メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jul 9, 2005
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ほとんどのフランス料理店では料理が一皿運ばれるごとに料理の説明が行われる。

洋食店や、ファミレスであんまり慇懃無礼な料理説明はされない。大体分かっているだろうというのが大前提にあるのか、注文に間違いが無いか確かめる程度だ。

料理説明と一言に言っても、それぞれのお店によってまちまちである。
単に使っている食材を羅列するだけとか、さっき見たメニューに記載されているとおりの内容を復唱するだけとか。

料理の説明に入ることによってお客様とのコミュニケーションが図れる絶好のタイミングであることは確かだ。かと言ってお客様どうしのお話が弾んでいるのに遮ってまで行う必要も無いだろう。

もちろん、目の前にある料理を言葉によってさらに引き立てて、
「さあ、食べるぞぉ」
と、興味の湧く様な説明が出来ること。コレが一番だと思う。

何しろ、お客さまは今からその目の前に置かれた料理を食すのだ。ご自身が目で見て分かるものをわざわざ言う必要も無い。「このお味はうんぬんかんぬん」と言う説明も的外れになってしまうことがたびたびある。

直接的な「味」については、心配せずともその料理は何分か後にはそのお客様の口に入っているからだ。
いかにその一皿に料理人の情熱と技術が込められているのかを押し付けることなくアピール出来ることがサーヴィスマンの技術である。

半ば儀式的にフランス料理とは料理を説明されるものだという認識が成り立っているのかも知れない。
ネット上のグルメ掲示板などを読むと
「どこどこの店は料理の説明が無かった」
と書き込みしてあることもあるので、料理の説明を省くのは、なかなか勇気がいるコトなのだ。そのため「楽しませる」ことを念頭に置かないと、勢い「説明」ではなく「アナウンス」に終始しがちだ。




「どうぞ、お待たせしました。えーっと、こちらは小麦粉を水で練って、イースト菌を加えて一晩寝かせ膨らませたのち、オーブンで焼き上げたモノです。」

「……パンでしょ?」

「さすが!お客さま、よくご存知で!フランス料理は食べ慣れてらっしゃるんですか!?通ですねぇ!」





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Last updated  Jul 9, 2005 04:49:07 PM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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