マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2018.06.17
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カテゴリ: 俳句
~わが凡庸の道~



           走り梅雨クジャクサボテンに花ひとつ

 鉢植えのクジャクサボテンが咲いた。いつもの年よりずっと早いせいか、色も淡くて小さな花だ。陰鬱な梅雨空を吹っ飛ばすため、夏の季語で句を詠もうと思う。何事も練習。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。それぞれの句に相応しい写真を選べば良いのだが、ここは最近撮ったアジサイを使おうか。撮った写真は極力生かす。それが私のブログの方針。駄句としばしお付き合いいただけたら嬉しい。



          米買ひてつなぐ命やつゆ晴れ間

 米を10kg買った。半年ぶりで、値段は3220円。一応2軒のスーパーで値段を比較した。一等米ではないが、米どころの銘柄米なのでそんなに不味くはないはず。一人暮らしは食欲があってなんぼ。工夫しながら健康を維持する日々だ。



          梅雨晴れや美女と呼ばれし花ありぬ

 長崎のブログ友ローズコーンさんのブログを拝見して詠んだ一句。バーベナには「美女桜」と呼ばれる種類があるらしい。またオトギリソウの仲間であるビヨウヤナギの別名は「美女柳」。あいにく美女とは縁のない男だが、せめて俳句の中では美女を詠みたい。



          草むしり一雨ごとの難儀かな

 雨後の竹の子ならぬ雨後の雑草は強い。この季節、庭と畑の雑草の勢いには凄いものがある。まあ彼らも生きているのだから当然だ。体調と相談しながらの草取り作業。だがこの時期は、取っても取っても草が生える。諦めがちなのが人間だが、これも人生修行。かくして連綿と修行続きの昨今だ。



          トマトの実まだ青いのが二つ三つ

 トマトは雨を嫌う。あんまり雨が続くと水を吸い過ぎ、やがて茎が腐って来る。土に潜んでいるウイルスが悪さをするようだ。どれくらいの雨なら耐えられるのかを見極めるのも経験。ビニールを張るのが面倒な私は、支柱に何本かのビニール傘を結わえて凌ぐ。さて今年の梅雨はいかがなものか。



          一匹の蚊に線香の臆病さ

 先日台所の水道の調子が悪くなった。工事の人に来てもらったが、工具を持って出入りする際に蚊も一緒に侵入。腕が痒くて見たら、蚊に食われた痕がしっかり。慌てて蚊取り線香をつけた。21年前に家を建てた時に買った年代物。しかし日本製品の優秀さは、年月を経た今でも効き目があることで証明される。「日本の夏。金鳥の夏」。そんなコマーシャルも遠い思い出になった。



          カタツムリ行方不明の妻に似て

 幻想の句である。妻は去り、四国在住の娘一家と暮らしている。実父の死後、彼女は次第に精神のバランスを欠き、その13年後裁判所に離婚調停を訴えた。若き日の彼女は一体どこへ消えたのだろう。今ではカタツムリも妻も見当たらない家。わが結婚生活と家庭は、蜃気楼だったのだろうか。



          梅雨寒や句も覚束ぬ手のふるへ

 梅雨寒が続いている。鬱陶しいだけでなく、心までもが寒い。血行障害ぎみの私にとっては厳しい日々。ヒーターを点け、コーヒーを飲み、熱い風呂に入ってようやく暖まる。手の震えは梅雨寒のせいとしても、句が出来ない理由は何か。来週はいよいよ俳句教室。当日も雨の予報だ



          いざわれも紫陽花の句を詠まんかな

 凡人の第5位の句。下手なりに自分の言葉で句を詠み、歌を詠む。乏しい語彙。貧弱なイメージ。だが文法を知らないせいで恥とも思わない。自分の世界が創れたら良い。他の人にじゃ詠めない世界を詠めたら良い。紫陽花の色は様々で、人生も多分一緒のはずだ。



          紫陽花や母は木偶のごと死にゆける   *でく
          あじさゐや幸薄き母しのばれて

 4歳で生別した母が死んだのは私が54歳の時。まる50年別れて暮らしていたのに、病室に横たわっていた母は私のことを覚えていた。その3日後に死んだ母。幸薄い彼女は、敬虔なクリスチャンだったと聞く。紫陽花に、長い間一人で暮らした母の姿を重ねる。私も一人、梅雨寒に震える日々だ。



          あじさゐに恥ずることなく生きゆかん

 この世に恥じることなどない。また人に恥じるような生き方もしてはいない。何とでも言わば言え。私は私らしく生きて行く。紫陽花にまだ色がついていないように、残された自分の人生も無色。はたしてこれからどんな花が咲きどんな彩がつくのか。



 神奈川のTさん夫妻に手紙を書いた。第一子の誕生祝いにデパートの商品券も同封した。人生初めての「頼まれ仲人」をして17年。ようやく授かった彼らの赤ちゃんだが、わが暮しにも大きな変化があった。手紙にその経緯を記し、私のことはもう忘れて良いと書いた。おめでとうTさん、そしてH美さん。人生はドラマ。これだけは先輩として自信を持って言える。これからも仲良くね。

     仲人の務め終えたる心地なり 子の誕生を祝ひし後は





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Last updated  2018.06.17 00:00:28
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