マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.12.17
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カテゴリ: 健康
<12月13日(日)入院4日目>

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 4時に目覚め、そのまま起床。病室内はまだ暗いまま。パジャマの上からセーターを羽織り、靴下を履いて廊下へ出る。それ以上は眠れないと考えて、短歌を詠もうと思ったのだ。トイレの前が明るいので、そこに椅子を置いて構想を練る。入院後の状況を思い出すままノートに記録するが、どうしても順不同になってしまう。通りかかった看護師さんが不審そうな顔。それを気にせず短歌作りに没頭。結局この日夜までに詠んだ歌は、70首ほどになった。だからこれまでブログに添えた歌は、すべて4日目以降の作だ。


      眠られぬ夜は短歌を詠ひつつ 頭の中に言葉を刻む
      柔らかきベッドは我に合はずして 四日四晩の背中の痛み
      病得し老ひの身なれど手術後は 生への意欲ふつふつと沸く
      白々と夜は明け初めて朝となる 明日はいよいよ退院の日ぞ



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 6時。体重69.15kg。6時30分。体温35.6度、体内酸素量98%。血圧は高めに現れた。8時。朝食をクリスマスツリーが飾られた食堂で摂る。メニューは焼き魚(鮭)、白菜のお浸し、大根の味噌汁などを完食。部屋に戻ってミカンを食べる。その後に薬を服用し、髭を剃る。病室から外の景色を眺めた。私のベッドは壁際なので、普段は外の景色が見えず、他の患者がカーテンを開けた時にしか見えないのだ。


     血圧はやや上昇す短歌詠み 廊下を歩む四日目の朝
     青葉山薄紫の朝の空 わが病室の十階の窓
     銀色の車輌三輌橋の上 十階病棟地下鉄眺む 
     病室は温室なれど窓の外 師走の風は冷たきものを
     入院はテレビパソコン打ち捨てて 読書短歌のアナログの日々


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 10時執刀医のO先生が病室に顔を出して挨拶。日曜日まで病院勤務とは、よほど忙しいのだろう。10時45分「12方向心電図」をベッドの上で撮る。その後ナースから退院後の生活について指導。O先生は何をしても良いと言うが、今後1カ月が重要なのはこれまでの経験で分かっている積り。午後1時からシャワーの希望を伝え、荷物の整理を始める。何度も立ったり座ったりを繰り返したせいか、急に気分が悪くなる。心電図に異常はないと、確認したナースが言う。


     四日ぶりシャワーの準備その途中 体ふらつき手先冷へたり


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 12時食堂で昼食。メニューは白身魚のカレー風味、キュウリの酢の物、オレンジ、牛乳。またまた残さずに全ていただいた。今日は日曜日のせいか、たくさんの見舞客が病院を訪れた。だが妻は買い物があると言って、今日は来ない。


     クリスマスツリー輝く食堂に 見舞ひの家族けふは日曜


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 13時。シャワーのため一時モニター心電図を看護師に外してもらう。浴室に行くと太った先客が1人体を洗っていた。そこへ若い看護師が来て、「酸素吸入の患者が入るが良いか」と聞かれる。もちろん断る理由はない。シャンプーを済ませ、タオルに石鹸をつけて体を洗う。若い看護師がいるので気が気でないが、これもまた勉強のうち。今日はシャワーだけ解禁で、入浴許可は明日帰宅してから。それでもさっぱりとした気分で浴室から病室へ戻った。再び心電図装着。


     シャンプーと体を洗ふ十分間 手術の汚れ全て流して
     酸素付き看護師付きの入浴に 「これは良いね」と老人笑ふ
     さっぱりと心と体のリフレッシュ 再び胸にモニター装着


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 14時血圧測定。150/92と高め。脈拍数49。30分後にもう一度測定したが、今度は160まで上昇。これまでの入院でも、術後3日目くらいから血圧が一時上昇することがあった。恐らくは心臓内の傷を必死に治そうとする防衛本能のように思うのだが。14時50分ヨーグルトとミルク煎餅2枚を食す。15時の測定で2度とも血圧は高いまま。それでも多分心配ないはず。


     モニターの心臓波形見守りし ナースステーション頼もしきかな
     六時間手術に耐へしわがヘルツ* けふは高めの血圧となる   
                 *ドイツ語で心臓の意味
     血圧は変動せしも心臓の 波形は常に安定せりと


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 18時夕食。メニューはボリュームたっぷりの他人丼(豚肉、卵、タマネギ、ゴボウ)。レタス、キュウリ、ミニトマトの野菜サラダ。ヒジキと野菜の煮物。そして香草とシメジのお吸い物。退院前夜の晩餐に相応しい内容かもね。


     セーターを羽織りて食す晩餐は 退院前夜心臓食の
     仙台の煌めく夜景見降ろして 我は食さむ他人丼


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 病棟には男性の看護師がいることが分かった。他の患者には結構横柄な口調だったが、私に対しては常に謙虚な受け答えをした。私が時々ノートに何かを記しているのを見ていたのだ。私は短歌をメモしていたのだが、彼は院内の苦情でも書いてると誤解したのかも知れない。てきぱきした男性看護師も必要な時代だ。

 ナースステーションの奥に、重症患者専用の病室があることを知った。19時の測定でも血圧は高めに出た。こうして入院4日目の夜も更けて行った。いよいよ明日は退院の日だ。<続く>


     男性の看護師もゐててきぱきと 患者乗せたる車椅子軽し
     十階のナースステーションその奥の 重症病室静まりてゐし
     「生きるとは何?」入院し想ふこと 人は歳老ひ必ず死すを
     一度たりもナースコールは押さざりき 最後の夜も穏やかに過ぐ 





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Last updated  2015.12.17 06:38:36
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