先日のライヴもバイタリティに満ち溢れ、まさに第二の全盛期を楽しんでいるSuede。 この作品は、彼らが持つポップネス、その光と影をすべての曲で体現していると私は感じました。 冒頭の「She Still Leads Me On」は、Brettの亡き母に捧げられた一曲。少し屈折した思いをのぞかせながらも、「空を見上げると、母が導いてくれる」と高らかに歌う彼の声が、今までのSuedeとは少し違うポジティヴさを感じさせてくれます。 「Personality Disorder」は、Brettのやや投げやり加減の呟きが新鮮。それと対照的に、ライヴでとても映えるサビが中毒性たっぷりです。私はここで「Will!You!Be!My!」とコーラスするNeilが好きでどうしようもないです。
ドラマティックかつ秘められた毒がたまらない「That Boy On The Stage」や、どことなく退廃的ながらも絶妙に繊細で美しい「Drive Myself Home」と、往年のSuedeらしさが詰め込まれたナンバーの連打に、もうお腹いっぱい…となったところでの強力な追撃が「Shadow Self」。疾走感あるロックナンバーは、彼らがすでに30年のキャリアを持つバンドとはにわかに思えないほどのフレッシュな雰囲気をまとっています。
本編ラストを飾る「Turn Off Your Brain And Yell」は、イントロのベースラインが何とも言えずカッコいい。Matがいい仕事してます。彼はライヴ中、ブレ兄さんより腰を振ってることが多いです。 クロージングに向かうナンバーなのに「脳ミソ停止して叫べ」とは、実にロックしているではありませんか。