マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.04.30
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カテゴリ: 芸術論
 映画と美術を楽しむ 

 汗をかくだけでなく、優雅に過ごすのも連休の特権なのでR。映画はシニア料金のため、千円で観られポイントも付くのでR。今回女房と観たのが「わが母の記」。井上靖原作でモデルは彼の実の母。井上靖役が役所広司、母親役が樹木希林、そして三女役を演じるのが話題の宮崎あおいである。主人公の小説家は、長い間自分は母親に捨てられたと誤解し、微妙な心境にあった。

 父の死に際してもさほど心は動じなかった。だが、認知症に罹った母の異常な行動が自分への愛によるものだったことを知り、長年の誤解が解けて行く。小説家が自分の家族を小説に登場させることにどんな意味があるのか。食うために文章を書き、そのことで家族のプライバシーが周囲に曝される。井上靖が置かれた家庭環境が意外に思えたし、小説家の一面もこの映画で分かった気がする。

 水上勉は長男と離別した。やがて数十年後、偶然成人した長男と邂逅する。何故別れたのかは分からないが、きっと複雑な事情があったのだろう。瀬戸内晴美は家族を捨てて恋に走った。そして小説家になり、晩年近くなってから得度した。恋多き女は尼僧寂聴として生まれ変わり、読経の合間に小説を書く。小説家にとっての家族とは一体何なのだろう。

 ブロガーである私もまれに家族を登場させる。だが全ての真実を曝け出すことはない。プライバシーを守ろうとする意識がブレーキをかけるのだ。病気になって初めて原作者は母の愛を知った。だが4歳で別れた時の母の手の微かな感触しか私は覚えていない。連休の映画館は午前中にも関わらず混んでいた。テレビでコマーシャルが流れ、映画の存在を知った人が多かったのではないか。珍しくお年寄り達が多かったのも頷けたのでR。

 さて、今日は美術館へ1人で行った。女房は仕事なのでR。「世界遺産ヴェネツィア展」と言う名の通りどちらかと言えば博物館向きのテーマだが、私にとっては面白ければ良いのでR。ヴェネツィアは普通「水の都ベニス」として知られている。シェークスピアの小説である「ベニスの商人」や、「東方見聞録」を書いたマルコポーロの故郷としても有名だ。

 ヴェネツィアは共和国だった由。それもナポレオンに滅ぼされるまで1100年もの歴史があったことを初めて知って驚いた。干潟の小島を土木工事で海上都市に変えたことや、海底に打ち込んだ長い杭の上に建物を建てたことはテレビで知っていた。だが海上を制覇して貿易で莫大な富を築き、地中海全体の警備役を務めていたとはねえ。

 今回出展されたのは地図や航海図、天体観測器、地球儀、ガレー船の模型、扇子、カットグラスなどの工芸品、貴族の衣類と履物、金銀製の貨幣、古書、各種ゲーム、食器類など157点。同じイタリアでも「ポンペイ」は火山の噴火で滅んだだけに当時の遺物が主だったが、こちらは長い期間使用され、「生きてる資料」の実感があった。

 あの港町で生まれたマルコポーロは、父や叔父と一緒に中国やインドまで遥々旅し、20数年後に帰国した。「東方見聞録」は彼が何かの罪で捕えられ、牢獄の中で口述した作品なのだとか。そう聞くと、地中海沿いの遥かな都市が少し近い存在に感じられたのでR。連休中のこんな学びが、老人の想像力を一層膨らますのでR。





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Last updated  2012.04.30 19:12:21
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