二人並んで 南風一
俺は5、6分遅れて
きみは15分遅れてやってきた
講師は国府候補地という場所を15、6年掘り続けても
何もなかったので
他の候補地を掘ったら
そこから国庁正殿が出たという話をした
俺が小声で
「早乙女さん、15年ですよ。
これから15年続けますか?」
と問うたら
「私はいいけど
南風さんは15年したら危ないわね」という
確かにそうかもしれない
長い講義が終わって
きみが立ち上がり
ボランティア仲間が後ろを通るので道を譲るとき
俺の二の腕がきみの太腿からお尻に触った
やっぱり柔らかい
ほんの2、3秒だったけれど
俺が調子に乗って腕を押し付けていてもきみは
全然気付いていないようだった
こんなに簡単に触れることができるきみの身体とは
何なんのかな?と想う
きみの意思とは無関係な身体
なぜそんなに魅力的なのかな?
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