マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.06.24
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カテゴリ: 生活雑記
 観光バスは鳴子温泉の手前から江合川に架かる橋を渡り、国道108号線を北に向かった。久しぶりに通るこの道。前回通ったのは走友達と「秋田内陸ウルトラ」へ向かう時。確かこの道も大きな地震で通行止めになったことがあったはず。それが開通して、私は「峠越えマラニック」の候補地にもしていた。その時はまだ元気だったのだ



 あれは6年ほど前のこと。走友会の先輩であるM仙人の車に乗って、「鳥海登山マラソン」に参加したことがあった。鳥海山は秋田山形の県境にそびえる標高2236mの秀峰。レースは山形県側の海岸からスタートし、鳥海山の中腹がゴールの18kmだったが、レース後に仙人が案内してくれた湿原が良かった。鳥海山からの湧水と静謐なブナの森、そして少し離れた滝。素晴らしい旅の思い出だ。

 ひょっとしてあそこへ行くのだろうか。そんな疑問を抱いて調べたのだが、どうやら違うみたいだ。「法体の滝」は何とか地図で探した。だがハイキングコースが、どんな場所なのかは不明。1時間ほどの散歩のため楽とは思うが、装備をどうするかが問題。結局泥除けの「スパッツ」は持たず、トレッキングシューズで行くことにしたのだ。

 国道108号線は淋しい。確か奈良時代、秋田の蝦夷が叛乱した際に、宮城の伊治(これはり)城から秋田の雄勝まで急遽作ったのがこの道だし、平安時代の後三年の役では、源氏が秋田の清原氏を討つため侵攻したのもこの道だ。鳴子ダム、鬼首(おにこうべ)地熱発電所の看板などを観ながら、私はそんなことを考えていた。秋田県境付近ではバスのフロントガラスに細かい雨粒が当たった。

 仙秋鬼首トンネルを過ぎると、そこは秋田県の雄勝町。かつては大和朝廷の出城である雄勝柵が置かれ、一時出羽国府も置かれていた。古代から国家権力が次第に東北を制覇して行った証しだ。今は合併して湯沢市になった。小野集落に「小野小町の故郷」の標示。美人の代表である小野小町は秋田出身であることは定説化しているが、山形県の小野川温泉にも小町伝説が残されている。

 道の駅でトイレ休憩し、再び元の道を引き返す。国道13号線から108号線へ入り、そのまま西行。山間の平原でバスが停まった。旧鳥海町百宅集落で、合併後は由利本荘市の一部。ここはソバの名産地らしく、昼食には立派な天ぷらソバが出た。大きなガラス窓の前方に鳥海山の勇姿。青空の下に、残雪を戴いたなだらかな山容が見渡せた。<続く>





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Last updated  2012.06.24 11:01:21
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