マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2022.04.08
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カテゴリ: 生活雑記
~虚構と真実/戦争と人生~

  カムカムの一場面

 祖母の安子がひなたを自分の血縁だと感じたきっかけは、多分小豆を煮る際の「おまじない」だったのではと思っている。ジョーとるいがアメリカに渡ったり、安子がアニー・ヒラカワと言う名で日本に来たりと、話が飛び過ぎの感もあるが、100年物語と言う時代設定では止むを得ないとも思う。



 回転焼き屋のオバサンが記念リサイタルでジャズを歌う不思議。玩具のピアノを弾いていたジョーが本格的なジャズピアニストに変身してしまう不思議。戦後間もない時期のクリスマス、浮浪児のジョーが楽器代わりのビンを吹いていた不思議な縁。るいはルイ・アームストロングの「サニーサイド・ストリート」を歌うのだが、日本語に訳すと「ひなたの道」になると言う「おち」。



 最後に母と娘は抱き合う。別れて以降、きっと80年以上の歳月が流れたはずだ。母は娘に「アイラブユー」と言い、娘は母に「憎しみも愛す」と母に詫びる。追想場面では学徒出陣前の夫「ミノル」まで出て来た。出征前にミノルが名付けた子供の名前が「るい」。その名こそが物語の全てを繋ぐキーワードになった。桃太郎が「雉眞」の野球部員とのおまけまでついて。昔ラジオで聞いた「カムカム」の歌が、今も私の耳に残っている。

        ドニエプル川と流域   

 今回の戦争で何度かウクライナの地図を見た。最初にドニエプル川を見た印象がその「不思議な形」。中流域から下流域にかけて沼のようなものが見える。調べると6つほどのダム湖と判明。そして支流も入れるとこの川はロシア、ベラルーシ、ウクライナとこの戦争に関わった3つの国家すべてを流れる大河だった。この川のお陰で文化が栄え、豊饒な穀倉地帯になった。そして土地を奪う戦争の原因にも。

  ドニエプル川

 私は最初、ドニエプル川とドナウ川(ダニューブ川)が同一の河川だと勘違いしていた。言葉の響きが似てると感じたのだ。ドナウ川はドイツ南部の森林地帯を水源とし、8ケ国ほどを流域としてドニエプル川同様に黒海に注ぐ。長さはヨーロッパで2位の大河だ。これとは別にドン川がある本流はロシアで河口はアゾフ海だが、支流がウクライナを流れている。今回の戦争で何度も聞いた「ドネツク」州だ。

  キーウ市内のドニエプル川    

 ウィキペディアで調べて知った。ドニエプルの「ドニ」、ドナウの「ドナ」、そして「ドン」とそれに因むドネツクの「ドネ」も発音こそ異なるが全て「川」の意味とのこと。つまりそれぞれの流域や民族は異なっても、言語としては親戚関係にあり、同じ語源なのだろう。ワルツの「ドナウ川のさざなみ」や小説「静かなるドン」の名が思い出される。



 今回の戦争を通じて、私はウクライナの国歌を知った。国歌の名は「ウクライナは滅びず」。豊かなこの国はこれまで何度も戦争を体験して来たのだ。そしてウクライナの国花はヒマワリ。青い空と小麦やヒマワリの黄色はウクライナの国旗の色だ。そして一面に続くヒマワリ畑の地下には、多くの死体が埋まっている。ロシアの若い兵士のポケットにヒマワリの種を入れたお婆さんが兵士に言った。あんたが死んだらきれいなヒマワリが咲くんだよと。そんなエピソードを実際に見聞きした。

                   映画のポスター   

 今回の戦争をきっかけにして1本の映画を知った。52年前に制作上映された「ひまわり」。第二次世界大戦時、ソ連(現在のウクライナ)に派遣された1人のイタリア兵とその妻の話。ネタバレになるので詳しくは書かないが、妻役の女優はソフィア・ローレン。52年前と言えば私が結婚した年。映画のことは知らなかったが、世界的に有名な女優は名前も顔も知っている。戦争にまつわる悲劇みたいだ。

  夕暮れのキーウ

 今回の戦争でこの作品がクローズアップされ、リバイバル上映の動きがあると聞く。私はyoutubeでPR用の短編を観たが、時代をほうふつとさせるモノクロで、悲しい場面だった。戦争は国家や民族を狂わせるばかりでなく、人間の運命を大きく左右する。私の父も戦地で負傷し、傷痍軍人として帰国した。遠い昔の話。現在の平和なわが国では、飢餓を経験した人もごくわずかだと思う。





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Last updated  2022.04.08 09:50:03
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