マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.02.26
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カテゴリ: 俳句
 雪国からの脱出 

 隣の座席で眠る妻。私は新聞を読み終えると、ウルトラマラソン仲間である「宮城UMC」の文集を読んだ。体調不良で一度もレースに出られなかった昨年の私だが、仲間が頑張る様子を知ると刺激になる。闘病中のU海さんはじめ、K合さん、Cちゃん、O長老、秋田勤務のDさんの活躍ぶりや、事務局長代理のKさんの「みちのくラン」再開へ向けての強い想いが切々と伝わる。

 そして今回もT田さんは別格扱い。昨年参加したウルトラ12レース、フルマラソン7レース、その他5レースの合計24レースと全国の走友の紹介を、堂々27ページにも亘っての大公開。これなら会費を3倍ほど徴収すべきだが、宮城UMCを愛する気持ちに免じて、まあ許して上げよう。

 さて、私達が乗った観光バスは、一路南へ向かっている。今朝も仙台は雪。その雪道を、最寄りの地下鉄の駅までの3.5kmを、妻と42分で歩いた。その疲れや前夜の睡眠不足が、昏々と妻を眠らせているのだ。車外は一面の銀世界。福島県に入っても続く雪道。東北はまだ冬の真っ最中なのだ。その雪景色を観ているうちに作句を作りたくなった。



    銀世界 二つに裂きて 冬の旅   (国見峠)

    みちのくの 雪きらめきて バスツアー   (福島市)



 白河市を過ぎるともう栃木県。那須高原付近までは雪があったが、宇都宮に入ると景色が一変。何と空は青々として光が溢れている。ところどころに見える緑。雪の東北に比べると、ここにはもう一足早く、春が訪れている感じだ。「あの濃い緑色は麦畑ですよ」とベテランの添乗員さん。鹿沼付近のビニールハウスでは、園芸用の鹿沼土を乾かす埃が風に舞っている。



    野に光溢れ 関東春近し   (宇都宮)

    緑濃き 下野の野や 麦畑    (佐野)   しもつけ=栃木県の旧称



 まるで春一番のような強い風の中、渡良瀬川を渡る。僅かの間だが、ここは群馬県。そして日本一の大河、利根川もまた強風のようだ。埼玉の羽生でトイレ休憩し、東京へ入る。荒川の上空は黄砂で霞んでいる。その向こうに東京スカイツリーが見えた。池袋から地下に潜る。珍しい地下のループを廻って地上に出ると渋谷。東京の道路事情もすっかり変わったようだ。



    風轟々 渡良瀬川の 水光る   (渡良瀬川)

    春の嵐 大河悠々 流れ行く   (利根川)

    荒川や 黄砂に煙る スカイツリー    (荒川)


 多摩川を渡ると神奈川県。松田ICから富士山が見えた。青空にくっきりと浮かぶ秀峰が素晴らしい。妻も目を輝かせて富士の姿を追う。バスはこの旅最初の訪問地である、曽我の梅園に向かった。<続く>



    不二の山 威風堂々 春近し   (松田)     ふじ

    雪煙なびかせ 富士は一人立つ  (松田)  





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Last updated  2013.02.27 05:58:54
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