マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.09.06
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 雷鳥荘にて > 

室堂ターミナルビルへ戻り、リュックを背負う。これから今夜泊まる雷鳥荘まで歩くのだ。初めて来た時は驚いた。何しろ海岸から65km走って雄山山頂まで登り、そこから室堂まで下ってアップダウンの厳しいこの道を歩いた。歩くのはわずか30分だが、疲れた体には荷物も重たく感じられ、足元がフラついたものだ。

「これはウメバチソウで、こっちは猛毒のトリカブト。人間も殺せるんだよ」と、ナースさんの友達のK井さん。ちっちさんは花が咲き終えたチングルマを不思議そうに見ていた。黄色に黄葉したのがイワイチョウ。イチョウの葉に似てるためのようだ。後日チングルマは「稚児車」から変化したようだとちっちさんが教えてくれた。

みくりが池の方へ降りて行き、その周囲を巡る。ここのハイマツの下で初めて雷鳥を見かけたのは、5年前に妻と旅行に来た時だった。今日はエメラルドグリーンの池の水が、深い紺色に変わっている。「みくり」とは立山の神々への奉げ物をこの水で洗ったための命名らしい。つまり「御厨」が本来の意味。

曇っているためはっきりとは見えないのだが、それでも雄大な山崎カールが眼前に展開する。雄山(3003m)、大汝山(3015m)、富士の折立(2999m)に囲まれたスケールの大きい氷河地形だ。そしてそれらの左側には、真砂岳(2861m)、別山(2880m)、剱御前(2777m)の立山連峰が連なる。

血の池からリンドウ池を周って雷鳥荘へ最後の登り。地獄谷から吹き上げる硫黄の臭いが漂って来る。3度目の雷鳥荘。剱御前の陰から、わずかに名峰剱岳(2999m)の特徴ある山容が望めた。宿の玄関でゼッケンナンバーを告げ、部屋割りなどが書かれた資料を受け取る。部屋へ入ると、そこに居たのは2人の女性。宮城UMCのK藤さんとKさん。Kさんはマラニックの部に出場したのだ。

「困ったね」と2人。狭い上に男女4人の相部屋では、布団をどう敷くのかも問題だ。後の一人は富山出身で宮城県へ転勤で来た青年のようだ。先ずはリュックを開け、Kさんに雄山神社のお札を渡す。意外そうだったKさんだが喜んでもらえて何より。ウルトラマラソン談義に夢中になり、大浴場へ出向いたのはそれから1時間以上経ってからだった。

熱いのが沸かし湯。これは万年雪を解かしたもの。そして地獄谷を臨む展望風呂は、少し温いものの天然掛け流しの温泉だ。ゆっくり湯船につかり、今日一日の疲れを落とす。30kmの距離が半分になったが、雄山山頂へ登れただけましか。そう思い直して部屋へ戻ると、A青年が帰っていた。彼に宮城UMCの活動などを皆で話す。そして、私と彼は結局別の部屋で寝ることになった。

新しい部屋には、既に4人の男性がいた。狭い部屋に布団が4つ敷かれ、3人が中で眠っている。新入りの2人は改めて自分の布団を敷くと、もう足の踏み場もない。まあ一晩眠るだけなので、これも仕方がないか。男女相部屋になったのは、多分この山荘が山小屋としての色彩が強いためかも知れない。

6時からの夕食では、雲峰さん以下7名が同じテーブルになり懇親を深めた。山登りをした疲れか、ビールでもかなり酔う。豪華ではないがバランスが良く、体に優しい食事が嬉しい。食後部屋に戻り、隣の男性と話をした。地元の方で、このレースには久しぶりの出場とのこと。生粋の山男らしく、リュックの重さはテントも含めて約12kg。明日は早朝から剱岳方面に登るとのこと。

8時からの懇親会にも出席。人数の関係で全員が座れず、立っている人も大勢いた。つまみはまあまあだが、ビールなどの飲み物が少ない。アルコールに弱い私には、それでも十分な量だった。だが話し声が賑やかで、司会進行の声が全く届かない。解散後もう一度温泉に入ろうとして向かう途中、扉が開いた部屋から賑やかな話し声が聞こえて来た。そのうちの1人に見覚えがあった。<続く>





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Last updated  2009.09.06 15:06:57
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