attached please find the maps I inadvertently..."となっている。決して打ち間違いではなさそうだし、これもネイティブの感覚というやつだろうか。この倒置現象?を解説していただける方がいたら是非お願いしたいところだ。寒さのあまり木の枝の上にある雪が凍って氷柱になっている。自然が作り出す氷の彫刻のようだ。それではみなさん今日も良い1日を。きたろう
2024.01.20
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以前洒落た英語の広告をご紹介した。その後も何度か面白い英語の広告表現に出くわす機会があった。(過去の記事はこちら)まずはニューヨークで見つけた巨大広告をご覧いただきたい。Apple社が最近リリースしたiPhone15の広告である。iPhone15の機体の上に大きく“Newphoria”と書かれている。この単語が目に入った瞬間「あぁ、なるほどな」と思わず頷いてしまった。勿論newphoriaなんて単語は存在せず、Apple社が勝手に作った造語である。この単語をよく眺めてみると二つの解釈ができるのだ。読者の皆様にも是非写真をもう一度よく眺めてから下にスクロールをしていただきたい。一つ目が解釈が新発売の電話であることを意味する“New Phone”である。二つ目がスペルは異なるもののNewphoriaという音から自然と連想されるeuphoriaという英単語だ。Collins Online Dictionaryには“Euphoria is a feeling of intense happiness and excitement.”と定義されていた。Collins Online Dictionary-Euphoriaまた、ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)にも「(一時的な)強い幸福感[興奮]」と定義されていた。つまり、このiPhoneの最新作を手に入れた時に押し寄せる幸福感をこの造語たった一語で表しているんだ。革新的な商品を次々と世に出すApple社らしい粋な英語表現だ。さて次はホリデーシーズンにテレビで流れていたCMからご紹介したい。まずは以下の写真をご覧いただきたい。CMの制作主はお菓子の老舗であるGHIRARDELLIである。このシーズンになると大手ショッピングモールの目立つ場所には必ずこの会社のお菓子が所狭しと並んでいる。さてCMの最後に流れたCaptionが非常に凝っていて思わずクスッと笑ってしまった。Captionには“Makes the holidays a bite better”と書かれている。ただ、ここには誤りが一箇所あるのだがお分かりだろうか。再度この画像を眺めていただき一度考えてから下にスクロールをしていただきたい。正しくは“Makes the holidays a bit better”でbiteのeを削除しなくてはならない。これでようやく「ホリデーシーズンを少しだけ良くします」という意味が成り立つ。制作者は意図的に間違いを犯して視聴者に強いインパクトを残そうとしているのだ。“a bit”は「少しだけ」という副詞なのだが、eを加えることで全く異なる意味になる。ここでは”a bite”で「一口」という意味に大変身を遂げるのだ。つまり、本来は非文法的な文であるが、「(GHIRARDELLIのチョコは)はホリデーシーズンの一口を彩ることができますよ」と暗に仄めかしているのだ。以上、学校では教えてくれない英語の洒落た広告シリーズをお楽しみいただけただろうか。きっと一つ目の広告にあるeuphoriaは入試との関連性が低く学習単語帳から弾かれてしまうだろうし、二つ目に関しても学校で学ぶことはきっとないであろう。しかし、このような洒落た広告に英語の楽しさが隠れていたりする。それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.01.16
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ここ最近sickにも様々な種類のsickがあることに気づいた。1. heart-sickニューヨーク滞在中にお世話になるはずだった友人がコロナ陽性になってしまい直前で宿泊することができなくなってしまった。お見舞いの言葉を送ると以下のメッセージが届いた。“I’m heart sick about this. I should have been more careful while being out. It’s my fault.”日本の受験ではbe sick of/ aboutで「〜にうんざりする」と覚えるが、そこにheartを付け加えることでかなり強い失望を表現することができるようだ。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)にもしっかり「≪文»しょげた、気の滅入った;ひどく不幸な」と定義されていた。2. sea-sickこちらも同じくニューヨーク滞在中に出会した表現だ。フェリーに乗って自由の女神(Statue of Liberty)とエリス島(Ellis Island)を訪問することにした。前日は夜中も目覚めてしまうほど雨と風がひどく翌朝も案の定、海面は濁り三角波が沢山立っていた。フェリーは定刻より40分遅れての運行開始となったのだが、近づいてくる船はだいぶ揺れている。隣にいた観光客が笑いながら以下のように話していた。“Wow! Look at that. I am gonna get sea sick!!”辞書で調べるまでもなくここでのsickは「海の病気」ではなく、「船酔い」である。なお、車酔いの場合はcar sick、飛行機酔いはair sickという。面白いのは日本語では酔った時に乗っている乗り物の名前が入るのに対し、英語では乗り物を揺らすものに焦点が置かれることだ。船を揺らすのはもちろん海(sea)で飛行機の場合だと大気(air)が機体を揺らすことになる。車の揺れはエンジンによって動いている車なのでcar sickとするのが適切なのだろう。以上見てきた通り、sickの守備範囲は非常に広く、「病気」だけで語義を捉えると思わぬ落とし穴があるようだ。なんとなくsickが使われる時は「外的な要因によって気分/体調が悪くなる状態」くらいに捉えておくといいのかもしれない。写真:Statue of LibertyとEllis Island行のフェリーそれでは今日も良い1日を。きたろう
2024.01.15
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アメリカの東部もだいぶ気温が下がり朝方は水溜りが凍る日も出てきた。また雪が散らつく日も増えてきた。毎日のように通うため、図書館の警備員と世間話をするようになった。その日は雪がかなり降っていた。お気に入りの図書館に入って雪を振り払い、かじかんだ手を温めてから図書館のゲートを通過した。いつもの警備員がいつも通り座っていて僕が入るとニコッと笑顔を送ってくれた。私が”It is snowing hard outside.”と話しかけると以下のように返事があった。“Yeah, it is a squall! They say it is gonna taper off around noon.”一瞬私の頭に”??”が浮かんだ。「ん?スコール?」私の聞き間違いのような気もしたが、彼女は確かにスコールと発していた。家に戻って辞書を開いて納得した。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「(時に雨や雪を伴う)突風、スコール」と書かれていた。スコールというと東南アジアで突発的に発生する熱帯地域の大雨を想像していたが、冷たい地域でもスコールは使えるらしい。私はずっと寒い地域の大雪はblizzard一択だと思っていたが、squallという選択肢もあるらしい。ちなみに2文目にあるtaper offには「徐々に弱まる、(弱まって)次第に止む」という意味がある。天候を表す際に使える便利な表現だ。併せてチェックされたい。それでは良い1日を。きたろう追伸、ついに本ブログのカウンターが10,000を突破した。今後とも海外の英語表現や留学の手続きなど有益な情報を発信していきたい。今後とも温かく見守っていただけたら幸いである。
2024.01.06
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「心の支え」を英語にするにはどうしたら良いだろうか。先日ピッタリの訳に偶然遭遇した。英語にしにくい日本語の表現は実は日常の中に埋もれていると日々感じている。私の友人は現在男手一つで生後2ヶ月の子供を育てている。子供の母親は子供には一切暴力を加えていないが警察官によって逮捕され現在拘置所にいるらしい。事前の調査もなく現行犯で生後2ヶ月の子供の母親を逮捕できるのだからアメリカの警察の権力は日本に比べて非常に強いようだ。銃社会であるが故に警官の権力を高めておかないと治安が維持できないというアメリカならではの事情もあるようだ。(私は逮捕された現場に居合わせたわけではないので、どのような経緯で彼女が逮捕されたのか全くわからない。友人の話では母親が自分で911に電話をして警察を呼んだ張本人が逮捕されてしまったのだという。それほど彼女は産後ホルモンバランスが崩れ錯乱状態の上、アルコールを大量に摂取しまったらしい。それが児童虐待と勘違いされたのではないかと私は勝手に思っているが、真相は正直わからない。)母親は誰とも接触できない上、子供との面会とも許されず精神的に参っていると友人は複雑な心境を打ち明けてくれた。食後の短い夫婦の電話が家族の絆を保っている唯一の手段なのだという。I am a mental spot for her right now. (今は僕が彼女のメンタルスポットなんだ)友人はさりげなくmental spotと言っていた。日本語にするとまさに「心の支え」がしっくりくるだろう。心が落ち着かせられる隠れ場のような意味合いだろうか。きっと声を聞くだけでも母親には大きな救いになっているだろう。母乳がないため、友人は粉ミルク(英語ではformulaという)を与えているが母乳と味が違うためかすぐに赤ん坊は吐き出してしまう。吐き出してはミルクを飲ませ、飲ませてはミルクを吐き出す。その繰り返しである。今は給料が出た状態で仕事を休めているが、ずっとは休めないらしい。アメリカの警察は母親を逮捕できてもその後のことは全く考えていないらしい。友人もこの制度には憤りを感じているらしく、警察に家族を引き離す権利があるのかと不満を漏らしていた。この大きな試練を乗り越えて家族がまた一つになれる日がすぐに訪れることを願っている。きたろう
2024.01.05
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ペットの後始末を英語で訳そうとしてもなかな的確な役が見当たらない。うまく訳せない時はうまくPhrasal Verb(日本語では句動詞と呼ばれる)で処理してみるとすんなりいくケースが多い。道を歩いていると以下のような標識に出くわした。Clean Up After Your Pet、つまり「ペットが歩いた後を片付けろ=あと始末をしろ」となるわけだ。 「犬のフン」という直接的な表現を避けた美しい婉曲表現(euphemism)ではないだろうか。出会った時に一人で立ち止まって感動してしまった。婉曲表現といえば足が早い食品に使われるperishableという表現を紹介した記事が記憶に新しい。(過去の記事はこちら)英語にはこのような婉曲表現が多々存在するのである。例えば、トイレ(toilet)はあまりに直接すぎるためにrestroomやbathroomが好まれる。ペットのフンはdropping(s)と言われたりするが、フンを「落下物」と呼ぶことも立派な婉曲表現だ。カフェに入って店内が混み合っていたとする。テーブル席が数席空いているが隣には見知らぬ人が座っている。このような状況で”I want to take this seat.”と言うとかなり高圧的な印象を相手に与えてしまう。文法的に誤りは全くないし、意味は通じるが英語圏の人は決してこのような英語を発しないのである。英語圏に一定期間生活したことがある人であれば”Is this seat taken?”/“Is someone sitting here?”/ “Do you mind if I sit here?”と言うだろう。自分が座りたいことを主張する前にこの席の利用状況を周囲の人間に確認するのである。ネイティブが習わずに自然と身につけるサバイバルスキルの一つである。このような言い回しを研究している学問がPragmatics(語用論、意味論)と呼ばれる分野である。学んでみると非常に面白いのだが、日本の英語教育は残念ながらこの分野まで行き届いていないような気がする。語用論を学んだところでなかなかテストのスコア向上に直結しないため授業内容から切り落とされているようだ。日本の言語教育が無味乾燥で文脈がないと批判されるのはこのような側面を無視し続けたからである気がしてならない。人が言語を生きるために用いてコミュニケーションをとっている以上、Pragmaticsは避けては通れないと私は考えている。しかし現実に目を向けるとどうだろうか。日本ではテストのスコアによって合否の結果が決まるテスト至上主義の風潮が非常に強い。Pragmatics(語用論)は教育産業のPragmatism(実利主義)によってその価値がかき消されてしまっている。語源は一緒で両者のスペルは非常に似ているが、内包する意味は全く異なる。言語を学ぶ際はその文法、単語がどのような文脈で使われるのか意識してもらいたい。なぜなら言語は文脈のない「真空(vacuum)」では存在できないからだ。ちなみに住んでいるアパートのキッチンにもこのclean up after〜という表現が使われている。今日も良い一日を。きたろう
2024.01.04
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西海岸旅行中、夕食の買い出しのために友人とスーパーに行く機会が何度かありました。そこで出会った英単語をご紹介します。因みにこの英単語は有名な学習英和辞典にも掲載されておりませんでした。友人がYumm sauceというソースが見つからず店員に尋ねると、”That should be on the endcap of the last aisle.”と回答がありました。このendcapがどの辞書にも掲載されていなかったのです。日用的に使われていて使用頻度も高そうな単語なのに学習英和辞典に掲載されていないのは正直意外でした。このendcapは通路の端の陳列棚を指します。通路の内側より目立つこともありendcapはその通路の主力商品や新作商品が置かれていることが多いと思います。まだイメージがわかない方はこちらのサイトをご覧ください。Yumm Sauce:辞書にも掲載されていない単語を発見するととても嬉しいですね。自分だけが知っている単語のような気がして少し誇らしい気持ちになります。店員さんの発言の中にaisle(発音注意!)という単語が登場してました。これは「通路」という意味がございます。飛行機に乗った時もアナウンスで”Please make sure to clear the aisle all the time.”(通路を塞がないようにしてください)とキャビンアテンダントが話していました。というわけで本日はgrocery shopで頻繁に使われるendcapとaisleを紹介しました。きたろう
2023.12.27
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この一週間は学期末試験のためブログを全く更新できませんでした。学期末の図書館は席を確保するのが難しくなるほどアメリカの学生も必死に勉強に取り組みます。自分は一夜漬けが向かない人間であるため、コツコツと地道に積み重ねないと周りの人達についていけません。この数週間は夜の10時もしくは11時辺りまで図書館に篭って、家には寝るためだけに帰ってまた翌朝図書館に向かう生活を送っていました。全力を尽くしたレポートと試験がどうなっているのか楽しみです。さて、今日はスーパーで買ったグレープフルーツジュースに書かれた英語表現をご紹介します。因みに英語では100%の果汁飲料をjuiceと呼びます。それ以外の飲料にjuiceは使えないのでご注意ください。炭酸飲料はsodaと呼ぶことが多いですね。ラベルにあるperishable, refrigeratedは英検準1級レベルの単語でpasteurizedは英検1級レベルの難単語です。それでは早速意味を確認してみましょう。まずperishableは「(食べ物が)腐りやすい」という意味があります。腐るというとrottenという表現が思い浮かびますが、直接的すぎてそんな表現が書かれていたら購買意欲が湧かないですよね。こうゆう婉曲表現(euphemism)が英語にはたくさん存在します。この腐りやすいというのを受けてkeep refrigeratedとなるわけです。ここでは「要冷蔵」と訳すのが適切でしょうか。最後のpasteurizedはどのような意味でしょうか。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店書店)には「<牛乳・ビールなど>を低温殺菌する」とありました。パストゥール(Pasteur)というフランスの科学者・細菌学者から由来しているようです。つまり、低温殺菌を開発した人にちなんで「パストゥール化させる」というのが「低温殺菌する」という意味を指すことになります。温度の華氏を英語ではFahrenheitと言いますが、これもこの温度計を発明した人物に由来します。英語では発明した人物の名前をそのままその発明品の呼び名にしてしまう傾向が日本語よりも強いがします。それでは良い1日を。きたろう
2023.12.16
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以前書いたゴジラマイナスワンのレビューに続いて映画に関連した英語の表現を取り上げます。私の中でゴジラ熱が冷めならぬようなのでもう少しお付き合いください。X(元Twitter)を眺めていたら以下のような呟きを発見しました。“Godzilla Minus One” has become the highest rated blockbuster film of 2023 on IMDb. ここで注目したいのがblockbusterです。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「《略式》映画・本などの大ヒット作」と記載がありました。Merriam-Websterオンライン辞書にも以下のように定義されております。“one that is notably expensive, effective, successful, large, or extravagant” 引用元:Merriam-Webster Online Dictionary 人気を表現する際にこのblockbusterが頻繁に使われるようです。壁を破って爆発的に人々に受け入れられる様子を思い浮かべてもらえたらと思います。因みにここでのbustersは人ではなく人気を博した作品を指すのでご注意ください。 IMDbはInternet Movie Databaseの略でオンライン上での映画等の情報をまとめたデータベースサイトの総称のようです。ゴジラマイナスワンが2023年に上映された映画の中で最も高い評価をIMDb上で獲得したことを報じるニュースでした。ゴジラマイナスワンの北米での快進撃はまだまだ続くようです。P.S.ちなみに私はいつもblockbusterと政治でよく使われるfilibusterを混同してしまいます。(汗)あとbusterといえばゴーストバスターズ(Ghostbusters)(1984)でお馴染みですね。ここでのbustersには「破壊者、やっつける人」という意味があります。 これも初期のCG技術を用いた画期的な作品なので映画が好きな人には観てもらいたい作品です。きたろう
2023.12.09
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アメリカのキッチンは日本の台所とはかなり異なる。まず日本のキッチンには欠かせないコンロ下の魚焼きグリルがない。その代わりアメリカのコンロ下には巨大オーブン(oven)がある。英語の発音はカタカナで無理やり表現すると「ァヴン」に近い。日本語の「オーブン」は英語の発音からかけ離れているので注意されたい。オーブンの目の前で指を指しながら会話すれば理解してもえると思うが、キッチンの外の会話では日本語のまま発音しても聞き取ってもらえない可能性が高い。ここでクッキーやピザを焼いたりする。Thanksgivingには七面鳥(Turkey)を一羽丸々焼いてしまう。アメリカの家庭には一台なくてはならない存在なのである。続いてこちらがコンロだ。日本ではIHはまだまだマイナーでガスによる加熱が主流だが、アメリカでは電熱式のコンロがほとんどである。スイッチを入れると「ジジジ」と音を立てながらこの蚊取り線香のような渦巻き上の電熱線が赤くなる。ガスに比べると加熱スピードが遅く温まるまで時間がかかる。また、予熱の影響で熱の調整がガスよりも難しい気がする。ちなみにコンロは和製英語でありこちらでは通じない。英語ではburnerという。手前をfront burner、そして後方をrear/ back burnerという。慣用表現ではput A on the back burnerで「A(物事)を後回しにする」という意味がある。一旦調理したものを後方に置いておいて後ほど仕上げをする調理過程を思い浮かべれば理解しやすいのではないだろうか。<例文>We are stuck in this problem for hours. Let’s put this on the back burner and return to it later on!(この問題で何時間も行き詰まっている。今はこの話題を後回しにして後で戻ってくることにしよう。)きたろう
2023.10.12
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大学の課題が雪だるま式に増えてきていてブログの更新が滞ってしまいました。課題として課されている学術論文を週に大体6本〜8本ほど読んでいるのですが、普段触れる英語とは語彙や内容の質が異なり悪戦苦闘の日々を送っています。けれどもTOEFLやIELTSの文章と違って自分の専門分野の論文が主になるので読んでいて苦痛に感じることはありません。学者が研究課題(Research Question)に対してどのようにアプローチするのか知ることができて毎回勉強になります。さて、今日は韻を踏んだオシャレな広告をご紹介します。英語圏に住んでいると家を出た瞬間から英語が四六時中360度から飛び込んできます。広告はスペースと字数に厳しい制約があり、広告作成者は言葉を慎重に選びます。時に非ネイティブである私でも心を奪われてしまう広告に出くわすことがあります。今日はそんな広告を二つ紹介したいと思います。一つ目はスムージー(Smoothie)の広告です。広告には"Make Your Day Smoother"と書かれています。言い換えると、These smoothies will make you day smoother.(スムージーであなたの一日がさらに滑らかに)ということですね。見てお分かりの通り、smoothie(s)とsmoothが掛かっています。このsmoothには「(表面が)滑らかな、スベスベした」といった意味がありますが、比喩的に「快適に(な)」というcomfortableに近い意味もございます。今回は後者の意味でsmoothが用いられています。因みに発音記号は/smúð/で最後は濁った音になるのでご注意ください。(発音記号に詳しくない人は代名詞TheyのTHの音と一緒とお伝えすればお分かりいただけますでしょうか。)思わずスムージーに手を伸ばしたくなる広告でした。二つ目はトレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)というアメリカではかなり人気の食料品スーパーで見つけた広告です。10月に入り秋が深まってきました。秋の大きなイベントがハロウィーン(Halloween)になります。ハロウィーン期間の特売品コーナーにあった広告が面白かったのでご紹介します。注目していただきたいのは上部の大きなポスターではなく、左下の小さなポップアップです。そこには"BUYER BEWARE!"と書かれています。BUYERは文字通り購入者ですね。その後に続くBEWAREは動詞で「気を付ける、用心する」【少々文語的】といった意味があります。つまりここでは「購入者要注意(用心すべし)」という意味になるのです。商品を一つでも多く売りたいお店があえて買うことを躊躇させるような文言を入れているのが面白いですよね。気になって恐る恐る商品を手にとる人がいました。ここでも一つ目の広告動揺"BUYER BEWARE"の太字下線部の部分に韻が踏まれています。非常にリズミカルで言葉がスッと耳に流れ込んできますよね。この広告を見た時にふと"Beware the ides of March"というシェイクスピアの言葉が浮かびました。やはり不吉なことに対してこのbewareという動詞が好まれるようです。以上広告から見えてくる英語表現でした。それでは良い1日をお過ごしください。きたろう
2023.10.09
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動詞のgoは小学校、もしくは中学校で学ぶ必須動詞だと思います。不規則に変化する動詞であるためgo-went-goneと呪文のように唱えていた記憶があります。しかし、ハイフンで繋ぐgo-toという表現は高校と大学でもなかなか出くわさないのではないでしょうか。ついこの間講義を受けている時に教授が以下のような発言をされていました。Dr. ... is a go-to person in this field. また、友人との会話でもgo-toが登場しました。What's your go-to coffee order?Merriam-Websterのオンライン辞書によると次のように記されていました。1. relied on and regularly turned to for expert knowledge, skill, or performance2. regularly or repeatedly chosen or employed for reliably good resultsMerrian- Webster Online Dictionary, Retrived October 1, 2023 fromhttps://www.merriam-webster.com/dictionary/go-to最初の文では定義の1、そして二つ目の例文では定義の2が使われているようです。人に使う場合は「専門的な、頼りになる(人)」という意味で用いられるようです。go-toの後に続くのが人以外の場合は圧倒的に2つ目の定義が用いられる可能性が高くなります。日常的に用いられる品や結果ということで日本語に訳すと「お決まりの、お気に入りの(品)」あたりがしっくり来るでしょうか。従って、教授が発した一文は「...先生はその道の大家である。」という意味で、二つ目の友人の質問は「あなたの喫茶店でのお決まりの注文は何?」という意味になります。どちらかというとインフォーマルな口語表現になるので畏まった場面での使用は避けた方がいいかもしれません。受験英語にどっぷり使った自分にとっては今まであまり接する機会のない表現でまさに目から鱗でした。新しい表現が昼夜問わずどんどん飛び込んでくるのが留学です。「その表現面白い!」と思ったらすぐ体内に取り込んで吸収し、使えるようにすることが重要だと思います。きたろう
2023.10.03
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大学(院)では中学校、高校で行うホームルーム(HR)の時間はなく、大学からの連絡は全てメールで届きます。従って定期的にメールボックスをチェックするのが大学院生の日課になります。履修申告の連絡からソーシャルイベントの案内までありとあらゆる学内の情報がメールで送られてきます。つい先日就職活動に関するメールが届いたのですが、その中に面白い表現があったのでご紹介します。注目していただきたいのは"The World Is Your Oyster"と書かれたタイトルです。直訳すると「世界はあなたの牡蠣(カキ)である」となりますが、これだと意味が分かりませんね。こういう時は成句もしくはイディオム表現である可能性が非常に高いです。Oxford Languagesによると"you are in a position to take the opportunities that life has to offer."と定義されています。つまり、「人生は君次第でいくらでも豊かにできる、君の人生は可能性に満ちている」という励ましの言葉なのです。似たような表現に"The sky's limit"があります。こちらは「空が限界地点だ=可能性は無限に広がっている」という意味になります。どちらも非常に前向きな励ましの言葉になりますが、"The world is your oyster."の方がやや文学的で畏まった印象を受けます。インターネットでこの表現を調べてみるとWilliam Shakespeareの"The Merry Wives Of Windsor"という作品で登場しその後広まっていった表現だそうです。Let's Learn Englishというサイトに定義、例文などが分かりやすく載っていたので共有いたします。↓リンク↓Let's Learn English 先行きがわからなく一人で立ち向かわなくてならない就職活動は時に孤独で不安が常に伴います。そんな不安な時に"The world is your oyster! Take the advantage of what your life has to offer!"と励まされたら就職活動も前向きに乗り越えられそうですよね。私が社会人を経験して30代にしてアメリカで勉強できているのは無理だとかやめておけと言われ続けた時期がありました。しかし諦めずに可能性を信じ続けた結果、道が拓けて今アメリカにいます。そして応援してくれる周囲のサポートが暗闇の中を歩く自分を照らす光になりました。孤独だと思って歩いていた道も振り返ってみると足跡がくっきり残っていて実は当時思っていたほど暗闇ではなかったと思うこともあったりします。きっと不透明な将来を考え込みすぎると周囲が見えなくなり、不安の中おのずと暗中模索の状態に陥ってしまうのだと思います。私も真面目な性格で考えすぎてしまう気質があり不安に駆られると抜け出せないタイプの人間です。受験勉強や就職活動と一緒で不安でもゆっくりと歩みを止めないことが大事だと思います。私が留学を考え始めたのはちょうどコロナが蔓延した2020年あたりで今から約3年前した。常軌を逸した計画だと笑われても紆余曲折を経てここまで来ることができました。人生がどう転ぶかなんて結局誰にもわからないのです。自分の可能性を信じ始めた瞬間からあなたの人生はすでに動き出しているはずです。世界でたった一人の唯一無二の存在である自分を信じるところから始めてみましょう。「自分はできない」と否定から入ってしまっていたら可能性の扉は閉ざされてしまう気がします。Remember: THE WORLD IS YOUR OYSTER. You are in the best position to take the opportunities that YOUR life has to offer. Do not let your life take over by others.では良い1日を。きたろう
2023.09.15
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留学中のきたろうです。今回は日常会話で役立つスラングを紹介します。キャンパス内で以下のような会話がございました。友人A: We can grab something nearby and explore the town. 友人B: I'm down!友人A: Great! Will get ready soon.皆さんはこの"I'm down!"はどのような意味が込められていると思いますか?どうしてもdownと聞くとネガティブな印象を受けてしまいがちだと思います。英語の表現でもdownが付くと否定的な意味を持つことがほとんどです。(例:turn down, feel down, look down on..., etc )しかし、ここではどうやら肯定的な意味で使われているようです。私は状況が理解できず友人たちと別れてからすぐにネットで検索をしてみました。すると、スラング辞書の定番であるUrban Dictionaryには"When you agree with someone. Mainly used to agree to do something."と記載されていました。Urban Dictionary, Retrieved September 5, 2023, fromhttps://www.urbandictionary.com/define.php?term=I%27m%20down自分が前回アメリカに留学していた時は「その話いいね!(その話乗ったよ!)」と同意する時は"I am up for it!"と言っていたような気がしますが、10数年の時を経ていつの間にか上昇(up)ではなく下降(down)になっておりました。今でもI'm up for it.が通じるのか今度さりげなく会話の中で使ってみようと思います。(皆が"I'm down."を使用している中一人だけおじさんが"I'm up for it."と言うのは少し勇気が入りますが。)変な顔をされてしまったらその表現は頻度が落ちて古臭く(out-dated)なっているということです。言葉はナマモノで常に進化を遂げていると感じた次第です。特にスラングは流行り廃りのサイクルが非常に早いのが特徴です。アメリカの地で語学を学習している者として言語の栄枯盛衰にも敏感であり続けたいと思いました。きたろう
2023.09.05
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おはようございます。留学中のきたろうです。本日もオリエンテーション期間に出会った表現をお伝えしたいと思います。大学院で成功するためにはチェックボックスにチェックマークを入れていくだけではなく、自分から主体的に動いて研究していくことが重要だとプレゼンターの方はお話しされていました。その流れでプレゼンターが次のように発言されました。"Your research does not work in a cookie-cutter approach!"クッキーカッターといえばクッキーを作る際に使われる銀色の抜き型をイメージされる方が多いと思います。しかし、上記の文ではハイフンがついてapproachを修飾する形容詞として用いられています。形容詞で用いられる場合、は「特徴がない、ありきたりな、決まりきった」といった意味になります。日本語でも特徴がないことを「型にはまった」と表現することがございますが、それに非常に近い感覚だと思われます。研究は自分が疑問に思ったことを探究心を持って行わないといけないなと改めて思った次第です。
2023.08.25
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こんにちは、大学院留学中のきたろうです。21日(月)から入学者向けのオリエンテーションが始まり慌ただしくなってきました。オリエンテーション前日は「万が一友人ができなかったらどうしよう、年齢的に一人浮いてしまったらどうしよう」と考え込んでしまい眠れない夜を過ごしました。まさか入学した直後でその先を心配する新入生の気持ちを再び30代で味わうとは思いもしませんでした。さてオリエンテーション期間によく耳にした表現をここでご紹介したいと思います。表現の相手に寄り添って二人三脚をするように説明したい時に用いるのがwalk somebody throughです。直感的にwalkからは「歩く」という動詞の意味を思い浮かべますが、実は「(誰かと)寄り添って歩く」という意味があり、そこからさらに比喩的に派生して「(寄り添うようにわかりやすく)説明する」という意味ができたと考えられます。"We are going to walk you through the application functions first."一語一義的に「説明する」=explainで覚えている学習者がとても多いと思いますが、explainではwalk somebody throughのような相手の歩幅を合わせて説明しようとする丁寧さや親近感は伝わりません。ゆっくり丁寧に説明する姿勢が伺えて初日の緊張がほぐれると同時にさりげなくもとてもオシャレな動詞の使い方に感動した次第です。上記の文を参考にしながら以下のような例文を作ってみました。<例文>"If you are not familiar with it, no worries! I am going to walk you through it together."walk somebody throughを用いることで相手に手を差し伸べる姿勢を示すことができるのです。是非プレゼンや道案内で使ってみてください。きたろう
2023.08.24
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おはようございます。きたろうです。今日は役立つ英語表現をご紹介します。お願いしにくいことをお願いしなければならない状況はどの国に行っても発生してしまう。Noと言われてしまいそうなこと、いわゆるダメで元々であることを相手にお願いする際に使えるのがby any chanceだ。米国に滞在してまだ二週間ちょっとだが、この表現に遭遇する機会が2回あった。週に1回ペースで使われる表現と思えばネイティブの間でもかなり頻度が高い表現と言えるだろう。1回目の場面:飛行機内で座席の上にある収納棚(overhead bin)に荷物を入れていると目の前に座っていた女性がこのようなことを仰りました。"I came with my daughter and my husband, but somehow our seats are separated. By any chance, do you mind switching your seat with a seat of my husband, who is just sitting nearby?"2回目の場面:喫茶店で大学の課題をしていると隣のテーブルでパソコン作業をしていた女性から急に話をかけられました。(海外だと知らない人から突然話しかけられるのはよくある話です。決して驚かないようにしましょう。)"Do you have an iPhone battery charger, by any chance? I need to charge my AirPods, you know."いずれにしてもこちらの返答がNoになる可能性が高いことを見越して低姿勢でお願いをしていることがわかる。by any chance=「もしかして、ひょっとしたら」と丸暗記していた学習者がいたとしたら上記のような文脈(context)も加えてもらいたい。机上の文字情報だけの熟語ではなく、生きた表現として立体的に脳内に飛び込んでくるはずです。余談ですが、因みにこの二つの質問、私はどちらも快諾しました。あなたなら上記の2つの質問にどうお返事しますか。大体3秒以内に返事をしなければ自然な会話は続かないでしょう。沈黙が続くときっと躊躇っていると思われNoだと捉えられてしまう恐れがあります。日常会話の場合は特に瞬発力が求められるような気がします。では良い1日をお過ごしください。きたろう
2023.08.22
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