家族留学奮闘記

家族留学奮闘記

2024.02.27
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テーマ: ☆留学中☆(2566)
カテゴリ: 役立つ英語表現
写真:よく勉強するラウンジ(丸いユニークな照明と自然光が心地良い)日本の大学もこんなスタディスペースを図書館以外にも沢山設けて欲しい。



この間アメリカ人の友人と談笑していて面白い表現で出会したのでこのブログでも紹介したい。
春学期に履修している授業の中で一つだけとてもユニークなクラスがある。テクノロジーが発達したこの時代に珍しくその教授はパソコンやプロジェクターを一切を使わない。毎回分厚いノートを持ち込んでそのノートをベースに講義をするのだ。板書もほとんどないため基本的には耳から得る情報に頼らざるを得ない。
リスニングをしながら重要な箇所をノートに残していく。日本語でも講義をずっと聴いているのは疲れるが、言語が英語になるとその疲れは比べものにならない。
その友人はその教授の授業をとったことがあるらしく、私の悩みにすごく共感をしてくれた。私の悩みは留学生に限ったことではなく、現地の学生も抱いていた共通の悩みだったらしい。顔に笑みを浮かべながら友人が教授をこのように表現した。
“He is old-school.”
私の脳内でビビッと何かが反応するのがわかった。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「[限定]古風な;古めかしい;伝統的な」と定義されていた。
昔気質(むかしかたぎ)の人々のことをこちらではold schoolというらしい。
映画界の巨匠Clint Eastwoodが監督、主演を務めた Gran Torino(2008) の映画にも確かこのold schoolという表現が登場したのを覚えている。
主人公であるWalt Kowalskiは戦時中のトラウマを引きづりつつ晩年をデトロイトで過ごしている。デトロイトは自動車産業の中心地として栄えたが、日本車が80年代から90年代に流行りだし一気に衰退してしまった。もぬけの殻となって治安が悪化した都市に住むKowalskiは自身の愛車であるGran Torinoを磨きつつ、変わり果てたアメリカをどこか憂でいる。
そんな老人を若いアジア人女性がこういうのである。
“You are old-school.”
しかし、このold-schoolにネガティブな要素はなくむしろ褒め言葉のようにも聞こえる。どこかこの言葉には古き良き時代の古めかしさがあるような気がする。
この単語が保守派を意味するconvervativeとは同義にならないのはそのためだ。
なんとなく”He is old-school.”と言い放った彼女からも教授に対するリスペクトの心が垣間見れる。
こんな英語表現に出会うたびに実に英語は奥が深いと思い知らされる。英語を15年以上触れていても私にとって英語は常に得体の知れない謎に包まれた生き物のようである。
ベトナム戦争とその余波で追い出された民族の歴史、アメリカでの自動車産業の衰退、デトロイトという都市の荒廃、アメリカで根強く残る人種差別を意識しながらこの「グラン・トリノ(Gran Torino)」を視聴すると作品は単なる自動車好きの老人の話ではなくなる。16年ほど前に友人に誘われてグラン・トリノの試写会に行ったが、当時大学生の私はそこまで時代背景を理解できていなかった。10年後に再度DVDを見て深く感銘を受けたのを覚えている。アメリカの社会情勢にご興味がある方は是非ご覧いただきたい。
後半から脱線して映画のレビューになってしまい大変恐縮である。
留学を希望する未来の誰かにこのブログが届くことを願って今日も研究に励みたい。

それでは皆さん今日も良い1日を。
きたろう





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最終更新日  2024.02.27 08:20:22
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