A Plea en Vendrediとフライヤーには書いてあったので、てっきりこればっかりやるのかと思っていましたが、過去作からいろいろと披露してくれて、あの時こうだったなとか、こんなことあったなとか、頭の中にいろいろなことが走馬灯のように駆け抜けていきました。そのせいで、現実のタマスの歌と、過去の自分の記憶がないまぜになり、私は過度にセンチメンタルになっていたと思います。
やはり、私にとってA Plea en Vendrediは人生における大きな存在です。そのせいで、このアルバムの曲は大いに私の記憶を刺激するわけです。The Opportunity FairやI’m Sorry That The Kitchen is on Fireはその最たるもので、自分でも驚くほどに涙がこみ上げ、彼らの姿がかすむほどでした。 あの頃、私は本当にピュアに彼の歌が大好きで、脇目もふらずに音楽ばっかり聴いていた。他のことなんて考えていなくて、今思えば好き勝手に生きていたのだけれど、なんだかあの頃がとても恋しい。 そんな気持ちが押し寄せてきて、コントロール不能でした。
そんな気持ちを静めてくれたのは、最新作「To Drink up the Sea」の曲たち。大崎さんが「4月はぼくにとって革命」と言及されていましたが、「August I Think Nothing Much At All」は、私の死に体の心にも革命的でした。ここで、私は自分の心の奥底に何かが頭をもたげるのを感じたのです。それがはっきりとした形になったと思ったのは、翌日のライヴの時のことでした。