メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Feb 25, 2006
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 BSEの騒動以来、フランス食材に限らず、内臓類は一部口にする事が出来なくなってしまいました。

 フランス料理においても内臓関係の食材は、アバ(abats)と呼ばれ様々な部位が使用されます。舌、胃、肝臓、鶏のトサカというのも含まれます。また、脳髄、骨の芯を通る骨髄などもありましたが、こちらは特にBSEの影響が懸念されるので近年は使用される事が無くなってしまいました。

 フランス料理で使用される独特の食材に「Ris de veau(リ・ド・ヴォ-)」があります。この「Ris de veau」、仔牛の胸腺肉と日本語で訳されます。「veau(ヴォ-)」が仔牛のことですから、「Ris(リ)」が「胸腺」という意味です。

と、いうことですから、この食材についてのお話は明日にしようと思います。

なぜなら「胸腺」
きょうせん!
今日、せん、、、、

 そんな小ネタはさておき。
 この胸腺とは何かというと、成長すると無くなってしまうことから、仔牛が母親からミルクを飲むための筋肉であるとも言われていました。

 しかし、実はこの胸腺正しくは「外界からの病原菌に対する抗体があらかじめ入った袋」なのです。筋肉というより、内臓の一部です。
 胸腺という器官は人間の赤ちゃんにもちゃんとあるのですが、その大きさは小指の先程で生後間もなく無くなってしまいます。牛や馬、羊などは生後何時間か後には立ちあがる様子が見られるように、運動器官は充分に発達して生まれてきますが、その分内臓器官等の発達は遅く、身体の外部からの病原菌等に対する抵抗を持たずに生まれるのです。
 そのため母牛のミルクは仔牛が摂取する際に胸腺を通り、体に備わっていなかった抗体と共に胃で吸収され、身体に外界からの病原菌に対する抵抗力を持たせるようになるのです。


 Ris de veauは、仔牛の体から取りだした後、大小2つの部分に分けられます。大きいほうを「noix(ノワ)」小さいほうを「gorge(ゴルジュ)」と呼び、料理に使用されるのは大きい葉、noixの部分です。
 Ris de veauはまず8時間程流水にさらし(degorgerデゴルジェ)、丁寧に余分な薄皮を取り除きます(denerverデネルヴェ)、水から火に掛けて湯がいた(blanchirブランシール)後にブレゼ、ソテーなどの調理をされるわけですが、ちょうどよい焼き加減(just cuitジュスト・キュイ)に仕上げるには経験が頼りになることからそのレストランの仕事の力量が測られる食材ともいえます。

 と、言うのも以前、「グルマン」なる冊子が発行されていました。現在では無くなったのですが、ヌーベル・キュイジーヌ華やかなりし頃、フランスのミシュランに倣って、東京、関西のレストランを星の数で表したガイドブックでした。
 当時、編集にあたられた著名なフランス料理評論家の方が、お店に見えられるとやはりこの、「リ・ド・ヴォー」を食されたものでした。ミシュランのような覆面審査ではありませんから、レストランで食事に来られた際には調理場もホールも見事なまでに緊張がみなぎってました。

 そう言えばもう、20年近く前のお話になるのですね。月日の経つのは早いものです。







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Last updated  Feb 25, 2006 01:59:51 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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