マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2020.03.07
XML
カテゴリ: 生活雑記
<食事・いのちをつなぐ行為 その1>



 「行」で先ず思い出すのが比叡山延暦寺の「千日回峰行」。これはほぼ不眠不休で経を唱え、1日40kmから80kmまでの山道を、神仏を拝みながらひたすら歩き続けるもので、それが約千日間続くことから「千日回峰行」と呼ばれ、これを達成した者は確か「大阿闍梨」(だいあじゃり)と言う称号を受ける。大変名誉ある称号で、これまでこれを授けられた僧はほんの数人と言う荒行なのである。



 また思い出すのは、曹洞宗の大本山である永平寺の修行。ここで修行する僧は、早朝から深夜まで厳しい鍛錬の場を与えられる。寒さ厳しい山中でも素足で、腰を屈めながら掃除をし、乏しい灯の下で経を読み、読経しながら僧堂を巡る。食事は一汁一菜。これを作るのもまた僧で、命を粗末にしないため、野菜は葉のみならず根も全て刻んで食す。そして最後は茶碗に入れてもらった白湯で茶碗を濯ぎ、それも残さずに飲み干す。グルメに慣れた青年など多分一日も持たないであろう質素さ。それが一年間続く。



 私は今回約40日ほどの断捨離、清掃、模様替え、美化、庭の改造に取り組んだ。睡眠時間は4時間足らず、断捨離中は1日15時間ほど家中の不要物品を処分する重労働に耐えた。家の中の物品の9割を捨て、その総重量は恐らく4.5トンに及んだであろう。それをゴミ収集日の前夜、自転車の前後に載せて、収集所まで運んだ。腰、肩、肘、膝、手、指は痛み、その苦痛と重度の疲労に耐え続けた。



 その「荒行」に耐えられたのは、長年の趣味であったウルトラマラソンによって培われた「忍耐力」であろう。そしてそのエネルギー源は、自らが作る「貧乏料理」。「見切り品」多用の男料理は、見栄えも悪く、カロリーも成人男子に必要なカロリーの6割程度と思われる。野菜が中心で動物性たんぱく質は不足気味。だが、私は毎回感謝して食べ、食べ終われば直ちに食器を洗う。独り暮らしの私にとっては、まさに「行」そのものの日々であった。



 私はほとんど既製品を買わない。今回は時間の節約と体力消耗を避けるため、珍しくインスタントラーメンを買った。恐らく食べたのは20年ぶりくらいだろうか。1日3食全てが手作り。しかも素材は自らが育てた野菜か、スーパーで購入した見切り品中心のもの。調味料も限られているが、そこは知恵を使う。男は「想像力豊か。在庫品の何を使って、どんな味にするか。買った時からほぼ決めている。



 おでん(左)は自家製の大根とジャガイモを予め圧力鍋で煮て時間を節約し、2割引きで買ったはんぺんと「手羽先」を入れた。味は適当だが出汁が効いて実に旨かった。右のシチューには「粉茶」の残りを入れた。それで全体が緑色に見える。捨てればゴミだが、使えばカテキンとビタミンC豊富な食材と化す。何せ他に家人がいないので、見た目は無関係。何でも美味しく感謝して食べる男なのであった。



 茹でる順番も熟慮する。左は昆布の芯。海水で煮てるため塩辛い。これを刻んで最初に茹で、その茹で汁で右の若鶏のレバーを茹でる。するとレバーの臭みが取れる。実はもう1段階あって、レバーの前にモヤシと絹サヤを茹でた。そして茹で汁はそのままシンクに流さず、裏庭の野菜の残骸や剪定枝の堆積所に捨てる。シンクのぬめりと汚れを防ぎ、かつ堆肥の促進を助け、一石二鳥なのである。男は手間と知恵を惜しまず、「24年点検」時も汚水管はとてもきれいだったと点検員の弁。よっしゃ~。<続く>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020.03.07 11:14:23
コメント(2) | コメントを書く
[生活雑記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: