マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.06.25
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 打ちたてのソバと揚げたての天麩羅が美味しかった。ソバは少し堅めで腰があり、天麩羅は暖かい。そして食後に小さくて丸い餅が出た。やはり地元の名産で、名前は「松皮餅」だそうだ。これも少し堅く、中には漉し餡。甘さ控えめでとても美味しかった。早めに昼食を済ませた私は外へ出た。隣に物産市の建物。妻はそこでお土産を買った。

 駐車場に大きな看板。それは由利本荘市全体と近隣まで含んだ観光案内だった。鳥海山をぐるりと取り囲む市町村。そのところどころに湿原や沼がある。地元の人に聞くと、この市は1市7町が合併して出来た由。道理で海から山までと、市域が広いわけだ。私が以前M仙人に連れて行ってもらったのは「獅子ケ原湿原」で、滝は「奈曽の滝」。もっと海岸に近い隣の市にあることが分かった。

 バスは山道へ入る。驚くような細さで、対向車が来ると、どちらかが少し広い場所まで下がる繰り返し。車内で添乗員から事前の説明。若い人だが愛想が悪く、話す内容はほとんど事務的なもの。このツアーの目玉だったレンゲツツジとワタスゲはほとんど終わり、ハイキングコースは泥んこ状態の由。だが、この時はまだそれほど深刻だとは考えてなかった。

 バスは桑の木台湿原の駐車場に入った。市の職員の人が何人かで誘導中。ここから先はさらに道が細く、市のマイクロバスに便乗して湿原へ行くようだ。尾瀬沼へ行く時も同じだが、あれは環境保護のため。地元のガイドさんが2人乗り込んだ。悪路に揺られながら山中を行く。数年前までは約1時間ほどを歩いて行ったとか。これでも楽になったようだ。

 湿原の入口に到着。ここが最後のトイレ。仮設で使い難いが、男子用は簡単だ。女子用は扉が良く閉まらず、妻が入っている間は私が扉を抑える始末。2班に分かれて出発。私達1班の引率はベテランのSさん。年齢は60歳くらいか。2班の引率者は40歳代の元気な方で、Sさんの教え子のようだ。この湿原は観光客に知られてからまだ日が浅く、目下ガイドの養成中なのだとか。

 歩き出して間もなく、戻って来たハイキング客を観てビックリ。彼らの足元は一様に泥だらけ。それがどうしたらあれほど汚れるかと思うほどの凄まじさなのだ。スニーカーを履いた添乗員はバスに残ったが、ようやくその理由が分かった。彼はこの泥道の酷さを十分知っていたのだ。こうなったら覚悟を決めるしかない。やがて問題の泥道が目前に現れた。

 普段は歩き易い道だそうだが、先日の台風4号でかなりの雨が降り、悪路と化している。粘土の上、道幅いっぱいの水たまり。転んだら大変と、必死になって笹をつかむ。もう妻のことまで気が回らない。ツアーで転んだ人も結構いるとガイドのSさん。せめて事前に分かっていたら、泥除けのスパッツを持参したのに。市の職員が所々に臨時の木道を架けている。その幅が狭く、桟木もないため、かえって滑り易い。

 周回路に入ると間もなく、周囲は鬱蒼としたブナ林に変わる。これで樹齢は200年ほどとか。1本のブナは年間8トンの水を吸い上げ、葉っぱの数は20万から30万枚。落葉すると1ヘクタール当たり3トンの腐葉土が出来、これが天然のダムになる由。そして1年間に放出する酸素の量は44人分に当たるそうだ。かつては営林署が積極的に伐採を急いだ時代があったが、今はその貴重さに気づきブナの苗を植林している由。<続く>





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Last updated  2012.06.25 16:40:29
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