メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Aug 11, 2005
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 フランス料理店を訪れるとどうしても気になるのが「テーブルマナー」
この「テーブルマナー」がどうしても苦手、というお客様もいらっしゃるのは確かで、フランス料理を肩肘が張って敬遠されてしまうものにしている要因のひとつであるかも知れません。

 「マナー」や「エチケット」は社会においてお互いが気持ちよく生活するための暗黙のルールです。「エチケット」はどちらかというと生理的に不快な感じを与えないという意味合いが主でしょうか。例えば、道路につばを吐かないとか、話をしてる時に頭をボリボリ掻かないとかですね。
 ルール、というと規制を掛けるという意味ですので、人間誰しも規制は嫌います。しかし、重要なのはその前の「お互いが気持ちよく」の語句で自分自身も気持ちよく、更には自分以外の人も気持ちよく。そのための行為という事です。

 さて、良く似た意味の言葉で「プロトコール」という語句があって、辞書などを引くと「国際儀礼」とあります。「プロトコール」とは本来、国家間の儀礼上のルールでもありました。今日では世界的な情報の流れが早くなっていますので、企業、個人どうしでも国籍の違う者の交際のルールとして定着しています。

 プロトコールは、国家間で晩餐会などが開かれる時に、お互い歴史や価値観が違うわけですから、食事の際の習慣も当然違ってきます。そこで食事および宴席がスムーズに進むよう取り決めを行う事が「プロトコール」でした。

 あるトーク番組に皇室の儀典長が出演されていました。儀典長という役職は、皇室のメートル・ド・テル、つまりは天皇陛下に替わって宴席を取り仕切る役割の仕事の意です。で、儀典長がおっしゃるには、

「プロトコールとは、食事の席ではこうしておきましょうね。と、あらかじめ決めておく事によって、その決めごとだけ覚えて食事の席に臨んでいただければ、お互いの慣習が違う事に差異を感じないで済みます。そのために用意されたもので、このように振る舞わないといけないという『規則』では無いのです。」

 プロトコールには「たったひとつの正解」はありません。「いろんな人がいる」という事がそもそも大前提なのですから、10人中なら7~8人くらいがよしとする意見が判断の基準となります。そのため、左利きの人ももちろんいるのですが右利きの人が大勢を占めることからテーブルセッティングは右側にグラスを並べて置いたり、右手側にナイフ、左手側にフォークが並べて置かれています。

この、プロトコールに基づいているのが「テーブルマナー」なのです。

 国交での取り決めという大層なものをレストランの食事に反映しようとするのですから、そりゃ肩が凝るわな。と、思われる方もいらっしゃるかも知れません。しかし、「プロトコール」と「テーブルマナー」の関係は「パリ・コレのオートクチュール」と「プレタ・ポルテ」の関係に例えられると思います。デザイナーが手作りの特製品として発表した物が、既製品となり皆の流行となり、流行に乗り遅れると「カッコ悪い」と感じる事に似ているのではないでしょうか。

 「テーブルマナー」とは、国籍や歴史、価値観などいろいろ人には違いがある事を基に、「他の人が見て不快に感じないように」と「その事柄だけ知っていれば自分自身が気持ちよく食事をとる事ができる」という2つの視点から作られています。それは決してレストラン側の都合で、堅苦しくお客様を縛るための「規則」ではありません。






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Last updated  Aug 12, 2005 02:43:22 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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