マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.06.01
XML
カテゴリ: 人生論


 その誕生祝いの後、2回も救急車で病院に運ばれたようだ。「さよなら」はユーモアだけでなく、案外本気だったのかも知れない。死の前日、監督は寝言で映画のことを話していたとか。最後の最後まで映画作りが頭の中にあったのだと思う。彼にしてみればまだ道半ばだったのだろう。息子や孫にも映画監督がいると聞いた。彼の遺志はきっと息子や孫が継ぐに違いない。

 先日2010年の我が国の平均寿命が発表された。それによれば女が86.3歳で、男が79.55歳。男女とも前年よりわずかに下がったようだ。言うまでもなくこの平均寿命は、その年の出生児が何歳まで生きられるかの平均予測で、私達成人のものではない。ましてこれから何年生きられるかを保障するものでもない。でも、少なくともその歳まで生きたいと思うのが人情だ。

 だが幕末期はそうではなかった。吉田松陰や坂本竜馬は30代で死んだ。満年齢なら松陰はまだ20代の若さだ。もちろん自分の意思ではないが、彼らは死を賭して行動していたのだから同じようなもの。戊辰戦争で敗れた会津藩の白虎隊に至っては10代での切腹。死を称賛するものではないが、平和な現代ではとても考えられない覚悟の人生だった。

 さて、私の体調は少しずつ回復している。先日までのめまいと吐き気は、間違いなく薬の副作用。これは危ないと思い、妻には何かあったら救急車を呼んでくれと言っていた。だが彼女は本気にしなかったようだ。初めて低血圧になったため、血圧降下剤を2日休んだ。一時は140近かった脈拍が70台まで下がり、逆に血圧はようやく110を上回るようになった。どうやら体が薬に馴染んで来たようだ。

 昨日は少し歩いた。最近隣の市や町でクマが出たとのニュース。この日はとうとう市内にも体長1.5mのが現れたようだ。用心のためラジオを聞きながらの散歩。本当は近所の山に登りたかったのだが、無理せずその麓にあるお向かいさんの畑を見た。畑は木の柵で囲まれていた。イノシシが荒らすのを防ぐためとのこと。帰路は幾つかの団地を迷いながら帰った。2時間8kmのささやかな旅だった。

 今日は昨年津波の被害を受けた地区を、自転車で廻る予定。体調を見ながらゆっくりペダルを踏もうと思う。未曽有の津波で多くの方々が犠牲になった町。それをこの目で確かめるのだ。死を必要以上に恐れることはないが、かと言って侮るのは愚かなこと。「盛者必衰」の言葉を心に刻みながら、生きていることの意味を考えてみたい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.06.01 17:26:08
コメント(2) | コメントを書く
[人生論] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: