[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2021.12.16
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カテゴリ: 宝塚
間もなく令和3年が終わろうとしている。
令和3年と言うより、コロナ2年と呼んだ方がしっくり来るのではないかと思う程、今年もコロナ禍一色だった。
政府は一年中「緊急事態」を叫び、医師会は一年中「医療崩壊」を叫んでいただけだった。
それは踏み切りの警報器と同じで、けたたましく鳴る以外は特に何の役にも立たなかった。

そんな中で開催された東京五輪から僕が得た教訓は、「バッハ1人を止められない国が、戦争など止められるはずがない」という事だった。
そもそも、世界で最先端の医療設備と技術を持ち、他国に比べてコロナ感染者数が圧倒的に少なかったにも拘わらず、ワクチンも開発できずに医療崩壊だ何だと騒ぐしかなかった国が、どれだけ高性能な軍事兵器を揃えようと、実際に戦争が起きればまともに活用できるはずがない。

残念ながら、この国には主体性も決断力も無いのだ。
ほぼ何の抵抗もできずに、日本は世界の時流に巻き込まれて行くだろう。
或いは、政治家は政治家同士で、国民は国民同士で、目先の損得や勝ち負けに気を取られ、不毛な足の引っ張り合いを繰り返している間に、独りで勝手に地盤沈下して行くだろう。
そうなった時、この国にはもうそこから這い上がる自力もアイデアも残っていない。



そんな時代に次の100年を目指す宝塚歌劇団は、4月に公演の一時中断を余儀なくされたものの、その後は何とか無事に続けられる事ができた。
とりあえず良かったと思う。

目下のコロナ禍に対してはまだ暫く試行錯誤が続きそうだが、未来に対しては劇団が何を考え、何処を目指しているのかが漠然とながら見えて来た1年でもあった。
そこまで視野に入れなければならない時代になった、という事なのだろう。

劇団が「ファン離れ」以上に懸念している事は、将来的な「人材不足」ではないかと思う。
今や、ネットやSNSを開けば「音楽学校の不文律」や「ファンによる誹謗中傷」「退団後の進路」など、宝塚歌劇団にまつわる負の側面、デメリットはいくらでも調べられる。
(この点に関しては、宝塚ファンはあまり頼りにならない)
少子高齢化や社会格差が今以上に進み、価値観が変わり、将来への不安が増せば、「わざわざそんな世界に進まなくても…」と考える生徒や親が増える可能性は当然ある。
もしかすると、既にそうなのかも知れない。
だからこそ、時をほぼ同じくして色々な人達が動き始めたのではないか、という気がする。

これからの宝塚は、「若手のモチベーション」と「OGの活躍」がキーワードになるだろう。
ここ数年、多くの若手に新公やバウ主演のチャンスが巡って来たり、2番手扱いを受ける上級生が増えたのは、全てこの流れの中にあると個人的には考えている。
轟悠の卒業によって、2番手・3番手クラスが別箱で主演する機会も増えるだろう。

七海ひろきや美弥るりかの挑戦、天真みちるの著書など、舞台やテレビ以外で宝塚の可能性を広げる事にひと役買ってくれているOG達も増えている。
タカラヅカ・ライブ・ネクストや宝塚OGサポーターズクラブも生まれた。
僕もいちファンとして、タカラジェンヌやOG達の足を引っ張らないようにこれまで以上に視野を広げ、考え、助力して行きたい。
(まあ、実際どれだけ役に立てるかは怪しい所だが…笑)



そんな2021年に観劇したのは、以下の作品。

花組 × 2公演(3回)
【アウグストゥス / Cool Beast!!】× 1回
【元禄バロックロック / The Fascination!】× 2回

月組 × 1公演(2回)
【桜嵐記 / Dream Chaser】× 2回

雪組 × 2公演(2回)
【fff / シルクロード】× 1回
【CITY HUNTER / Fire Fever!】× 1回

星組 × 2公演(4回)
【ロミオとジュリエット】× 2回
【柳生忍法帖 / モアー・ダンディズム!】× 2回

宙組 × 1公演(2回)
【シャーロック・ホームズ / Délicieux!】× 2回


4公演6回だった昨年に比べ、8公演13回とほぼ2倍の観劇数となった。
コロナ禍の影響はあったものの、例年に近い観劇数に戻ったのではないかと思う。
しかし、それ以上に今年はトップスターでは望海風斗と珠城りょう、トップ娘役では真彩希帆、華優希、美園さくら、2番手では瀬戸かずやと愛月ひかる、そして轟悠に彩凪翔と、例年になく多くの中心メンバーが卒業する年となり、全ての大劇場作品を観られたのは幸運だった。
(こうして名前を挙げてみると、本当に怒濤の一年だったと実感する)

その中でベストを決めるのは少々気が引けるが、敢えて選ぶなら芝居では星組【ロミオとジュリエット】、レビューは【Cool Beast!!】と【The Fascination!】の花組を挙げたい。
月組【桜嵐記】や雪組【fff】も確かに素晴らしかったが、組子の成長という点で【ロミオとジュリエット】は作品以上の効果をもたらしたと思う。
『カフェブレイク』からは皆が本当に苦心した様子が伝わって来たし、天華えまがマーキューシオ役で表現した「矛盾」など、新たな気付きもあった。
本作の前後で、若手の顔付きも変わったように感じる。
(天華への「その矛盾を武器にしなくてどうするんだ?」というアドバイス然り、宙組【オーシャンズ11】の時は桜木みなとに「ベネディクトは悪人じゃない」とアドバイスするなど、小池修一郎の演出プランにはハッとさせられるものがある)

レビューに関しては、割と早い段階で【Cool Beast!!】になるだろうと予感していたのだが、【The Fascination!】も負けず劣らず素晴らしい内容だったので、今回は特別に「花組」という選択にさせてもらった。


さて、来年の公演はどうなるだろうか。
オミクロン株の脅威がどの程度か分からないので軽率な発言は控えるが、ジェンヌもOGも皆が無事に舞台に立てる事を願っている。
その上で、素晴らしい作品と巡り会えればファンとしては嬉しい限りだ。

ありがとう!!





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Last updated  2021.12.17 19:02:41


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