マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2007.06.10
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 土曜の夜は大体「日立世界ふしぎ発見」を観ている。世界の色んな「謎」を学ぶことが出来るからだ。とても知的な番組で、撮影やその編集にはかなりお金がかかっているように思う。昨夜は確かスロバキアが登場したはずだ。夜半雨の音で目を覚ます。妻もいない休日の夜はどう過ごしても怒られることはない。眠れないままチャンネルを廻し、色んな番組を観ていた。

 今朝も雨。愛犬との散歩は、彼の生理現象を助けるために必要な最低の範囲に止める。雨の庭で露草が咲いている。西の壁際ではシャラの花も。これは仏陀が涅槃に入った時、身近にあった沙羅双樹の親戚のようだ。だが大樹ではない。去年は咲かなかったのに、今年はピンクの花を咲かせた。玄関脇の白い花の方は今年も花芽がつかないのは何故だろう。

 雨が止んだ頃を見計らい、自転車で市立博物館へ向かう。山越えの道は厳しいが30分ほどで到着。特別展「吉村作治の早大エジプト発掘40年展」が今日の目当て。「ふしぎ発見」でも彼は10回以上登場したのではないか。その都度発掘の現況や苦労話を聞いた。人当たりの柔らかい彼は、現在「サイバー大学学長」だ。そして早大客員教授(工学博士)でもある。

 小学生の頃は苛められっ子でずっと図書室に通っていたとか。そこで読んだ「ツタンカーメン王のひみつ」が引き金になり、22歳で早大を卒業するとエジプトに渡った。勿論発掘をするためだ。だがエジプト政府からの許可は下りない。已む無く彼はイスラム教に改宗し、エジプト人の妻を娶ったとか。

 ようやく発掘の許可が下り、これまで誰も手をつけなかった地区を掘り始める。皆は冷ややかだったが、マルカタ南の「魚の丘」からエジプト史上初めてとなる「彩色階段」を発掘。たちまちAP電によってスクープは世界に伝えられる。以降40年間で「クルナ村貴族墓」、「王家の谷・西谷遺跡」、「アプ・シール南遺跡」、「ダハシュール北遺跡」などの発掘を次々と手掛け、世界に早大調査隊の名を広めた。

 彼の素晴らしい点は発掘品を自国に持ち帰らず、すべてエジプト政府に帰属させたことだ。これで信頼関係が築かれ、歴代の考古庁長官とも親しく付き合っている。また、人工衛星からの写真を発掘に生かしたり、レーダーによる探査技術を導入するなどの新たな手法を考案した。その成果がツタンカーメン王とアンケセナーメン王妃の対の指輪、セヌウの彩色木棺と青いミイラマスクの発掘につながり、第2の太陽の舟の存在確認に役立った。

 全長50mもの巨大な第2の太陽の舟はまだ地下深く眠ったままだ。これを掘り上げるには巨額な資金と膨大な労力が必要なようで、彼の夢はまだまだ終わっていない。ピラミッド建設の労働者達が決して王の奴隷だったのではなく、パンやビールを与えられ給与ももらっていたことや、ナイル川が氾濫して農業に従事できない時期の労働だったことなどが、彼の発掘品によって確かめられたことを私はこれまでの「ふしぎ発見」で知った。

 展示品はツタンカーメン王の遺品のようなまばゆいものではなかった。だが古代エジプトの息吹が十分伝わって来る貴重なものであり、エジプト政府が長年エジプト考古学界の発展に寄与した吉村博士のために、特に日本への貸し出しを許可したものばかりだった。いつもテレビではニコニコ顔の吉村作治さん。あんたは偉い。これからも頑張って発掘を続けてね。そして素晴らしい番組「ふしぎ発見」でその成果を私達に教えてね~♪





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Last updated  2007.06.10 17:58:14
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