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これがアイエーの銘柄紹介の1つ目です。
ここから順に読んで下さい。
僕はこの銘柄が大好きです。売買を始めてからもう長い付き合いです。
決して主力銘柄にはなりませんが、大抵単元株未満でポートフォリオの末席に居ます。
しかし他の投資家さんでアイエーの事を書いている人は殆ど見かけません。
みんなアイエーのことにもっと興味を持とうよ!
ということで、今回はアイエーの紹介をしたいと思います。
アイエーは、どこからどうみても万年割安株です。PERはこのところずっと5倍前後で推移しています。2006年のライブドアショック前でも10倍ちょっとでした。
比較的安定した収益で、これはいわゆるバリュー銘柄だと思います。
しかし残念な事に、バリュー投資家さんが好むような銘柄ではないようです。この銘柄を保有しているバリュー投資家は殆ど見かけた事がありません。
バリュー投資家が保有しない理由を色々と妄想してみましょう。といっても彼らの頭の中はスッカラカンですので、思考回路は単純です。複雑なのは投資哲学。本来単純明快であるはずのバリュー投資についての哲学が、良く分からん事になっているのです。地に足が着いていないでフワフワしてるのです。捉えどころがないのです。困ったもんです。
さて、それでバリュー投資家がアイエーを保有しない一つの理由としては、アイエーは借金が多かった事が理由にあげられます。元々少なくない負債がありましたが、2007年辺りに急増。しかし売上や利益は伸び悩んでいました。これが二つ目の理由です。もう一つ、キャッシュフローが良くないという事もあると思います。キャッシュフローがよくないというのは何だかよく分かりませんが、PCFRが低くないという事のようです。PERは低いけどPCFRはそれほど低くない。というような良く分からない話です。
低い自己資本比率と伸び悩む収益。PERの割に高いPCFR。これがバリュー投資家が投資を行わない理由にあたると思います。他にももっとあるでしょうが、考えるだけ馬鹿馬鹿しいので割愛します。
しかし、これはアイエーが万年割安株である理由ではありません。アイエーが万年割安株である理由は後述します。
ところで、万年割安株への投資を行う際は必ず何故その銘柄が万年割安株であるかの理由について、自分なりの考えを明確にしておくことをオススメします。この理由が明確である方が、外部環境が大きく変化した際にその銘柄が受ける影響を推し量ることが出来るからです。これは、株価変動の話です。株価変動の大きさを推し量る。自分の推測と違うなら、鞘を抜いても良いかもしれませんね。
株価変動よりも業績変動の方が重要だ、とバリュー投資家さんは言うでしょう。もちろん業績変動も重要ですが、業績変動については万年割安株よりも万年割安株以外の銘柄により注意するべきでしょうね。
少し乱暴な表現になりますが、万年割安株への投資は、投資をした時点で殆どやる事は終了しています。投資をしてから色々業績推移を調べて気を揉んでも仕方がありません。バリュー投資家のように、下方修正に驚いて万年割安株を売る、という投資手法で良い結果を得るのは難しいでしょう。超絶下方修正を発表して多くのバリュー投資家が匙を投げた万年割安株のその後の株価推移の多くが堅調であることについて、バリュー投資家はもう少し真剣に考えた方が良いでしょうね。バリュー投資家の反射神経は投資家の中で最も鈍いので、悪材料が出てから売るのでは、『バリュー投資家が投げたそこが底』という状況になりかねません。自分のやっている事をよく理解していない投資家の典型でしょう。そのような投資家は腐ったミカンです。他の投資家をどんどん腐らせてしまいます。バリュー投資という籠の中に一つでも腐ったミカンがあると、他のミカンがダメになってしまいます。困ったもんですね。
さて、アイエーの話に戻ります。
このアイエーはあと数年したらバリュー投資家が注目し始める事になるでしょう。或いは、もっと早いかもしれません。
僕は気が付けば10年近くもバリュー投資家の言動をフォローし続けた投資哲学マニアですので、あと数年したらバリュー投資家が注目するだろうなぁという銘柄を嗅ぎ分ける能力に比較的秀でているつもりです。(あくまで比較的というレベルです)
そのような銘柄を先回りして買っておいて、バリュー投資家さんたちが注目し始めたら徐々に徐々に売り上がる。そのような投資はかなり効率的な投資手法だと思っています。実際、そのような投資のパフォーマンスは意外なほど良い結果をもたらしています。
アイエーはどうでしょうか。今後暫くしてバリュー投資家の注目を集め始めるのなら、今から投資をして良いパフォーマンスを得られるでしょうか。
正直なところ、僕には分かりません。アイエーに投資をして良いパフォーマンスが得られるというイメージがなかなか付かないんです。付き合いが長いですからね。
アイエーはある程度業績推移を見守っている投資家なら分かると思いますが、かなりへっぽこです。光り輝くものを持っていません。どちらかというと、株価が上がらない万年割安株の特徴を備えています。証券コード1つ違いの7508G-7HDの方がキラリと光る特徴があります。今バリュー投資家が注目するのは、どちらかといえばアイエーよりG-7HDの方でしょう。
しかし、ここ数年でアイエーのバランスシートは筋肉質になりました。
特に3年間。負債は急速に減少し、純資産が急速に増加しています。
簡単に資産・負債・資本の合計だけ見てみましょう。
平成22年3月期
資産合計:27,487百万円
負債合計:18,089百万円
資本合計:9,398百万円
平成23年3月期
資産合計:27,256百万円
負債合計:16,956百万円
資本合計:10,305百万円
平成24年3月期
資産合計:29,007百万円
負債合計:17,676百万円
資本合計:11,331百万円
平成25年3月期
資産合計:27,532百万円
負債合計:15,000百万円
資本合計:12,531百万円
いちいちグラフにしないので、自分の頭でグラフ化して下さい。
まず最初に、バランスシートの枠だけの変化をイメージします。
これは僕のやり方ですが、結構オススメします。
5秒で出来るので、まず最初の取っ掛かりとして重宝します。
(本当は外部環境という意味で、同業種平均の変化も調べておいた方が良いと思います)
さて、アイエーは平成22年3月期以降に分かり易い変化をしています。
それまでは負債を増やして自己資本比率を減らしていましたが、これは複数の要因があり長くなるので割愛します。
ここ数年では、負債を減らし、自己資本比率を上昇させています。
特に前期で負債が大幅に減少。資産も圧縮しています。
資産で減少幅が大きかったのが『有形固定資産』です。資産の減少額とほぼ同じ額が有形固定資産の減少額になります。
一応その少なくなった資産の影響もあり、今年の業績予想は売上・利益ともに落ち込んでいます。
当然この落ち込みは株価の伸び悩み・下落要因にもなっています。
それでは、四季報の業績予想を含めて業績推移見てみましょう。
平成20年3月期
売上:25,963百万円
経常利益:1195百万円
純利益:655百万円
自己資本比率:31.5%
ROE:8.5%
平成21年3月期
売上:37,710百万円
経常利益:1,310百万円
純利益:581百万円
自己資本比率:28.9%
ROE:7.1%
平成22年3月期
売上:39,513百万円
経常利益:2,196百万円
純利益:1,201百万円
自己資本比率:34.2%
ROE:13.5%
平成23年3月期
売上:38,920百万円
経常利益:2,454百万円
純利益:1,147百万円
自己資本比率:37.8%
ROE:11.6%
平成24年3月期
売上:37,684百万円
経常利益:2,558百万円
純利益:1,207百万円
自己資本比率:39.1%
ROE:11.2%
平成25年3月期
売上:36,907百万円
経常利益:2,471百万円
純利益:1,444百万円
自己資本比率:45.5%
ROE:12.1%
平成26年3月期(会社予想)(四季報予想も会社予想を丸パクリ)
売上:35,000百万円
経常利益:2,050百万円
純利益:1,140百万円
平成27年3月期(四季報予想)
売上:36,000百万円
経常利益:2,400百万円
純利益:1,450百万円
グラフ化しませんので、各自頭の中でグラフ化して下さい。これもグラフ化しやすい推移になっていますね。
今期の業績は素晴らしいものになっています。
売上は回復したといっても前期には届きませんが、利益は過去最高の前期と同じ水準。
もう少しブレイクダウンしたいところですが、ここで一旦区切りましょう。
簡単に大枠だけ見てきました。この大枠が何故このような変動を辿ったのかはブレイクダウンして分析してみないと分かりません。取り合えず結果を確認しただけです。
ここまでの変化点としては
・売上や利益の減少は今期で終了し来期は増加に転じる
・売上高利益率は来期に上場来最高値を見込む(四季報予想)
・一時増加が続いた負債はここ数年で大幅に縮小
・純資産は毎年10%程度の増加
・1,2年後に自己資本比率50%を超える見込み
となります。
しかし、上記の変化点ではアイエーの本質は全く見えてきません。四季報を読んでいても本質は全く分からないのです。
大事なことなので後2回言います。
四季報を読んでいても本質は全く分かりません。四季報を読んでいなくても本質は分かりません。
続きます。