マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.12.16
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カテゴリ: 健康
<12月12日(土)入院3日目> 

2ドクター.jpg

 ずいぶん長い間ベッドに寝ていた。3日目の朝を迎えた。前日は雨だったのに、この日は晴れたようだ。7時20分、執刀医のO先生が病室に顔を出す。私の顔を見て安心したのか、直ぐに病室から出て行った。今日は土曜日で手術はないはず。先生もようやく帰宅出来るのだろう。透明な尿管カテーテルを通して、尿が流れて行くのが見えた。尿意は全くないのに、とても不思議な感じだ。


      病癒へ眩しき朝を迎へたり あと幾許の命なれども      
      手術日は雨の朝なり翌日は 朝日輝き病室照らす
      アブレーション*病巣は五箇所そのうちの 二個は派生しものとドクター
             *心筋焼灼手術
      つつつつと透明の管流れ行く 美しき液聖なるハルン* *ドイツ語で尿のこと 


4ナース2.jpg

 7時30分。若いドクターが来て、脚の付け根のカテーテルを挿入した箇所の回復具合を確認。点滴装置を押しながら、少し廊下を歩いて来いと言う。出血はなかったため、絆創膏で固定していた止血バンドをバリバリと外す。ベテラン看護師が来て測定。血圧は正常値。体温36.6度と1度高い。これは体内の傷を治すために戦っている証拠。体重69.25kgと過去最高値。点滴が原因だろう。


10-2減塩生活.jpg

 9時に遅めの朝食。今日も野菜が中心のおかずだ。今朝は自分で起きて食べ、完食。歯磨きし、紙タオルで洗顔。今朝から服薬再開。ただし脈拍抑制剤は飲まなくて良くなった。その後尿管カテーテル装置を外し、体を清拭。手術時の汚れが落ちてようやくサッパリした感じ。汚れた手術着からパジャマ方式の入院着に着替えて落ち着く。


      手術着を脱ぎて点滴、止血措置 全てを外し体を拭ふ


 アブレーション手術概略図 9アブレーション手術.jpg

 その後ベッドに寝ながらレントゲン撮影。胸部は肺に穴が開く「気胸」などのチェック、そして腹部は胃拡張などになってないかのチェックのため。高熱のアブレーション手術は、心臓付近の臓器にも影響が出る場合があるのだ。つまり手術による後遺症が何%かの確率であると言うわけ。トイレで小便。最初の時は血が混じった尿がたった1滴出ただけ。2度目、3度目も尿道の傷が猛烈に痛む。


      キリキリと尿道奥に痛みあり そを堪へつつ尿(いばり)を放つ


花3白菊.jpg

 昼食は歩いて食堂へ行き、そこで摂った。おかずはヒレカツでいつもよりボリュームがあった。野菜サラダ、ご飯も全て完食。売店でヨーグルトを買い、病室でミカンと一緒に食べた。ささやかな手術成功のお祝いだ。


      めでたさも中くらいなりおらが冬 手術成功ヨーグルト食ふ


3ナース1.jpg

 13時40分。看護師が来室し測定。血圧は117/79、脈拍数61と安定。体温は35.6度の平熱に戻る。15時、点滴装置を外す。残ったのはモニター心電図だけ。これでかなり身軽になった。夕方近く妻が来院。初日は地下鉄の「北4番丁駅」まで歩き、昨日は雨の中を「国際センター駅」まで歩いてずぶ濡れになった由。野菜の買い置きが無いと言うので、畑の白菜やブロックリーを収穫したらと言う。今日も途中まで歩いて帰るらしい。


      全身の装置外して身軽なり 明日はいよいよシャワー解禁
      看護師の若き肢体の美しき 熱き情熱白衣に包み
      美しき女性働く院内の 尊き姿朝な夕なに


南天.jpg

 18時夕食。おかずは例によって薄味の野菜の煮ものと煮魚(カレイ)など。今回も全て美味しくいただいた。18時50分看護師が病室に来て測定。血圧は137/90と上昇。脈拍数54。体温35.6度。体内酸素量98%。その後食堂で読書中に寒さを感じ、慌てて病室に戻り布団に入った。まだ手術の翌日。油断は出来ない。


6患者1.jpg

 この日もたくさんのことを見聞きした。運転中に脳血栓の一歩手前になり病院に担ぎ込まれた患者。運転中に失神した患者。危うく腹部の動脈瘤が破裂しそうになった患者。肺の機能を回復するために、必死で筒を吹いてる患者。リハビリのため廊下をゆっくり歩く患者。見舞客と競馬の話に夢中の患者。テレビを点けっ放しにして眠りこける患者。地方からやっとの思いで入院した患者。まさに世の中は様々だ。


      痛みあり苦しみもあり悩みあり それらも全て己が人生
      新聞を買ひてニュースに目を通す 入院三日の世界と日本
      薄暗き廊下を歩む老人は リハビリらしき退院前の


花7山茶花赤.jpg

 それに見舞いに来た家族の話も、聞くともなく聞いてしまった。まだ高校生や中学生の子供のいる患者の今後の人生が気がかりだ。私と同じ手術を受けた患者は明日退院の予定と聞いた。優しそうな奥さんが、いつも一緒に傍に付き添っていた。病院とはまさに人生の縮図。天国もあれば地獄ともなる。入院3日目の夜も更けて行った。<続く> 

      病院は社会の縮図様々の 病抱へて人集ひ来る
      病室に個人情報飛び交ひぬ 患者と家族お見舞客の          





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Last updated  2015.12.16 10:48:34
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