マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.02.22
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カテゴリ: 健康
 温室から現実へ 

2月11日土曜日。建国記念日の朝は5時に目が覚めた。まだ室内は暗く、読書は出来ない。このためトイレ前の照明で本を読んでいた。それを観た看護師が、食堂の照明を点けてくれた。5時55分体重測定。利尿剤を用いたせいか67.4kgにまで落ちた。血圧は143/104/66で、体温は35度ちょうど。

7時30分、退院に備えて荷物の整理。7時40分から15分ほどベッドでまどろむ。8時。病院での最後の食事。いつも通り少なめのご飯、白菜とネギのみそ汁、もやしと絹サヤのお浸し、玉子と白菜と小松菜の煮物、冷や奴。最後までヘルシーさに徹した内容だった。食後に血圧降下剤1錠と、不整脈予防剤4錠を服用。

8時40分、胸部レントゲン写真撮影。部屋に戻ると同室のZさんが退院の支度を終えていた。9時過ぎにI看護師に領収書を見せ、9時15分に退院後、自宅で服用する薬を受け取る。Zさんのベッドが片づけられ、他の部屋から新しい患者が引っ越して来た。この人もこの病院が長いせいでYさんとは顔なじみ。早速お互いの病状について話し出した。

昨夜ICU(集中治療室)に1泊したXさんはまだ戻らない。きっと部屋に帰ったら、メンバーが変わったことに驚くのではないか。これで4泊5日の病院生活ともお別れ。ナーステーションでパソコンを操作していた執刀医に手術のお礼と退院の挨拶を述べる。「次は外来でお会いしましょう」。若く真面目な彼は、直ぐさま仕事に戻った。

外来では、朝から夕方まで診察し続けるO医師。そして入院患者に対しても長時間手術を担当する彼。一度「食事を摂る時間があるんですか?」と尋ねたら、黙っていた。まだ彼の笑顔を見たことがない。ドイツで最新の技術を習得した彼は、不整脈の手術ではかなりの実績を積んだよう。体力がある今は、治療を最優先させているのだと思う。

贅沢だがバスではなくタクシーで帰ることにした。温室のような病院から一歩外へ出ると極寒の世界。ここで体調を崩したら、折角手術で治癒した意味がない。だが、タクシーの中はタバコの臭いが残っていた。心臓にとっては最悪な環境だが、これが現実の世界なのだ。家に着くと、愛犬がクンクン私の匂いを嗅ぐ。5日ぶりの再会だった。

妻と挨拶を交わし、病院からもらった「病気と食事」関係の小冊子を渡す。手術した日、帰宅する妻に「手術の同意書」を渡した。それを読んで彼女は初めて不整脈と手術の重大さを知ったと思う。それまで私は正確な症状について話してなかったし、彼女もさほど関心を寄せなかった。「これからは出来るだけ薄味にしないとね」。妻は妻なりに何かを感じたと思う。

その夜、私は思い切って妻に話した。不整脈の原因となったことについてだ。妻にも妻の言い分があるようだが、「これからはお父さんの顔をちゃんと見るようにするから」と彼女。独身時代を含めれば46年近い付き合いだが、その間には愛憎や不信なども含めて色んなことがあった。そしてこれから死を迎える日まで、さらに色んなことが起きると思う。だが今回の入院が、お互いの老後をより健康で安らぎに満ちたものに変えるきっかけになれたら嬉しい。

さて、この入院記は病院でのメモに基づいた。だが、睡眠不足や緊張や手術後の朦朧とした意識の中でのメモのため、一部に記憶違いや時間のずれがある。そしてこのブログは退院後の疲労と戦いながら書いたため、錯覚した部分もあった。だがそれはさほど問題ないはず。長々と書き綴った入院記は私のプライバシーそのもので、不快な点も多くあったことだろう。それでも読者の役に立てる部分があれば嬉しい。

長年の走友である香川のTANさんが、このシリーズを読んでいると書き込んでくれた。偶然にも奥様が不整脈のため入院し、私と同じような手術を受ける予定だそうだ。私と全く同じ症状かどうかは分からないが、何かの参考になれば嬉しい。「入院記」は今日で終わるが、この続きについても少々記しておきたい。このため明日からは「激動の退院記」を書く予定だ。根気良く最後まで付き合って下さった読者各位に、この場を借りて御礼申し上げたい。<完>





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Last updated  2012.02.22 17:32:55
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