マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2021.09.24
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カテゴリ: 俳句
<尾崎放哉(おざきほうさい)の巻>



 尾崎放哉(おざき ほうさい 1885-1926)鳥取県鳥取市出身で本名は尾崎秀雄。旧制一高俳句会当時「層雲」の荻原井泉水に師事し、自由律俳句に目覚める。東京帝大経済学部を卒業後東洋生命保険(現在の朝日生命保険)に入社。大阪支店次長を務めるも辞職して「無所有」を信条とする一灯園(香川県小豆島)に住まい、俳句三昧の生活を送る。一灯園隣の廃寺で極貧の中で病死。享年41歳。



       よき人の机によりて昼ねかな

       咳をしても一人     *せき

       すき腹を鳴いて蚊が出るあくび哉    *かな

       今日一日の終りの鐘をききつつ歩く

       子供等さけび居り夕日に押合へる家   *おしあえ

       渚白い足出し     *なぎさ

       墓の裏に廻る





            貧乏して植木鉢並べて居る

            雨の中泥手を洗ふ

            一つの湯呑を置いてむせてゐる    *ゆのみ

            入れものがない両手で受ける

            こんな大きな石塔の下で死んでゐる

            淋しい寝る本がない

            底が抜けた柄杓で水を飲まうとした    *ひしゃく



       冬川にごみを流してもどる

       犬よちぎれるほど尾をふってくれる

       犬をかかへたわが肌には毛が無い

       朝早い道の犬ころ

       迷って来たまんまの犬で居る

       山茶花やいぬころ死んで庭淋し

       すさまじく蚊がなく夜の痩せたからだが一つ    *やせ




 絵は3点とも山下清(上1922-1971 放浪の画家でペン画やちぎり絵細工が得意)の作品です。彼の半生は芦田雁之助主演の「裸の大将」のタイトルで映画にもなりました。<完>





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Last updated  2021.09.24 00:00:15
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