[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2023.01.24
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カテゴリ: 映画
今回は「若い世代の間に立ち塞がる、親世代から続く宗教や階級の壁」を描いたアジア作品を2本。
後で調べたら、どちらも女性監督だった。


【あなたの名前を呼べたなら】… 満足度★★★


19歳で未亡人となり、生まれた農村を出て大都会で住み込みのメイドをする女性と、雇い主である御曹司との淡く切ない恋愛物語。
インド映画というとボリウッドのような派手さを想像してしまうが、本作は非常に質朴で控えめな作品となっている。
内容的にも、大きな感動は無い。

しかし、その分、カースト制度を始めとするインドの因習が、現代もなお人々の生き方に大きく影響している現実を、登場人物達の会話からしっかりと感じる事ができる。
個人的には、2人の恋愛よりも、こうした社会的な側面に重点が置かれているように感じた。
決してハッピーエンドとは言えないが、若い世代の選択に希望を見出せる佳作。




【タレンタイム 優しい歌】… 満足度★★★★


舞台はマレーシア。
高校で開催される学芸コンテスト、『タレンタイム』に出場する生徒達の恋と友情を巡る物語。

序盤は登場人物に関する説明がほとんど無いため、話の流れがよく分からないのだが、徐々に彼らの人間関係や家庭の事情が明らかになり、ラストの感動へと繋がって行く。
表面的には10代の瑞々しい青春を描きつつ、親世代の会話ではマレーシアが抱える複雑な民族問題や宗教問題を垣間見せる手法も巧みだ。
(イスラム教徒のマレー系、ヒンドゥー教徒のインド系、そして中国系の学生が同じ高校に通う)

それらが全て集約された中で行われるタレンタイム当日の場面では、思わず泣いてしまった。
劇中で歌われる曲【I Go】と【Angel】も文句無しに素晴らしい。
蛇足ながら、家族の団欒風景がどことなく昭和の日本っぽいなと思っていたら、監督の祖母は日本人らしく、監督も【男はつらいよ】が好きだったとか。







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Last updated  2023.01.25 21:08:38
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