マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.06.25
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 宮戸島は難コース 


30分ほどの休憩後、再び班毎に分かれて走り出す。東名運河を渡って、一路野蒜海岸へ。海岸の堤防上は暴走族対策用に柵が設けられていて車は通ることが出来ない。左手に太平洋を見ながら堤防を走るランナー達。やがてコンクリートの護岸から割り石の護岸に変わって走り難くなったため、県道27号線へ降りた。その時B班の誰かが転んだ。東京のT本さんだった。

話を聞くと、前夜例によって雲峰師匠達と痛飲したようだ。転んだのはどうもアルコールが十分抜け切ってなかったせいもあるみたい。幸い軽い擦り傷で済んだが、これが最初の「シグナル」だった。遊覧船の船着場でエード休憩。だが、遊覧船を利用しない我々に対する反応が冷たく、駐車場で食べ物を出してはいけないとの通告。おまけにトイレは屋外のを使用すべしとも。昨年は大雨で観光客がいなかったため、大目に見てくれたのだろうか。トイレを済ませ、ミニトマト1個を口にしてスタートする。

水路に架かる橋を渡ると、そこから先が宮戸島。いわゆる「奥松島」だ。20mほどの水路は太平洋から松島湾へ入る近道として、東名運河と同時に掘削されたものだ。ここでも福島のT木さんが私の説明で納得出来た由。この宮戸島はいわば「八つ手」のような複雑な形をしている島で、縄文時代の貝塚が多いことでも良く知られている。そして標高105mの大高森は絶景の地で、晴れていれば太平洋や松島湾はもとより、栗駒山から蔵王連峰までの大パノラマが望める。

C班先頭のO川さんが舗装道路から山道へ入った。いよいよトレイルコースへ突入。砂利道の上に登り坂が続き、B班との差が無くなってしまった。くねくねした細い道を暫く走り、途中から右折して山道へ。階段を登って行くとやがて無人の鐘撞き堂へ出た。順番を待って一人ずつ鐘を撞くランナー。静かな山道に暫くの間鐘の音が響き渡っていた。小高い山頂で一旦休憩。松の間から太平洋が見えた。ここで班毎に記念撮影。

暫し英気を養った後、山を下る。だが島の突端を巡るこのコースは激しいアップダウンの連続。B班の雲峰師匠とT本さんが次第に遅れ出し、C班の最後方にいる私が引率する形になった。2人が何か話している。「もう今年の奥武蔵は無理だな」とT本氏。「やはり米を食べないと走れないよ」。師匠が諭す。やはりアルコールだけではエネルギー源にはならないと言うことだろうか。

この雲峰師匠は「走る歌人」として有名な方。これまでも20集を超える歌集を出しておられるが、全てマラソンを走りながら詠った作品ばかりだ。60代に入ったばかりの頃は5日連続で100kmを走ったウルトラの達人。そんな師匠を慕って全国に50人を超える弟子がいる。我が走友会の香さんは一字もらって香峰と名乗り、東京から参加されたY田さんは鶴峰さん、神奈川の星峰さんも同じ「峰倶楽部」の仲間。みな錚々たるウルトラランナーだ。

先ほど野蒜海岸で転倒し、今最後尾にいるT本さんは、昨年の1月宮古島で開催された2つの100kmレースに2日連続で参加された方。その猛者も最近は練習で8kmほどしか走ってないとか。厳しい現実だが過去にどんな栄光があっても、長い距離を走れなくなれば「普通のオジサン、オバサン」に過ぎない。70歳に間もなく手が届く2人が迷子にならないよう、前のランナーが曲がった箇所を確認して、再び最後尾に戻る連続作業となった。それに下り坂は良く滑るため、用心する必要がある。<続く>





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Last updated  2009.06.25 17:06:09
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